
あらすじ紹介
生まれてくるすべての子供が先天的な“欠陥”を持ち、『サプリ』と呼ばれる補助剤の助けがなければ感情を制御できなくなった近未来。 仲間とともに《ヴィークルレース》に興じる少年、羽鳥カナミは、ある夜、不思議な少女と出会う。少女の名前は出雲ミクニ──《新世代》と称される歌姫との邂逅は、羽鳥になにをもたらすのか。レースの先に待ち受けるのは、栄光の未来かそれとも── うえお久光が贈る青春爆走劇(エクストリーム)!
みんなからのレビュー
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そのぼん
36退廃的な空気感・・・。解ったような解らんような感じでしたが、ゲームの無機質な世界に放り込まれたような感覚をどことなく味わいながら読んでいました。 続きを読む…
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KEI
16購入。「紫のクオリア」以来はまった、うえお久光さんの新刊。子供たちが感情の抑制と表現に欠陥を抱えてしまった近未来。彼らの感情をコントロールさせるには「サプリ」が必要になった。数多くのサプリが蔓延する中、娯楽としてのサプリが若者に広まったのは避けようのないものであったろう。この娯楽のメインストリームとなったのが、サプリ・ヴィークルを使用し、自分の肉体を自由自在に操縦することで街一つをコースとした非合法レースを行う「ヴィーウルエンド」であった。 んー、面白い、そして熱い、カッコいい。レース中の自分自身を操縦す 続きを読む…
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ヴィオラ
10現実の、とある県で制定された「青少年ゲーム規制条例」を思い出す。新しいもの・理解できないもの、若い世代に対する大人の反発は、もしかしたら自分達の世界を守ろうとする自衛行動なのかもと。本当に「子供のために」というスタート地点では無さそうなのがなんとも。ドラッグ、ロック、ジェネレーション、(少し無理やり)フリーセックスと、なんだかひと昔ふた昔前のキーワードがチラつくのは、著者の狙いだろうか?これで、うえおさんの作品は一通り終了かな?今もまだ消息不明なのだろうか?未完のシリーズを是非とも完結させていただきたいw 続きを読む…
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VAVA
10再読。ミカタで鍛えたパンチとクオリアをまとめきれたフットワークをひっさげてうえお久光の集大成、と言いたいところだが詰め込みすぎなのは否めない。章ごとを一巻構成にして四巻構成にしておけば「イリヤの空、UFOの夏」とタイマン張れるくらいの名作になっていたはず。実に惜しい。が、それでも面白い。瞬間的な爆発力ではやはり他の追随を許さない作家だ。一章だけでも完成度はすばらしいし、最後の満を持してのボクサーパンツなんて才能の塊としか思えない。ほかの誰が書けるよこんな話。帰ってこい、うえお。 続きを読む…
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滝ボーヨ
8肉体を乗り物として感覚出来る能力を持った未来の少年少女達。彼らは自らの能力を駆使し、体制に塗れた大人の街を駆け抜けるのだー。と書くと疾走感溢れるエンタメSFのようだが、実際この小説の多くを占めるのは「若者が自分とどうやって向き合っていくか」、いわば内面重視の描写ばかりなのだ。能力を目覚めさせる為にはドラッグに極めて近い薬を摂取しなければならない。そんな自分の肉体の欠陥について主人公は悩む。本来ならば物語を前進させていくSF的ガジェットをあえてキャラの内面に潜る道具立てとして扱う、異色のSF青春小説だ。 続きを読む…
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製品情報
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レーベル
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発売日2010/07/10
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定価693円(本体630円+税)
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ISBN9784048686556