あらすじ紹介
佐田明は人に言えない秘密を抱えている。頭のなかに別の人間“ヤマヒコ”の声が聞こえるのだ。明るくほがらかな“ヤマヒコ”はすこぶる耳がよく、感覚を共有している明もまた音で情報を拾えるようになっていた。ある日の球技大会。サッカーに出場した明は音の情報を使ったパスワークで、クラスを決勝まで導いていく。決勝の相手は『日本サッカーの救世主』と呼ばれる天才ストライカー滋賀槍也がいるクラス。滋賀をも躱すキラーパスで優勝を決めた明は、槍也から興味を持たれてしまい――天才と天才が出会う所から始まるサッカー神話、開幕!
みんなのデータ
-
0評価する
-
3読みたい
みんなからのレビュー
-
よっち
35頭のなかに別の人間ヤマヒコの声が聞こえる中学生・佐田明。中学最後の球技大会のサッカーで、『日本サッカーの救世主』と呼ばれる天才ストライカー滋賀槍也と運命の出会いを果たすサッカー小説。耳のいいヤマヒコの音の情報によるサポートを受けて、決定的な仕事をしたことで槍也から興味を持たれたアキラ。槍也のために動く双子の妹・琴音も巻き込まれて、槍也と一緒にプレーした野良試合で次第に順応していったアキラに抱いた確信。普通ならありえない決断までして同じ高校に進んだ彼らが、これからどんな旋風を巻き起こすのか今から楽しみです。 続きを読む…
ネタバレあり -
わたー
30★★★★★面白かった。頭の中に「ヤマヒコ」と名付けた存在を抱え、聴覚のみ共有する佐田。中学の球技大会でヤマヒコと協力した結果生まれた類稀なるパスワークが、「日本サッカー界の救世主」と呼ばれる天才ストライカーの滋賀の目に留まったことから、やがて彼とともに「三傑」と呼ばれる伝説的な選手へと成りあがる物語。ラノベでサッカーを題材にするのはかなり珍しかったのだが、なかなかどうして熱い物語が展開されていてすっかり魅了されてしまった。特に、チームプレイのために意識的にストライカーの天性の感覚を殺していた滋賀に対し、 続きを読む…
ネタバレあり -
こも 零細企業営業
29ちょっとサッカーを齧っただけで中学3年になっている主人公。そんな彼には秘密があった。彼の頭の中にもう1人が居た。その彼をヤマヒコと呼び、共存していたがサッカーの試合で有用性を知りトップ下からスルーパスを連発した。それを見たU15の代表に選ばれている滋賀が惚れ込んでしまった。それから滋賀は主人公にサッカーをやろうと誘うが、本人は受験勉強を理由に断る。それでも何とか主人公を引っ張り出してサッカーをすると、やっぱり彼は凄かった。さらに代表でも無理だった滋賀の守備陣裏への飛び出しにドンピシャに合わせる事が出来た。 続きを読む…
ネタバレあり -
なみ
22声だけの存在、“ヤマヒコ”を頭の中に持つアキラは、中学の球技大会のサッカーで、日本代表の槍也に才能を見出だされる。 三傑の活躍が語られる節が挟まっているため、現在と未来が相互に干渉し合って、とてもワクワクしながら読むことができました。 キャラクターがそれぞれ魅力的で、サブキャラの相田や千葉も丁寧に描かれているところが良いです。 もちろん、サッカーのシーンも楽しかった。アキラから槍也へのパスが爽快すぎました。 三傑のもう1人と早く会いたいです! 続きを読む…
ネタバレあり -
のれん
21サッカーラノベという珍しい題材だったが、とてもうまくハマっていた。 まず描写が良い。壁パスや裏をとる視野、おまけでヒールリフトとかなり王道なパスサッカーの気持ちよさを描写している。練習試合程度しか今回はなかったのでフォメーションの解説はなかったが、ここ20年の間でサッカーをしていた読者にはかなり刺さるのではないだろうか(流石に現代だと時代遅れかもしれないが)。 そして構成がさらにピカ一。本編で登場する脇役が未来から本編をインタビュー形式で振り返るというパートが、歴史を語るようで面白い。(1/2) 続きを読む…
ネタバレあり
製品情報
-
レーベル
-
発売日2023/10/30
-
定価792円(本体720円+税)
-
ISBN9784047376717
パートナーのおすすめレビュー(宣伝)
「特殊な力」で神業プレイ! サッカーが題材の青春物語だよ
後に最強と称されるサッカー日本代表。その三傑のひとり佐田明は、中学時代まではほとんどサッカーをやったことがない無名の存在だった。けれど明には他の人とは違う秘密がある。それが「ヤマヒコ」という、明の頭の中で生きるもう一つの人格さ!
明に構ってもらいたいがために頭の中でついつい騒いでしまうヤマヒコと、うるさそうにして時に辛辣な言葉を飛ばす明のやり取りは、微笑ましくて楽しいんだよね。でも、彼らの真価が発揮されるのはフィールドに立った時なんだ。
明がボールを受け取れば、聴覚の優れたヤマヒコがフィールドの端から端までの音を知覚して、他の選手の状況を瞬時に把握する。そしてヤマヒコの助言に従ってボールを蹴れば、普通だったら通るはずのないパスだって、いとも簡単に通ってしまうんだよ。神業とも呼べるプレイは、まさにフィールドの支配者になったかのようで爽快なんだ!
特殊な力を持った主人公の活躍は純粋にわかりやすくて、サッカーに詳しい人もそうでない人でも楽しめるんじゃないかな?
性格も食の好みも正反対! ソリの合わない二人がフィールドに立つと…
学校の球技大会で、槍也君は驚異的なパスワークを行う明の才能に見惚れて「こいつと一緒にサッカーがやりたい!」って思うようになるの。その日から槍也君は明君をサッカーの世界へ勧誘しようと猛アタック! なんだか青春の始まりって感じでいいなぁ~。
だけど少年のように眩しい槍也君と、どこか冷めた雰囲気の明君は水と油。全然ソリが合わないんだよね…。槍也君の妹の琴音ちゃんがお弁当を作ってきてくれた時も、明君は好物ばかりと喜ぶけど、槍也君はピーマンが嫌いで渋い顔。食べ物の好みまで合わないなんて〜!
でもね、そんな二人の天才が同じフィールドに立つと、途端に息がピッタリ合うの! 明君は槍也君の実力を信じ切ってプレイが出来るし、槍也君も自分の全力のプレイに明君がついてくる事に、震えながら喜んでしまうの。天才同士だから解りあえた瞬間には、私もグッとひき込まれちゃったな! 誰かと同じものに打ち込む素晴らしさを共感できる青春ドラマだよ!