あらすじ紹介
思うに〈青春〉というのは、よくできた推理小説のようなものだ。
失われてしまった恋愛成就の桜の謎。部活勧誘の小さな違和感。巨木の樹齢に秘められた物語。密室で消えたハムスター。壊れかけの生物部に捧げられた、高校生たちの切実な決断。
無関係だと思われたひとつひとつの因果はどこかでつながっていて、あとから振り返って初めて俺たちはそれを〈青春〉と認識する。そこでようやく気付くのだ。見落としていた大切なことに。
「検証してみようよ……科学的に!」
これは、科学をこよなく愛する高校生たちが日常で直面する数々の謎に挑む、綱長井高校「理学部」のささやかな活動記録。
――そして、一つの初恋が解き明かされるまでの物語である。
みんなのデータ
-
3評価する
-
16読みたい
みんなからのレビュー
-
オセロ
41作者買い。面白かったですね。 裏山にある桜の木の伝承、イチョウの樹齢から絵に隠された秘密、生物部室から消えたハムスターなどの謎を科学的に考察していく今作。日常ミステリーとしてはもちろん、キャラクター達を魅力的。 終盤で一連の出来事の裏に関する秘密が明かされ、ようやくラブコメとしての進展が見られて続きも楽しみです。 続きを読む…
ネタバレあり -
よっち
32科学に好奇心旺盛な岩間理桜と印象的な出会いを果たしたデルタこと出田樟。科学をこよなく愛する高校生たちが日常で直面する数々の謎に挑む青春ミステリ。鮮烈な出会いを果たしながら、なかなか距離が縮まらない2人の関係も絡めながら向き合う失われた恋愛成就の桜の謎。部活勧誘の小さな違和感。巨木の樹齢に秘められた物語。密室で消えたハムスター。全てが繋がってゆく因果から見えてきた切実な決断。受け入れがたい事実があってもそれがかけがえのない出会いであったことには変わりなくて、らしさを尊重しあえる2人の結末はとても素敵でした。 続きを読む…
ネタバレあり -
和尚
24心地よい小説でした、リズムが良い始まりからずっと面白かったです。僕が理学部出身というのもあるかもしれないですが、キャラクターが魅力的で大好きでした。最初に二人が並ぶ挿絵を始め、絵もとても綺麗で良かった。 日常の疑問や謎を知識と観察をもって解いていきながら、キャラクターを掘り下げていくのは本当すごいですね。 物事に理由があって納得があるのが好きで探究心がある。そんな"感覚"が合う二人が、それぞれにより良く過ごしてほしいと思いやる友人の働きもあり距離が近づいていく。こんな部活入りたかった。二巻が楽しみです! 続きを読む…
ネタバレあり -
真白優樹
18高校三年の夏の終わり、植物好きな少年が友人である科学好きの少女からとある押し花を貰い、青春を思い返して始まる物語。―――その証明に繋ぐため、今解き明かすは日常の謎。 論理と推理、科学で日常の小さな謎を解き明かしていく中、ここにしかない青春を過ごす物語であり、瑞々しくて真っ直ぐな青春が溢れている、正に彼等だからこその青春が楽しめる物語である。いつかその証明に繋ぐため、今始まった科学の日々。舞台の上に集った仲間達と共にどんな日常を過ごすのか。次に現れる謎と解き明かす科学はどんなものか。 次巻も楽しみである。 続きを読む…
ネタバレあり -
のれん
15理系というと何かと情報理学が取り上げられるIT社会において、生物生態学を主題に挙げているところは関心(作者の専門がそうであったようだが)。 化学・物理学と学問的には分けられている分野の知識や学術も自然科学界では同じように適用できる面白さがこの作品のテーマなのだろう。 しかしキャラの行動原理が高校というよりは大学や専門機関に感じる。恐らく意識している『氷菓』も現代高校生観とは乖離していたが、古典ミステリの吸引力は歴然とするものがある。(1/2) 続きを読む…
ネタバレあり
製品情報
-
レーベル
-
発売日2024/11/08
-
定価770円(本体700円+税)
-
ISBN9784049156461