株式会社KADOKAWA
エンタテインメントノベル局 局長
三坂泰二
著者: ヤマグチノボル
イラスト: 兎塚エイジ
初めて読んだライトノベルは、スニーカー文庫の『魔獣戦士ルナ・ヴァルガー』(著:秋津透 イラスト:あろひろし)でした。美少女が怪獣の「角」のあたりに生えている?という、斬新な設定に衝撃を受け、そのイラストとともに従来のジュブナイル小説とは一線を画する自由さに大きな魅力を感じました。1980年代の後半、まだ「ライトノベル」という名称の無い黎明期の頃です。
そんな私がオススメするのは、立場上ちょっと気が引けるのですが、『ゼロの使い魔』。『ゼロ使』というとツンデレやラブコメの印象が強いかもしれませんが、召喚された現代っ子の才人が、名門貴族ながら魔法の才能ゼロのルイズとともに異世界を救う、王道の冒険ファンタジーでもあります。入り口は読者に身近な学園ものですが、巻を追うごとに次第にスケールアップする世界を舞台に、多彩な登場人物たちが恋や友情、戦いと成長のドラマを紡ぎます。誕生から十余年を経てライトノベルが大きく花開いた2000年代を代表する作品です。
三坂泰二 (みさか たいじ)
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