あらすじ紹介
《歪理物》──この世界の歪みを内包した超常の物体。
伽羅森迅が持つ蒼剣もその一つ。願いの代償に持ち主を破滅させる《魔剣》に「生きたい」と願った彼は、生きながら周囲をも呪う運命を背負わされた。
《本》に運命を縛られた無機質な少女・アーカイブと共に彼は《歪理物》が関わる凄絶な事件と戦いの日々へ身を投じる──彼の歪みに巻き込まれ、アーカイブの依り代とされてしまったあの少女を救うために。かつて希望を見せてくれたあの少女を……。
「絶対に助ける。……たとえそれが、アーカイブを消すことになっても」
二人の呪われた運命の歯車は、一人の女子高生と《文字を食らう本》に出会い、急速に回り出す。
その先に待つ未来は破滅か、それとも──。
最後の1ページまで最高のカタルシスで贈る、第30回電撃小説大賞《金賞》受賞作。
みんなのデータ
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みんなからのレビュー
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オセロ
43熱い戦いを通じて歪理物という超常現象の謎を明らかにしていく構成は見事だったし、過酷な運命を背負わされた主人公の生き様には惹かれるものがあった。ただ、あとがきにもあったが歪理物という概念があまりにも抽象的過ぎる。おそらくコミカライズされたら映えると思うが、文章だと凄さがイマイチ伝わってこなかった(私の想像力の問題もあるが) 続きを読む…
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よっち
37この世界の歪みを内包した超常の物体《歪理物》《本》に運命を縛られた無機質な少女・アーカイブと共に歪理物が関わる凄絶な事件と戦いの日々へ身を投じる物語。願いの代償に持ち主を破滅させる《魔剣》に「生きたい」と願った伽羅森迅が、相棒のアーカイブとともに文字を食らう本の起こした事件に巻き込まれた普通の女子高生・藤中日継を救い行動を共にする展開で、半端者や複製樹、フォースといった事件に挑む一方、アーカイブの依代とされてしまった少女を救うため、そしてアーカイブや日継の因縁に決着を付ける熱い展開はなかなか良かったです。 続きを読む…
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和尚
26タイトルで気になって購入で、外れなく面白かったです! 理の歪んだ物、歪理物という魔法・魔道具のような概念がある世界での少年少女の出会いと、運命への抵抗の物語。 最初の事件から、情報の出し方が上手いです。「意味がわからない」と、「匂わせすぎ」のバランスを取りつつ、想像させながら、少しずつ明かされていき、その流れがキャラの深掘りや背景の描き方が本当に面白い。 終わり方も、シリーズを期待させてくれる終わり方で良かったです。 おすすめです! 続きを読む…
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のれん
24三雲岳斗氏を想起させる文章と思ったら、本人が解説していた。やはり気に入る文章だったのだろう。主人公・ヒロインのカッコよさを示すキメの構図に拘った装飾単語が印象的。 そして無遠慮で人心がなかった少女が、オリジナルと分けられた上で、人心を獲得する物語がもう……型月というか上遠野浩平というか00年代でいいなぁと。 ただ解説でもいう通り、能力の概念が欠点。ジョジョ理論でキャラのドラマの整合性があっていれば良いが、アーカイブの運命論以外はちょっとぼんやり。もっと理論風の熱さを込めれば化けるかもしれない一作。 続きを読む…
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唯月
22正直、私にはハマらなかった。つまらない事はないのだけれど。単調な印象を抱いた。主人公があまり強くない事が気に入らない。鞘を抜くか抜かないか迷って、結局毎回剣に頼ってる。また、藤中にアーカイブとサードが合体した現象が理解できない。藤中本人が《無題》ではないのに。召喚するようなイメージだった。私の理解力の問題?誰か教えて下さい。好きなシーンは、最後にはアーカイブが自分の意志で行動している様子が見えた所。安易に恋愛要素を入れず、戦闘のみで構成されているのは見事だと思った。 続きを読む…
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製品情報
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レーベル
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発売日2024/03/08
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定価770円(本体700円+税)
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ISBN9784049155273
パートナーのおすすめレビュー(宣伝)
過酷な運命を背負いながらも決して諦めない! 常識を無視した派手なアクションにも注目だよ
歪理物を駆使した戦いは何でもありで予測不能。髪にハンマー並の硬度を持たせて建物を壊すとか、文字の網で拘束するなんてのも。迫力満点の技が入り乱れるバトルシーンは圧巻だよ!
でもやっぱり、最強なのは伽羅森のティルフィングかな? 鞘から抜ききらない状態でも持ち主の能力を向上させるけど、完全に抜ききった時には意識を奪って、満足するまで周囲のものを攻撃し続ける。敵を確実に倒すことはできても、意図せず無関係な相手まで傷つける可能性があるんだ。伽羅森の優しい性格を考えると胸が痛むけどね……。
歪理物によって過酷な運命を背負わされる伽羅森とアーカイブ。状況を変えるのは限りなく不可能に近いけど、彼らは決して諦めないんだ。どんな時も精一杯抗って前向きに生きようとする二人のひたむきさは見ていて眩しいくらいだよ!
主人公と行動を共にする歪理物・アーカイブとの切ない関係性…!
彼女の行動は<蒐集記>の内容に縛られているんス。そこに書かれていない限り死なないという性質を利用して、自分から暴走した魔剣の犠牲になったりするんスよ。でもそれは記載内容によっては伽羅森の敵になるってことッス。命をかけられるほど信頼し合っていても常に味方とは限らないなんて、緊迫感あるッスね!
伽羅森は佐倉を取り戻すためにアーカイブを消す決意をしてるけど、彼女との絆は冷たく切り捨てられるほど弱くないんス。なんとか彼女も一緒に助けられる方法を探してるんスよ。そしてアーカイブは、自分が消える覚悟をしながらできる限り足掻いているんス。運命に振り回される苦しみを知っている二人が、力を合わせて理不尽な状況に立ち向かっていく姿は激熱ッス! ストーリーにグイグイ引き込まれるッスよ!
文字を食べてそれが表すものを消滅させる本<無題>との出会いで、佐倉を取り戻す糸口を掴む二人。佐倉を助けることができるのか、その時アーカイブはどうなるのか? 最後まで見届けたいッスね!