あらすじ紹介
「私は人が生き抜いた末の『死』が観たい。その果てに、なにが遺るのかを」
『死』を学ぶためだけに現世を旅をする死神がいる。死神公女フリージア・トルストイ・ドルシュヴィーア。
異世界の中でも高位な存在であり、現世の『死』を知りたいと願った彼女は、付き人である少年、《人の死期がわかる》異能を持つ黒朗夏目と、様々な人間の『死』を看取る旅をする。
寿命という概念と無縁だから、人間と親しくなったことがないから気付かなかった、抗いようのない一つの事実。
彼女がそのことに気付く、その刻まで――旅は続く。
みんなのデータ
-
3評価する
-
7読みたい
みんなからのレビュー
-
オセロ
44これは良かったですね。寿命という概念がない為に、人が死んで何が遺るのか分からない死神公女のフリージア。そんなフリージアと共に人の死を看取る旅をするのは人の死期が分かる少年の黒朗。2人の旅を綴った物語は人の死が絡んでくるからというどうしても切なさ溢れるものだけども、短編集形式ならではのテンポの良さを活かしたコミカルなやり取りが程よくて。ストーリー展開は予想通りだったけれど、ラストはグッとくること間違いなし。 続きを読む…
ネタバレあり -
よっち
36『死』を学ぶために現世を旅をする死神公女フリージア。付き人の《人の死期がわかる》異能を持つ黒朗夏目と様々な人間の『死』を看取る連作短編集。異世界の中でも高位な存在であり現世の『死』を知りたいと願った彼女が、特権を活かして目の当たりにする祖母に最後の想い出を残したい青年、預言師の死の宣告、異世界珍味の試食、宿りの花。やたら食うフリージアの描写には苦笑いでしたけど、寿命という概念と無縁で、人間と親しくなったことがないから気付かなかった彼女が、最期に全てを理解した末に辿り着いたその結末がなかなか効いていました。 続きを読む…
ネタバレあり -
のれん
231巻でキレイに収束していた。 感情が薄いとか上位存在だとか、御託は並べてたけど結局のところ彼女が一番涙もろい優しい人間性があったのではないか。素晴らしい相手が長生きしてほしい、死んでほしくないと思うことのどこが悪いのか。でも彼女に見初められるぐらい立派な存在は死を厭わないし道理を受け入れる度量がある。 彼女はまた会える相手が欲しかった。そんな有り得ない夢を男は叶えた。ラストは急に生えてきた無茶苦茶なハッピーエンドだったが、作者の作風を考えたら仕方ない。愛する者が一番強いのは最早変えられない宿命なのだ。 続きを読む…
ネタバレあり -
サキイカスルメ
19とっても良かった!やっぱり綾里さんの作品大好き!!現代と異世界の繋がった世界で、異世界の死神公女と寿命が視える異能を持つお付き(人間)が様々な死を観測していく物語。連作短編を死のテーマで、涙溢れるものから胸糞悪いもの、果ては爆発まで幅広く読めたのが面白かったです。そして最後は死神公女が知った死の意味と結末、美しくて優しい着地がすごく好き。後味が良いんですよね、綾里さん作品は。 続きを読む…
ネタバレあり -
八岐
16★★★★ 1巻完結。普段なら数巻掛けてやるシリーズを特に後半で一気に凝縮したような感じでしたね。濃密で軽快な疾走感もありいつもながらに面白かったんだけれど、メイン二人が良いキャラだったので、もっと二人の事をじっくりと追いたかったという気持ちも沸々と。イメージとしてもっとしっとりと哀切ある死にまつわる話だと思ったら、死を収集する話でありながら、フリージアと黒朗コンビが楽しすぎて、何とも愉快な読み心地でした。ってか爆発オチネタぶっこんでくるのはズルいよ。大量虐殺の大惨劇なのに笑っちゃったじゃないかw 続きを読む…
ネタバレあり
製品情報
-
レーベル
-
発売日2024/10/01
-
定価748円(本体680円+税)
-
ISBN9784041153161