
あらすじ紹介
ルートルフ・ベルシュマンは生後6か月で突然大人並みの意識に目覚め、別世界の『記憶』に何かを告げられるのを感じる。焦らず周りの状況認識と言語習得から始めると、間もなく自分が男爵家の次男であり、領地が困窮していることを知る。領民たちが冬を越せないほどの深刻さに、自分が大人になるまでじっとしていられないと感じたルートルフは、兄のウォルフに自身の正体を明かし、ふたりで領地救済に乗り出そうと決意する。
「ぼく、のこと、ひみちゅ」
ふたりは別世界の『記憶』と『加護』という不思議な力を頼りに、領地に襲い来る問題への対処法を考えていくが……。
秘密を共有した兄弟コンビは無事に男爵領を救うことができるのか?
頭脳派0歳児の活躍とかわいらしさに目が離せない、本格異世界ファンタジー。
製品情報
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レーベル
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発売日2023/09/25
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定価1430円(本体1300円+税)
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ISBN9784046828880
パートナーのおすすめレビュー(宣伝)
赤ん坊ならではの対処方法に注目してほしいの!
でも、天才児ルートルフにかかればなにも心配いらないよ! 調べたいことがあれば、わざとぐずって世話係を行きたい方向へ誘導しちゃう機転のよさ。他にもあまり使い道のなかった光魔法を応用して作物を育ちやすくして、食べられない素材の調理法を編み出しちゃうの! おまけに特産品もできたから、食糧不足も借金問題もどんどん解決できちゃうかも! 大人達は知らないだろうけど、領地のみんなが安心して暮らせるのはルートルフのおかげなの~!
だけど領地のことをいろいろ調べていくと、こんなにたくさん問題が起きるのはただの偶然じゃないみたい? どんな秘密があるのか気になるけど……きっとルートルフなら、どんなことにも立ち向かえるよね!
誰にも思いつかない方法で、次々とトラブルを切り抜けていくルートルフは赤ちゃんながらすごくかっこいいの! 彼の赤ちゃん離れした快進撃にワクワクできる作品だよ!
まるでホームドラマを見ているような優しい読後感です♪
ルートルフさんの代わりに、アイディアを実行に移そうとするウォルフさん。その中にはそれまでの常識を覆すものがあり、周囲の人々を戸惑わせることもあります。それでも面倒くさがらずに弟の話を聞くのは、それで日々の生活が良くなると信じているからです。
たとえばウォルフさんは、ルートルフさんから酵母の作り方を教わり、パン生地に混ぜて焼くように提案しました。領地の人々が他領に売りに出せるほど美味しいパンを焼けるようになったのは、兄弟ふたりの頑張りがあったからなんですよ。子どもながらに自分にできることを精一杯頑張る姿は、健気でひたむきで感動しちゃうんですよね。
大切な家や家族を守るため、折に触れて協力し合う兄弟と、深まっていく絆。心配しつつも彼らに手を貸す大人達。貴族と農民の区別もなくお互いを支え、領地を守り抜く様子は、まるでホームドラマのようで、心が温まりますよ!