ファミ通文庫 編集長
和田寛正
著者:石川博品
イラスト:うき
この作品に出会ったのはまだ大学4年生の頃で、しかもまだ本になる前のA4コピー用紙に印刷されたものでした。当時ファミ通文庫編集部でアルバイトをしていたのですが、仕事らしい仕事がなく先輩方が一生懸命働く姿をボンヤリ眺める(やや苦痛な)毎日だったわけです。それを見かねた先輩が新人賞の応募原稿の中で面白そうなものを幾つかピックアップしてコピーを渡してくれたのですが、その中に入っていたのがこの『耳刈ネルリ』でした。タイトルからはかろうじて『御入学』の部分で学園物かな?というくらいしかわからないと思いますが、どんな内容かといいますと文化(耳を切ったり切らなかったり)や価値観の違う学生たちがそのギャップに引いたり、恋をしたり、ヒロインである王女ネルリが野良小便したりという……まぁ、とにかく読んでみてください。
そんなこんなでこの作品を受賞させるようなレーベルなら働いてみたいなと思ったのを覚えています。そして今私はファミ通文庫編集部の編集長で、石川博品先生の担当編集者を務めておりまして……私が担当した石川先生最新作『海辺の病院で彼女と話した幾つかのこと』好評発売中です!
和田寛正 (わだ ひろまさ)
ファミ通文庫 編集長 |