どうせ、この夏は終わる
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どうせ、この夏は終わる

この夏休みが終われば、もう二度と夏はこない。それでも僕らは恋をする。
野宮 有 (著者) / びねつ (イラスト)
シリーズ:どうせ、この夏は終わる(電撃文庫)

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あらすじ紹介

人類滅亡の危機が発表されてから二年が経ち、世界はとっくに恐怖することに疲れていた。誰もが、どうしようもない現実を忘れてダラダラと毎日を過ごしている。そんな、人類最後の夏休み。
 夢を投げ出した少年はずっと好きだった幼馴染との距離感がわからず戸惑い、スランプ中の文芸部部長は場末のゲーセンでゾンビをド派手に蹴散らす少女と出会い、やさぐれモード全開の女子高生は謎だらけの転校生を尾行し、重大な秘密を抱える少女は廃墟マニアの恋人との最後のデートに臨み、ひねくれ者の少年は女子高生監督に弱みを握られて人類最後の映画を撮る――。
 どうせ終わる世界で繰り広げられる、少年少女のひと夏の物語。

みんなのデータ

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みんなからのレビュー

  • パトラッシュ

    長崎で高校生が自主映画を撮影する。小説を書く。星空を眺める。恋愛する。青春を謳歌する微笑ましい姿が次々描かれていくが、みんな若者にありがちな刹那的なところはなく真剣だ。人類滅亡の日が来春に迫っているため、最後の夏を思い切り充実させようと懸命なのだから。地球最後の日をテーマにした小説が相次ぎ刊行されているが、信じられないほど明るく前向きな物語が展開する。これまでは絶望からの自殺や、社会の崩壊やキレて暴走する話ばかりだったが。地球が滅ぼうが滅ぶまいが、今この時を最高に生きなければと信じて躍動する若者は美しい。 続きを読む…

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  • オセロ

    傑作でした。隕石が衝突して地球が滅亡するかもしれないのは翌年の春。だけど物語の季節は夏休み。この全てを諦めるにはまだ早い、もうちょっと頑張ってみようと思える期間が何とも絶妙で。その中で様々なことに挑戦する少年少女達は眩しくて心揺さぶられるものばかりでしたが、それをエンドロールのように締め括るから余韻が凄い… 続きを読む…

    ネタバレあり
  • よっち

    隕石衝突による人類滅亡の危機が発表されてから二年。長崎を舞台に最後かもしれない夏休みを過ごす高校生の少年少女たちのひと夏の物語を描いた連作短編集。幼馴染との距離感が分からず戸惑う夢を投げ出した少年、場末のゲーセンでゾンビゲームに励む少女と出会った文芸部部長、謎の転校生を尾行する女子高生、秘密を抱える少女と廃墟マニアの最後のデート、女子高生監督に弱みを握られて人類最後の映画を撮るひねくれ者の少年。無力感を感じてもおかしくない状況で、かけがえのない夏を諦めずに生きるそれぞれのあり方がとても印象的な物語でした。 続きを読む…

    ネタバレあり
  • わたー

    ★★★★★来年の5月に地球に小惑星が衝突する終末世界の長崎で生活する高校生たちを描いたオムニバス作品。この、作品に漂う言語化しにくい空気感がとても良かった。世界が終わってしまうことに対して、ひとしきりのパニックは既に過ぎ去り、情報統制によってインターネットが制限されたことで世界との繋がりが希薄になっている、緩やかに滅びゆく世界。そんな世界に対する諦観と、それでも1日1日を大切に生き抜くという当たり前のことを当たり前にやっている少年少女たちの生命の煌めきによって、この独特の空気感がつくられているのかなあ。 続きを読む…

    ネタバレあり
  • ア・トイロッテ(マリポーサとも言う)(各短編の評価はコメントで)

    ★★★☆7 隕石がいまにも落ちてきそうなときに、高校生たちがやり残したことをどのようにして成されていくのかという話。最後の青春とでもいうかのような終末感がありながら、悲壮感はまったくない。ラストで大きなやり残しを見事に終えるのだが、そこには隕石の落ちたあとに遺すものとして相応しいものがあった。著者のあとがきにもあるように思い入れの深い作品らしく、この作品の舞台である長崎の描写はとてもリアリティがある。おそらく出身地か出身校のある地なのだろう。初読み作家だったが、別作品も読みたいと思う作品だった。 続きを読む…

    ネタバレあり
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製品情報

  • レーベル
  • 発売日
    2023/12/08
  • 定価
    770円(本体700円+税)
  • ISBN
    9784049151299

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