あらすじ紹介
城壁都市バルディウム、ここはどこかの薄暗い部屋。
少年・ノーマンは拘束されていた。
どうやら俺はこれから尋問されるらしい。
語るのは、感情を力に換える異能者《アンロウ》について。
そして、『涙花』『魔犬』『宝石』『妖精』。名を冠した4人の美しき少女とバケモノに立ち向かった想い出。
「とっとと倒して、ノーマン君。帰ってイチャイチャしましょう」
「……いや、君にも頑張ってほしいんだけど?」
全くやる気のない最強で最凶な彼女たちの欲望を満たし、街で起こる怪事件を秘密裏に処理すること。
これこそが俺の真なる使命――――のはずだった。
だが、いまや俺はバルディウムを混乱に陥れた大罪人。
魔法も、奇跡も、幻想も。この街では許されないようだ。
でも、希望はある。どうしてかって?
――この〈告白〉を聞けばわかるさ。
第30回電撃小説大賞最終選考会に波紋を呼んだ、異色の伝奇×追想録。
ラスト、世界の均衡を揺るがす少年の或る〈告白〉とは――。
みんなからのレビュー
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眠る山猫屋
62ちょっと合わないかも、と思いながらも読み進めると・・・不思議に馴染んでくる物語。“アンロウ”と呼ばれる異能者、主人公ノーマンは四人の異能者を従え、違法に暗躍するアンロウを取り締まっていたはずだった。冒頭はノーマンが尋問されている場面、遡って四人のアンロウ毎の物語が紡がれていく。各々無敵な美女(美少女)アンロウたちとノーマンの関係性、あまりに堂々とイチャイチャなので正直引いた。ノーマンも欲望をなんとか抑えている感じだし。でも相思相愛だからこそ、戦い抜けるというのは良い。四人が仲悪いのも仕方ないな~w 続きを読む…
ネタバレあり -
よう
45城壁都市バルディウム、ここはどこかの薄暗い部屋。 少年・ノーマンは拘束されていた。 どうやら俺はこれから尋問されるらしい。 語るのは、感情を力に換える異能者《アンロウ》について。 そして、『涙花』『魔犬』『宝石』『妖精』。名を冠した4人の美しき少女とバケモノに立ち向かった想い出。 「とっとと倒して、ノーマン君。帰ってイチャイチャしましょう」 「……いや、君にも頑張ってほしいんだけど?」 全くやる気のない最強で最凶な彼女たちの欲望を満たし、街で起こる怪事件を秘密裏に処理すること。 続きを読む…
ネタバレあり -
オセロ
42う〜ん…。感情を力に変えることのできる〈アンロウ〉と呼ばれる異能力者たちを時に取り締まり、時に協力して調査を行うカルテシウスの研究員のノーマンへの尋問は〈アンロウ〉の中でも屈指の力を誇る4人の美女たちとの事件の調査記録。それぞれの事件の内容・トリック・美女たちの異能・尋問官の目的はアッと思わせられるものがあったけれども、ラストの見せ場は何を見せられてるんだ状態でしたが、プロローグと思えば悪くないかもと思ったり。 続きを読む…
ネタバレあり -
よっち
35治安悪化や公的施設破壊の嫌疑で拘束された少年ノーマン。彼を友人と呼ぶ研究員ジムに尋問されて、異能者アンロウである4人の少女と立ち向かった事件の想い出を語る物語。感情を力に換える異能者アンロウと事件に挑んだノーマンの口から語られる、涙花シズクと挑んだ女社長の殺人事件、魔犬エルティールと挑んだ連続惨殺事件、宝石ロンズデーと挑んだ街を賑わせた怪盗事件、妖精クラレスと挑んだ最新式直通特急のトレインジャック事件。繋がってゆく一連の事件と背景があって、大切なものを守るためにはためらわない彼の覚悟が印象的な物語でした。 続きを読む…
ネタバレあり -
和尚
31絵が全部好きでしたけど、最初の紹介的な挿絵から良かったですね! そうしてビジュアルも示した上で、回想の形式で一人ずつ語られるそれぞれの話と、少しずつ明かされていく世界観、これがとても好きでした。 最後に至る展開もとても良かった、この展開ならこうですよね、という流れで本当好き。終わりの見開きの絵も良すぎ! エピローグのその先、次の話が読みたいので是非是非お待ちしてます、まだの方は買って読みましょう。 続きを読む…
ネタバレあり
製品情報
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レーベル
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発売日2024/05/10
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定価770円(本体700円+税)
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ISBN9784049155297
パートナーのおすすめレビュー(宣伝)
気分屋だけど最強な4人のためにうまく立ち回るノーマンのスマートさがカッコいい!
だけど問題が一つ。彼女たちは強力な異能を持っているけど、事件の解決にはまるで興味がない。感情がそのまま力の強さになる異能を使いこなすためには、ノーマンが彼女たちの欲望を満たす必要があるんだ。「アレが食べたい」と言われたら捜査中でも1時間かけて食事に行くし、彼女の気分次第でいきなりキスをされても受け入れなきゃいけない。犯人を捕まえるためとはいえ、なかなか骨が折れそうだね……。
でも、ひと癖もふた癖もあるヒロイン達が最大限に力を発揮できるように立ち回るノーマンの手腕はさすがなんだ! 事件を解決するために最適な能力を使えるよう、彼女たちをうまく導いて支える様はまさに名探偵の助手。影の功労者って感じでカッコいいのさ!
人間も異能者も関係なく、互いを想い合う姿に心が温かくなります
4人で協力してノーマンさんを助けに行くのかと思いきや……なんと彼女たちは異能を使い、彼を巡って熾烈な争いを繰り広げるんです! 恋のライバルとしては、手を取り合うのは難しいのでしょうか…?
けれど彼女たちはノーマンさんが大好きで、我先に助け出したいと思っているだけなんです。彼女たちのような異能を持つアンロウは、人々から危険なバケモノだと一括りにされがちですが、その力は使い道次第。法や倫理を犯す行為に走らなければ、アンロウであることは罪ではないんです。それをノーマンさんはしっかり理解しているからこそ、彼女たちがアンロウであることは気にも留めず、人間と同様に扱ってくれるんですよ。彼女たちが、彼を取り合う程に大好きな理由もよくわかりますね。
彼らを見ているとどんな人でも、それ以外の存在でも、理解し合い共存することができるのではないかと希望が持てるんです。垣根を超えて互いを想いあう彼らの強固な絆に胸が熱くなりますよ!