あらすじ紹介
──死ね。死ね。 天井から聞こえる微かな物音。少年の意識には、その音が狂おしく囁いているように思えた。そして……。
社で始まる「虫おくり」の祭りの準備中、街では蜂の被害が広がっていた。被害は主に、信乃歩の学校で自殺した少年の住む地域で起きていた。そして少年を虐めていた人間がまた一人、犠牲になっていく。果たして呪いと虫おくりの関係とは──。
みんなからのレビュー
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まりも
47「虫おくり」祭りの準備が始まった中、七谷地区よりも深い山奥にある集落を中心に蜂の被害が広がっていく…な話。田舎と言えば穏やかなイメージがつきものですが、今作はそんな田舎の負の一面をえげつないまでに描ききってますね。世界が狭いからこそ、そこで起きる虐めの陰湿さ、人間関係の醜悪さは心底気分が悪くなりました。これを読むと田舎に対する理想が消え去るわw 展開はさっぱりしているのに、内容がドロドロしているから後味の悪さもハンパないです。しかしそこがこの作品の魅力でもあるんですよね。次巻の刊行はあるのだろうか… 続きを読む…
ネタバレあり -
そのぼん
38痛い、痛すぎる・・・。虐めが原因で自殺した少年。それが元で巻き起こっていく恐ろしい出来事が描かれていました。そして、痛々しい描写が相変わらずうまく描かれていました。ホラーが苦手な人はとてもじゃないけど甲田学人の作品は読めないだろうなって思いました。 続きを読む…
ネタバレあり -
プリムローズ
25虐めは呪い、という言葉に考えさせられました。嫌なもの不快なものを、何かに押し付けて消し去る。古くから行われてきたことで、身近にありふれたこと。でも、押し付けられたものにとっては、たまったものじゃないですよね。なるべく自力で、どろどろした物を消し去りたいなと思いました。そして、そろそろ夢人と薫の婚約のいきさつが知りたい!気になる! 続きを読む…
ネタバレあり -
翔(かける)
23シリーズ第3巻。短編『魂蟲奇譚』とはまた一味違う不気味さでした。閉鎖された地域で公然と繰り広げられるいじめ、悪意を一身に引き受けた子ども、自らの行いを反省しない加害者、自殺してしまった被害者、始まる悪夢…。耳の中に蜂の体が入りこむ描写のおぞましさといったら、さすがは甲田先生です。本当にゾッとします(褒めてる)。優しすぎて駄目だというオミコサマの意味を真に理解したとき、絶対越えてはならない境目の存在を強く感じました。はたして、夢人の願いに叶う呪いは存在するのか?次巻、期待しています。 続きを読む…
ネタバレあり -
ちる
20排他的なムラ、そこで起きる苛め、そして報いの話。今回は、「不快」の一言に尽きる。鬼ごっこが穢れ払いであるという見方に気づいてしまうと、子どもの頃の遊びもなんだか純粋に楽しめなくなってしまうな。鬼ごっこ、節分など、日本の伝統は「呪い」とともにあるというのは間違いないんだろう。怖いというより苦しい巻だった。やはり一番怖ろしいのは人であると再認。スズメバチ、怖い。(以前、釣りに行った時にスズメバチにストーキングされた思い出が……(^_^;) 続きを読む…
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製品情報
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レーベル
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発売日2013/09/10
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定価671円(本体610円+税)
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ISBN9784048919968