あらすじ紹介
人間は何枚もの仮面を被って生きている。薄っぺらい笑顔の仮面を何枚も、何枚も被って。そして次第に本当の気持ちをなくしていく。そう気づいたときオレは決心したんだ。
他のやつらみたいに自分を偽るようなことはしないぞ、と。
高校生になり、オレは由衣に運命の恋をする。告白をするが玉砕。彼女は学校の人気者・幸太郎と付き合ってた。
ありのままの自分を否定され傷心のオレは同じく幸太郎に振られた彩音と出会う。
身なりはボサボサ、自己中心的な彩音を見て、オレたちは自らを変革する必要性を悟る。
運命の相手がオレたちじゃないなら、オレたちが運命の相手になればいい。
お互いの想い人になり、運命の相手を略奪する計画を開始する――。
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みんなからのレビュー
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よっち
26運命の恋だと思った百瀬由衣に告白したものの、ものの見事に玉砕した鷲谷相馬。同じく藤峰幸太郎に振られて美術室で暴れていた鳩羽彩音と出会う青春小説。身なりや自己中心的な性格を顧みて変革する必要性を突きつけられた2人が立てた、お互いの想い人を模倣して運命の相手を略奪する計画。本音ではありのままの自分が認められることを求めているのに、矛盾したことを目指した結果は何ともカオスな関係で、けれど誰もが見た目そのままな性格であるはずもなくて、迷走して遠回りもしましたけどかけがえのない存在を見出すことができて良かったです。 続きを読む…
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とってぃー
12ありのままでいられなくてぐちゃぐちゃになる青春ラブコメ。小骨が喉に刺さる違和感をずっと感じるが、それが個性だと昇華される…。つまり、もどかしさを表現し続けるのがスゴすぎる!ありのままの自分が好きなのに、好きな人の真似をする・なり変わろうとする…、仮面を被ることで正当化する…。矛盾が溢れることいっぱいでぐちゃぐちゃに混ざって考えがまとまらない。理解したとは言えないが、この上手く言語化できない感じが作品の魅力だと思う。いっぱい悩ましてくる良作品です! 続きを読む…
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真白優樹
12運命的な初恋をし玉砕した少年が、同じように玉砕した少女に出会い始まる物語。―――贋作の空洞、其処に詰める変革とは。 仮面と本質、素顔が交錯する中に変化と自分のアイデンティティとの間で揺れ惑っていく物語であり、正に心突き刺されるような味の楽しめる、この作者様だからこそ書ける、かもしれぬ物語である。がらんどうではなく自分自身、そうあれる場所を求めるのは自己愛。自己愛と他者愛の先、そこに何を求めていくのか。目撃してしまった素顔、それは二人の関係を揺るがす何かに繋がるのだろうか。 次巻もあって欲しいものである。 続きを読む…
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椎名
9ありのままの自分では愛されない。ならばどうするか。愛する人が愛している人に成り変わればいいのだ。ここまでハッキリと0か100か、という作品はあまりない気がする。愛される人間になるよう努力する、ということではなく、完璧にトレースしようとするその歪みが良くも悪くもこの作品の味だろう。やろうとしたことは面白かったが、アミーゴが何故人気なのか全くわからなかったのが致命的にリアリティの欠如に繋がってしまった気がする。最後の最後まで他に運命の相手ができるかも、というフラットさを貫いたのは良かった。 続きを読む…
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リク@ぼっち党員
9自分以外の誰かになりたいという願望はあまり理解できないけど、今の自分が嫌いでどうにかしたいという気持ち自体は悪くないことだと思う。自分を偽ることで社会性を確保しているのは誰もがしている事だけど、それを受け入れられないというものわかる。そんな気持ちがせめぎ合う不器用な者たちのラブコメ。何もかもが間違ってるけれど、この紆余曲折があったから自分の気持ちに向き合えたならまぁ良かったのかな。ラストですんなりと認められないあたり、本当に不器用だ。お互いの前で何一つ偽ることない関係になれるのといいな。 続きを読む…
ネタバレあり
製品情報
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レーベル
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発売日2024/10/10
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定価770円(本体700円+税)
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ISBN9784049157956
パートナーのおすすめレビュー(宣伝)
恋を諦めきれずに理想の姿を追い続ける二人の青春物語だよ
そんな傷心中の彼の前に現れたのが、同じく好きな人にフラれた彩音ちゃんだったの。自分をフッた者同士が付き合っていると知った二人。お互いの好きな人そっくりになれば、自分をフッた相手と付き合えるかも…。そう考えた二人は、好きな人の恋人を観察して、彼らのように生まれ変わろうと決意するの!
彩音ちゃんから、由衣ちゃんの恋人は勝負事で負けたことがないことを聞いた相馬くん。100メートル走の勝負をもちかけたんだけど、見事完敗。誰にでも優しくて社交的なところをマネて、みんなに挨拶してみるけど無視されちゃうなんてことも…。でも相馬くんは、由衣ちゃんとの運命の恋を諦めきれなくて、 理想の姿を演じ続けるんだよ! 彼のめげない姿に何度も「がんばれ!」って、声が出ちゃった!
試行錯誤しながらも理想の自分を探し続ける相馬くんの姿はキラッキラに輝いてるの! どんな失敗も恐れないでチャレンジし続ける勇気をもらえるお話だよ。
「自己変革」で理想の自分へ近づく二人! しかし新たな悩みが生まれて…
相馬さんの提案で、二人が買い物に行った時のこと。彩音さんは相馬さんが選んでくれた清楚系の洋服を着て、キレイな女性に大変身! お互いを褒め合う姿も自然で、理想の人物像に近づいていく喜びを感じられました。
順風満帆な「自己変革」の道のりですが、しかし相馬さんは自分を偽ったまま生活することに少しずつ違和感を持ち始めて…。同じく彩音さんにも、新しい悩みが生まれます。常に自分を押し殺さないといけないのは、並大抵の息苦しさではないでしょうからね…。
周りが望むような完璧な人間という理想像に近づくほど、自分が空っぽになっていく虚しさを覚える本心。どちらを選ぶべきかという葛藤には「自分が誰であるのか」という疑問を投げかけられているようで強く心を打たれます。どんな自分になりたいのかを見つめ直すきっかけを与えてくれる一冊ですね。