週に一度クラスメイトを買う話 ふたりの時間、言い訳の五千円 3
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週に一度クラスメイトを買う話 ふたりの時間、言い訳の五千円 3

曖昧になるルールと踏み込めない距離。この関係の行く先は――?
羽田 宇佐 (著者) / U35 (イラスト)
シリーズ:週に一度クラスメイトを買う話(富士見ファンタジア文庫)

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あらすじ紹介

夏休みが終われば、全て元通りになると思っていた。曖昧になったルールも、仙台さんとの距離も。なのに、彼女だけが未だに変で、「同じ大学受けたら?」なんて言いだす始末。そんなことを言われても、卒業後も一緒にいる理由はないし、彼女の将来に興味はない。そう、全く、少しも、私は興味ないのだ。
 
 夏休みが終われば、進路の話になるのは自然なことだ。例えば宮城に、私と同じ大学への進学を提案してみたり。もちろん、宮城がそんな未来を考えていないことは知っている。それでももし、彼女が私と一緒の未来を少しでも考えてくれたら――そんなことを期待する私はやっぱりずるいのかもしれない。

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みんなからのレビュー

  • 芳樹

    夏休み中にあった出来事により、何となくこれまで異なる二人の雰囲気が漂う今回です。いよいよ受験を意識して進学先をどうするかとか、二人の間に漂う「駆け引き」とさえ言えないやり取りの機微に心打ち抜かれますね。仙台も宮城も方向性は違えど、自分の心の許容量一杯に互いのことを考えすぎていて、そこからあふれたら二人ともどうなってしまうのかな、と思います。距離を詰めることに不器用すぎる二人の関係の行く末はいかなるものか。続編を楽しみにしています。 続きを読む…

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  • よっち

    夏休みが終われば、全て元通りになると思っていた二人の関係。けれどルールが曖昧になってお互いの距離感も変わってしまい、相手の考えていることが分からなくなってゆく第三弾。夏休みが終わって、何となく気になるお互いの進路。宮城は仙台に志望大学を問い、逆に同じ大学を受けたらと言い出す仙台。学校でもさりげなく接触の機会を伺う仙台の変化に戸惑いながらも、意識せずにはいられない宮城が微笑ましいですけど、肝心の仙台へのベクトルが相変わらず不器用なんですよね(苦笑)素直になれればだいぶ変わる気もするんですがなかなか難しい…。 続きを読む…

    ネタバレあり
  • 椎名

    いや~~……言語化できない、否、してしまえばたったの一文字か二文字にしかならないだろうが、だからこそ、言語化したくないその感情を、ここまで丁寧に描写されていると……もう……。あまりに良すぎる。大学への進学、それに伴う契約の終了。このままでいたい、けれどこのままではいられない、ではどう足掻くかとなったときに同じ大学でなくとも近しい大学を進学先に入れるというのは当然のことなのだが、それだけがどれだけ大きな決心であったことか。たまらないですね。 続きを読む…

    ネタバレあり
  • 真白優樹

    受験勉強本番、最後の文化祭の季節が来る中、ルールと境界がどんどん曖昧になっていく今巻。―――膨らむ心と壊れる境目、そこにある思いに名前なし。 どんどんと自分の思いに振り回され、境界もルールも少しずつほころび始める中、それでもそこに名前を付けることが出来なくて。曖昧模糊で歪な関係の中に秘められた想いがどんどん大きくなっていく中、独占欲らしきものも見えていく今巻。少しずつ終わりが迫って二人の時間の終焉も見えてくる中、そこに込められた想いに名前はつくのか。最後に選ばれる関係とは。 次巻も勿論楽しみである。 続きを読む…

    ネタバレあり
  • むらを

    2学期が始まり、高校卒業を意識し始めるうちに互いの独占欲が暴走気味に。五千円で繋がっている二人の関係に終わりが来ることへ素直に向き合えられない二人が実に尊いですね。夏休みという特別な場でルールが有耶無耶になってからと言うもの、この関係のセーフラインも曖昧になっているあたり二人の共依存っぷりを感じます。 それほど執着心があるにも関わらず卒業後も一緒にいたいと言わない(言えない?)この二人は最終的に何を望むのか。読み手側が上手く言語化できないのと同じように彼女らも言語化できない感情に振り回されている。 続きを読む…

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