あらすじ紹介
「私が死んだら、お兄ちゃんはきっと泣くと思います――」 重い病気を患っている中学ニ年生の井崎由香。夏休みに一時退院した彼女は、これまでほとんど接触のなかった兄の智弘と、“かんネェ”こと夏尾とともに過ごした夏の想い出を日記帳に綴る。 兄に帽子を買ってもらったこと、神戸の高山植物園に行ったこと、お弁当を持って須磨海岸に海水浴に行ったこと……。 だが、何気ない日々の中で少しずつ兄への気持ちは形を変えていく。揺れ動く淡い恋心を知るべくもない智弘。そして由香の気持ちを知ってしまった夏尾。結末は悲しい出来事とともに訪れた……。
みんなからのレビュー
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たく@ぼっち党員
12中の中。これはー…恋愛モノってことでいいのかな? どうも私、スレてしまっているようで、感動はしませんでした。捻りがないというか、ストレートすぎると言うか…。んー、大学生が読んで楽しめるほどではないっすね。作者さんがデビュー前に書いたものらしいですし。もっと幼い頃に読めば心に響いたかも? 主人公のくずっぷりと偽善者的振る舞いに終始イライラして読んでました。あと、一人称視点とはいえ、セリフ以外も関西弁なのは読んでて辛いものがある。 続きを読む…
ネタバレあり -
ぶなぶな
11高校生の智弘が難病の妹・由香と共に過ごしたひと夏の物語。真っ向から全てを描いておりあまりに辛かった。終末期の病を持つ者とその周囲は、こんな風に死が近づいて、こんな風に置いて逝って、こんな風に失うのだろうと想像する。智弘の一人称は極めて直情的で、全部の感情が偽りなく流れてくる。会話の少なかった兄妹が色々な場所に遊びに行ったりと、智弘が初めは戸惑いつつも妹のために尽力する姿は立派だった。何もしてやれなかったなんて嘘である。かんネェも二人を支えてめちゃくちゃ良い幼馴染だ。それと由香の日記はまじでずるいと思った。 続きを読む…
ネタバレあり -
Humbaba
9小さく,病弱な体.しかし,そこに込められた思いまでもが小さいとは限らない.ずっと病院にいたために,何をするにも時間がかかり,体力が尽きてしまう.それでも諦めたくないものがあるからこそ,それてにしようとする. 続きを読む…
ネタバレあり -
た〜
8ふわふわあまあまのラブコメのような始まり。だんだん重たくて切ない展開に・・・ 現実にあっても不思議がない設定であり結末もご都合主義を排し現実的であり切ない。 続きを読む…
ネタバレあり -
凜音
7読了 重い病気を患う妹の由香は夏休みの間だけ退院する。 それまで関わりの薄かった兄:智弘と過ごす夏休み。数々の矛盾した感情を抱えるキャラ達の物語。 人間味に溢れた作品だったな… いくら妹の死の直前であったとしても、向き合った時間の短さや、状況状況での対応、心の声、どれもが偽善的だったり、利己的だったりと醜い側面を持ちつつ、それでも妹になにかしてあげたい気持ちもある。 それこそ人の心なんて矛盾の塊なのだからそういう人間味溢れた作品になってましたね。 続きを読む…
ネタバレあり
製品情報
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レーベル
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発売日2002/08/25
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定価693円(本体630円+税)
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ISBN9784840221603