インタビュー

『経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。』のシリーズ完結を記念して著者である長岡マキ子さんへスペシャルインタビューを実施! 完結後の今だから聞ける裏話や、ヒロインたちのお話を聞いてきました。

▶ギャルヒロインが生まれるまで
▶ギャルというヒロインを描くにあたって
▶一番書きやすかったヒロインは?
▶次回作について

──長岡先生、まずは『経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。』(『キミゼロ』)の完結おめでとうございます! 今回のインタビューではそんな『キミゼロ』のヒロインたちに共通する「ギャル」というワードを軸に、いろいろお話を伺えればと思うのですが……そもそも長岡先生は『キミゼロ』を書き始めるまで、ギャルにあまり興味がなかったと伺いました。
長岡マキ子(以下:長岡):そうなんです。私は処女厨なので、「経験済みのギャルをヒロインにラブコメを書いてほしい」という最初の担当さんの意見に「無理です」と即答するほどで……。以前執筆した『オタク荘の腐ってやがるお嬢様たち』で一人ギャルヒロインを書いてはいますが、それはハーレムの一員としてでしたし、メインヒロインをギャルにするのは難しいのでは、と思っていましたね。
――そこからルナが生まれるまでには、どういった心境の変化があったのでしょうか。
長岡:まず担当さんから何作かギャルヒロインが出てくるマンガをオススメされたんですよ。それを読んだら、ギャルファッションを採り入れているいろんな女の子を書けばいいのだなと、担当さんの意図に気付けたんです。ただ、そこからは自分の中にある「ヌルいギャルは書けない!」という気持ちとの戦いでした。
――ヌルいギャルというのは?
長岡:この令和の世の中にギャルをしようと考える女の子ならば、何かしら踏み込むだけの理由があるはずだと考えたわけです。学校の先生からわざわざ怒られそうなファッションを選ぶわけですからね。そこでルナは第一次ギャルブームを青春時代で迎えた母親に憧れているという理由になって。お母さんとは離れて暮らしているけれど、あらゆる面をリスペクトしているのでギャルになる。そういう流れでルナを生み出していきました。その後、ギャルの友達もギャルだろうと悩んでいくことになるのですが……。
――そこで生まれたのがニコルですね。
長岡:友達なのだから、ルナにシンパシーを感じるような家庭環境であることはマストで、さらに少し捻くれてヤンキー寄りのマインドを持っている女の子にしようと。思い返すと、第一次ギャルブームでもヤンキー寄りのギャルは大勢いましたからね。あと、ルナの友人のギャルといえばアカリがいますが、彼女は第3巻からの登場なんですよ。
――アニメ版では序盤から登場していますけど、後から加わったキャラクターなんですよね。
長岡:彼女は二人よりライトな、ともすれば「ギャル?」と疑問を抱かれるくらいの温度感にしています。というのも、アカリのイメージは第一次ギャルブームのそれではなく、原宿にいそうな女の子をイメージしているからです。ファッションにこだわりすぎて、校則には違反しているオタク……くらいのポジションですね。マインドはギャルに近いけれど、好きなものにはとことん進む、オタク的な要素が強い子でもあります。
――そんなヒロインたちをmagakoさんが美麗なキャラクターにデザインされていて……。
長岡:magakoさんは元々とてもギャルがお好きなイラストレーターさんなんですよね。他の作品を見ても、清潔感のあるギャルをいっぱい描かれていたので、私から特段お願いすることは何もなく……。しっかりルナやニコル、アカリの内面を捉えたデザインにしてくださっていて、とてもありがたかったです。
──実際に本文を執筆される際、ギャルヒロインとそうでないキャラクターとでは何か意識の差はあったのでしょうか。
長岡:ギャルマインドをしっかり込めることは意識していました。ギャルマインドがどういうものなのかというと、私は「自分のやりたいことを真っ直ぐ実現しようとする推進力」のことだと考えています。その結果、ギャルマインドいっぱいなルナの対偶として生まれたマリアはネガティブになってしまったんですけど……!
──そのギャルマインドは、高校を卒業した後のルナたちも変わらず注入されていたのでしょうか?
長岡:ルナに限っていうと、社会人になってからはそこまで意識していなかったかもしれません。巻数を重ねるうちにルナはあくまでルナになっていったので、ギャルがどうこうとは思わなくなったような気がします。ニコルは問題のある家庭環境で育ったので、恋愛観が歪んでいるんです。そこからギャルになっているので、社会人になっても少しギャルマインドのことは意識しながら描いていた気がしますね。思えばニッシーや関家も家庭環境に問題があるので、あの三角関係はアダルトチルドレン同士の回避と恋愛依存の相互関係にもなっていたわけですが……。それをお互いの関係の中で傷を付け合い、癒し合っていくのがニコルたちだったのかなと。アカリに関しては、とにかく好きなものに対して真っ直ぐ突き進んだ結果がイッチーとの結婚、妊娠だったので(笑)。彼女ならどんな出来事が起きても前向きに頑張ってくれるだろうと思い、敢えて過酷な運命を課した節があります。
──そんな理由があったんですね(笑)。ギャルという点でいえば、リュートが大学生になってから出会ったギャルに高校時代のクラスメイト――金田優菜と藤井海結がいますよね。クラスメイトだった杉浦冬翔、大須賀蹴也とずっとつるんでいるという……。
長岡:ミュージカル版のアンサンブルとしてもキャラクター名が採用されていますが、優菜は第1巻のアカリと同じタイミングで名前だけ登場していて、海結はアニメ版でシリーズ構成の福田(裕子)さんに作っていただいたキャラクターですね。彼らはいわゆるマイルドヤンキーとして、ちょうどリュートの教育実習編へ組み込む形で肉付けをしていきました。男子二人と合わせて、クラスでも仲が良かったけれど、卒業後も地元でまだまだつるんでいる。そんな関係性を描けたら、ルナたちとも被らず面白いかなと。
──ちなみに、長岡先生がギャルヒロインたちの中で一番描きやすかったのは誰ですか?
長岡:アカリですかね。彼女はどんなふうに描いても読者の方に受け止めてもらえるので……。イッチーに暴力的な行動や発言をしても、急に妊娠しても、アカリなら自然に受け止めてもらえると思いました。あと、彼女はイッチーが初めての相手だったので、私の心の中の処女厨もガッツポーズしていましたから(笑)。
──なるほど(笑)。結果的に多くのギャルヒロインを生み出していったわけですが、今はもうギャルヒロインのことがお好きになられたのでしょうか。
長岡:『その着せ替え人形は恋をする』や『夫婦以上、恋人未満。』といったギャルヒロイン作品がヒットするのを見て、嬉しくなるほどには好きになりましたね。ハーレムものにギャルが登場するとなかなか恋は成就しませんが、メインヒロインがギャルだと当然勝てますし、キャラクターの人気もありますからね。あ、ただギャルヒロインがヒットするのは嬉しいですけど、ネタ被りが怖かったのでほとんどの作品は序盤の展開くらいしか読めていないんですよ。完結した今、ようやく『その着せ替え人形は恋をする』が読めるようになるので、とても楽しみです。
──さて、『キミゼロ』が完結した今、既に長岡先生は次回作の構想にも入られているのかなと思います。次回作でもギャルヒロインが登場する可能性はあるのでしょうか?
長岡:マストではないですけど、ギャルに対する恐れはなくなりましたし、可能性はあるかもしれません。なんといっても、ギャルが登場するだけで作品が明るくなるので……。ギャルマインドで明るく物事を解決してくれると、作品のトーンも華やかになりますよね。そこがギャルヒロインの魅力の一つかもしれません。ただ、ルナやニコル、アカリたちで書いたことと同じようなことをしても面白くないので、次のテーマに沿う形で新たなギャルを生み出していくことになるでしょうね。数年間書き続けたルナを書くことがもうないなと思うと少し寂しいですけど、ぜひ次回作もご期待いただけると嬉しいです。
インタビュー:太田祥暉


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