誰が勇者を殺したか
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誰が勇者を殺したか

勇者は魔王を倒した。同時に――帰らぬ人となった。
駄犬 (著者) / toi8 (イラスト)
シリーズ:誰が勇者を殺したか(角川スニーカー文庫)

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あらすじ紹介

魔王が倒されてから四年。平穏を手にした王国は亡き勇者を称えるべく、数々の偉業を文献に編纂する事業を立ち上げる。かつて仲間だった騎士・レオン、僧侶・マリア、賢者ソロンから勇者の過去と冒険話を聞き進めていく中で、全員が勇者の死の真相について言葉を濁す。「何故、勇者は死んだのか?」勇者を殺したのは魔王か、それとも仲間なのか。王国、冒険者たちの業と情が入り混じる群像劇から目が離せないファンタジーミステリ。

パートナーのおすすめレビュー(宣伝)

  • 物語の全貌が明らかになっていく構成の巧みさにグッときます...!

    つむぎ
    つむぎ
    魔王を倒した勇者が死んだ。帰る途中で魔人に襲われたらしい。物語はそんな衝撃的な事実から始まります。

    魔王を倒すほどの勇者が、格下の魔人に殺されるなんておかしい。実は、勇者は人の手で殺されたのではないか? 市井にはまことしやかな噂が流れます。歴史書の編纂者は真相を求めて、勇者と共に魔王を討伐した仲間である剣聖、聖女、魔法使いを訪ねるんですよ。

    勇者のパーティはみんな学生時代からの長い仲です。懐かしむようにして思い出を語る彼らですが、彼らのことも信用はできません。勇者には魔王討伐後、王座が手に入ることになっていました。彼らがもしそれを妬んでいたとすれば、殺害の動機としては十分ですからね。

    編纂者同様、初めは仲間の誰かがきっと勇者を殺したのだろうと私も身構えていました。どんな発言の矛盾も見逃さないように、気分は警察の取り調べの如く緊張感は満載です…。しかし編纂者の旅はいつしか、勇者の死の真相からその背後に潜む、より巨大な謎へ迫っていくんです!

    誰が勇者を殺したか――。タイトルに隠された真の意味を知ったとき、あなたも勇者の辿った数奇な運命を想って、切ないような心温まるような不思議な気持ちになれますよ。
  • 「背中で語る男」という表現がこれほどまでに似合う男はきっといないよ

    レオン
    レオン
    剣聖レオンに聖女マリア、賢者ソロンまで「勇者は平凡な男だった」って、口々に言うんだ。勇者なんだから、最強じゃないの? って、驚いちゃうよね。

    実は勇者アレスは、剣術も魔法も全然才能が無かったみたい。でも彼にはたった一つ誰にも負けない力があった。それは、何事もできるまでとことん続けるってところ。

    勇者という称号はかっこいいけど、魔王を倒さなきゃならないって義務でもあるよね。そんな怖いことを誰かがしなくて済むように、アレスは寝ても覚めても修行、修行、修行。まさに背中で語る男ってわけさ。みんなを守るために、誰よりも努力できるそのひたむきさがとてもかっこいいね! こういう人がそばにいたら、尊敬しちゃうだろうな。

    そうなると「平凡な男だった」って発言にも、違う意味が見えてくるよね。きっと仲間たちは、努力だけで強くなった彼をすごく尊敬していたんだよ。昔はレオン達も、優秀すぎて友達がいなかったんだ。そんな彼らの隣に初めて対等な友達として立ったのが、平凡な勇者アレスだったことを思うと、感慨深いものがあるよ。

    誰かのためにとことんまで頑張れる勇者と、それを支える仲間の話を聞いていると優しい気持ちになれるはずさ。

みんなのデータ

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みんなからのレビュー

  • こも 零細企業営業

    駄犬さんって40代後半だったんだ。同氏の作品は商業化率が高いので、新進気鋭な若い人が精力的に書いてるのかと思っていたが、アラフォーの人が書いていたとは、文書を読んでたら納得した。本書は魔王を討伐して数年が経ち、王女が勇者と呼ばれたアレスの偉業を編纂しながら、勇者と共に魔王を倒した剣士のレオン、回復役の聖女マリア、攻撃魔法を担う賢者のソロンからアレスについて聞いて行く。調査している感じが凄くする。そして全員アレスの事が好きだったんだなと凄く感じる。マリアのはアレだけど、お菓子屋の御主人のコメントが秀逸だった 続きを読む…

    ネタバレあり
  • 岡本

    Kindle。タイトルの通り、魔王を討伐した勇者は帰国前に亡くなり、その調査が主軸となる。勇者一行に話を聞く章の間に出会いから出発までの仲間視点と勇者視点の章が挟まり、分かりやすく話が進む。物語は完結しているが、勇者一行の道中やエピローグはもっと読んでみたくなった。 続きを読む…

    ネタバレあり
  • サンゴ

    努力し続けらるのも才能の一つかな。 続きを読む…

    ネタバレあり
  • kou

    【オーディブルにて】序盤で「何これ・・・面白過ぎる!」と想いが込み上げてきて、いっきに物語に引き込まれた。こういうインタビュー形式の作風は大好物だと改めて感じた。途中で何となく真相が分かったが、まさかそこからもう一段深まっていくとは・・・やられた!どのキャラも魅力的だが、ソロンのツンデレっぷりは最高(笑)。ラストの締めの言葉には痺れたねぇ。 続きを読む…

    ネタバレあり
  • cinos

    『葬送のフリーレン』のように冒険が終わってから話。魔王を倒した後に戻らぬ人となった勇者についてインタビューで様々な視点から描かれます。才能がなくてもひたすらがんばる勇者と、素晴らしい仲間たち、そして何度失敗してもやりとげようとする○○が印象的でした。 続きを読む…

    ネタバレあり
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