
あらすじ紹介
恵まれた容姿と能力で青春を謳歌する大学生・霞(かすみ)。そんな彼がキャンパスで再会を果たしたのは、かつて友人の智也(ともや)との他愛のない会話で話題にした高校時代のクラスメイト・雲母(きらら)だった。普段の遊び友達の女子と同様の手口で雲母を口説き、雲母からの一方的な想いを受けるようになった霞。徐々にそんな彼女が疎ましくなり、粗雑に扱うようになり、酷い口実で別れを切り出した彼を待ち受けていたもの――それは真性のクズである彼が予想もしていなかった衝撃的な雲母の真実。そして、彼が考えたことすらないある人物の暗躍だった。だから、ねえ、ホンモノの「ド屑」を今、見せてあげる。
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みんなからのレビュー
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よっち
28恵まれた容姿と能力を持つ人気者で、恋愛をゲームと考えて青春を謳歌する大学生の葛城霞。そんな彼がキャンパスで高校時代のクラスメイト百目鬼雲母と再会する青春小説。普段の遊び友達の女子と同様の手口で雲母を口説いて、雲母からの一方的な想いを受けるようになった霞。しかし執着する雲母をクズの霞は疎ましく感じるようになり、別れを切り出した彼が直面する衝撃的な事実。霞と雲母、霞の友人・智也と三人の視点から語られるストーリーは、それぞれが違うヤバさを垣間見せていきますが、戦慄の展開からの意外な結末はなかなか良かったですね。 続きを読む…
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凜音
9読了 ボカロ楽曲「ド屑」のノベライズ。 優れた容姿で恋愛をゲームと言い放つ屑な大学生:霞。 異性との派手な交友関係を築いている霞は、友人の智也との会話で話題に挙げた雲母と再会し手を出す事に… 三者三様それぞれのエゴが楽しめる物語。 タイトルやあらすじなんかから苦手なの分かりきった上で読んでしまいました。結果的には、十分楽しめたし面白かった。大筋の物語を3人の登場キャラそれぞれの視点で書かれることによって自分の立場を完全に傍観者に置く事が出来るので苦手なシーンも苦しむこと無く読むことが出来た。 続きを読む…
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尚侍
7ものすごく面白かった。この内容であればこのレーベルよりもガガガ文庫の方が合っているのではないかと思う、と書けば多くの方がわかってくれるのでないかと思いますが、最初こそ女にだらしない主人公のクズっぷりが際立ったものの、読み進めていくにつれてそれは一面的なものでしかないという構成はお見事の一言でした。最近女性向けの作品ばかり読んでいて男性向けの作品をあまり読んでいなかったのですが、こういう形で物語を展開していくのは男性向けならではのものなので、そういう意味でも読んでいて色々と感じるところの多い作品でした。 続きを読む…
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mag
5ボカロ楽曲『ド屑』ノベライズ作品。 恋愛をゲームとしか思わない霞と執着深い雲母、そしてそんな霞と雲母の関係を傍から見守る智也の、三者三様の視点で描かれる「ド屑」な物語。 登場人物の「ド屑」な思考が際立った作品でした。 理解できない思考を幾度となく浴びせられるも、そんな登場人物の思考に引き寄せられてしまうのがまた面白い。 三者三様の視点で描かれるからこそ、それぞれのヤバさが光っているのも魅力的でした。 ボカロノベライズ作品というものを初めて読みましたがとても楽しめましたね! 続きを読む…
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XVR1113
0まずはね、クズについて意識してほしい 恋愛要素あるけど、これはミステリー作品、そして若干ホラーの要素ある 物語の進行は二つある、一つ目は実際に会ったこと 二つ目その後のこと その実際あったことには、三つの視点があり、それぞれの考えが見られる 純情な雲母には裏がある 愛のない環境で成長していた彼女は愛が欲しい その初めて感じた恋っていう感情は霞にある、でもそれについてネタバレはしたくない 彼女の愛はあまりにも純粋で、一途で、病んでる それがホラー要素の源 続きを読む…
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製品情報
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レーベル
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発売日2023/05/25
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定価704円(本体640円+税)
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ISBN9784046824448
パートナーのおすすめレビュー
人気ボカロP・なきそさんの大人気楽曲が小説になって登場だよ!
そのまま付き合うことになったふたり。霞さんにとっては遊び半分の関係でも、雲母ちゃんにとっては本当に真剣そのものなの。彼に手料理を振舞う健気な姿と、それに冷めた態度の霞くん、ふたりの温度差は見ていて心が痛くなっちゃう…。
浮気をしたり、予定を訊いてくる雲母ちゃんをうざったいと感じたり、霞さんは彼女にひどい仕打ちばかり。でも薄情な霞さんに対しても、雲母ちゃんの彼への想いは強烈だよ! 彼の一番でいたいと宣言して、他の人と行ったデートスポットに「思い出を上書きするために」連れて行ってとお願いするの。それほどまでに想いの強い彼女だけど、だんだんと様子がおかしくなって…? やがては大変な事件が起きちゃうの! ダークな純愛がどうなるのか、先が気になってドキドキしちゃった!
対照的なふたりとその危うい関係がもたらす緊迫したサスペンス!
昔の恋人から霞さんの女癖の悪さを忠告されても「そんなことを言う人に負けたくない」と対抗心をむき出しにし、彼女は度々不安定な一面を見せます。ふたりの危うい関係には、何気ない会話が取り返しのつかない結果に繋がるような緊張感があるんです。漠然とした不穏な空気が全体に漂っていて、恋愛を描いた物語でありながら、同時に緊迫したサスペンスの雰囲気に浸れました!
そして物語が進むにつれて登場人物の本心など、隠されたものが明らかになっていって……。二人のなれそめといった、同じシーンひとつでもキャラクターの視点が変われば、私達の受ける印象は大きく変わります。秘密が明かされていくうちに、ラブストーリーとして始まった物語が、いつしか全く異なるジャンルに見えてくるかもしれませんよ?
毒のあるドライな雰囲気は、単に楽曲を小説化しただけでは味わえない異色の読み味があります。どんでん返しを繰り返し、予想を裏切り続ける展開からは、最後まで目が離せません!