あらすじ紹介
絆と呪縛、ままならない家族の物語。
「ずっと、操の優しいお兄ちゃんでいてね」
槻ノ木汐の妹ーー操は、汐のことを軽蔑している。
昔は、誰よりも慕っていた兄だった。
だがあの日、汐がセーラー服を着ているところを目撃した瞬間に、かつての憧憬は消え去った。
なぜ、そんな姿をしていたのか。原因はなんなのか。兄の変化はいつ訪れたのか。それとも、最初からそうだったのか。
理由を知るため、操は回想する。現在から過去に遡りながら、汐の生涯を辿った。
父の再婚。紙木咲馬との邂逅と別離。最愛の母の死。そして、兄と結んだ約束。
汐の抱える葛藤が見えてくるにつれ、槻ノ木家に刻まれた悲哀も明らかになっていくーー。
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
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みんなからのレビュー
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なっぱaaua
50槻ノ木汐の妹:操のお兄ちゃんを好きだった過去を振り返りその中で咲馬がどう槻ノ木家に入り込んできたのかも分かる話。前の母親の死から立ち直る際に咲馬が普段通りにとった行動が汐にとっては嬉しくもあり恋に繋がったのだといえる。操の気持ちは分からないでもないがLGBTQを認識するべく教育も変わっている中ではあまりにも頑なかなとも感じた。それが痛く感じてしまい共感は出来ずとも可哀想とも思ってしまった。最後は落ち着くべき所に落ち着いたというところか。次巻が最終巻とのこと。最後はどう締めるのか楽しみでもあり怖くもある。 続きを読む…
ネタバレあり -
オセロ
44兄として慕っていたからこそ汐の変化を受け入れられない操の視点から語られる家族の物語。大切だった母親との死別、そこに現れた父親の再婚相手、そして慕っていた兄の突然の変化。思春期真っ只中の操にとっては受け入れ難いことばかりで、家族という特別な関係の問題を軽々しく他人に相談出来る訳もなく。信じられるのは自分だけという視野狭窄に陥った操の成長と家族の新たな絆が生まれる展開はグッとくる。 そして最終巻となる次巻でどんな結末を迎えるのか楽しみです。 続きを読む…
ネタバレあり -
芳樹
42汐の妹・槻ノ木操の視点で、過去に槻ノ木家で起こった出来事と、咲馬の介入と別離を描く今回。母親の死、父親の再婚で迎えた新たな”母”、そしてずっと頼りにしていた「お兄ちゃん」の汐のカミングアウト。最も多感な時期にかくも大きな変化に曝されることになった操は、さぞ複雑な思いを抱えることになっただろうなと心が痛くなります。それだけに今回、「母」である雪がみせた「親」としての子供達との向き合い方(というか彼女は一貫して同じスタイルなのだろうけど)には、非常に感銘を受けました。最後の咲馬の告白は物語をどう動かすのか…。 続きを読む…
ネタバレあり -
よっち
36昔は、誰よりも兄を慕っていた槻ノ木汐の妹・操。今は汐を軽蔑する彼女の視点から絆と呪縛、ままならない家族の過去から今が語られる第四弾。汐がセーラー服を着ているところを目撃した瞬間に、消え去ったかつての憧憬。なぜこんなことになってしまったのか。操の視点で過去に遡りながら辿る汐の生涯。母を亡くして二人で支え合ってきて、父親の再婚で確実に変わってゆく生活。そんな状況であんな変化があったら簡単には認められないのも分かるような気がしますね。いろいろありましたけど最後の決断でどうなるのか、次巻の最終巻を期待しています。 続きを読む…
ネタバレあり -
星野流人
35表紙の通り、汐の妹、操の物語。前半パートでは汐と操がどう生きてきたのか、これまでの槻ノ木家家の物語がじっくりと描かれています。操が、女の子として生きている今の汐を受け入れられない理由、それに至る道筋が丁寧に描かれていて良かったです。そして継母である雪さんのことを受け入れられない理由も。後半では操の家出から端を発して、流れるように物語が動き出します。なんというかこのシリーズは思わぬところから解決への流れが生まれていき、それに身を預けて読み進めるのがとても気持ちいいです。 続きを読む…
ネタバレあり
製品情報
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レーベル
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発売日2023/12/18
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定価585円(本体532円+税)
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ISBN9784094531398