あらすじ紹介
世界は戦火に包まれた。寄生型生物・操蟲によって姿を変えられた人間の手によって。既存の武器では対応できない人類は、操蟲に対抗するための兵器・魔導人形『子供たち』を開発する。
彼らの活躍により人類は操蟲の駆逐に成功するが、それは『子供たち』が不要となることを意味するのだった。操蟲と同じ力を持つ彼らは人々から恐れられ、ついに永久封印が決定される。
200年後『子供たち』の一人、エルガが封印から目覚める。世界は封印前から一変し、殲滅したはずの操蟲が支配する世界となっていた。操蟲討伐は『子供たち』に与えられた使命。エルガは再び操蟲を倒すため行動を開始する。兵器としての役目を終え、二度目の眠りにつくために。
みんなからのレビュー
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よっち
34かつて人に寄生して戦火を引き起こした操蟲を駆逐した魔導人形。永久封印から覚醒した魔導人形の一人・エルガが、再び操蟲を倒すため行動を開始するファンタジー。かつて王国があった街で暮らす少女リーニアに拾われ、状況把握に努めたエルガが知るこの地を治める伯爵に寄生する操蟲の存在。そして伯爵に仕えていた生存を優先する操蟲のメイドのマヤとの出会い。操蟲の多様化や変化を感じる一方で、かつて兄と慕っていたもう一人の魔導人形と皮肉な再会もありましたけど、他の魔導人形たちとの邂逅もあるのか、今後の展開が楽しみなシリーズですね。 続きを読む…
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まっさん
21★★★☆ 面白かったです。 物語は、謎の寄生生物・操蟲に寄生され、異形の怪物へと姿を変えた宿主によって戦火に包まれた世界。窮地に陥った人類が打ち出した禁忌の手法、操蟲を意図的に組み込んだ魔導人形・「子供たち」。彼らは蟲の力を支配下に置き、類まれなる力を発揮する事で人類は操蟲の駆逐に成功し、子供たちは永遠の眠りへとつく事に。200年後、子供たちの一人であるエルガが封印から目を覚ますと、何故か駆逐したはずの操蟲が世界を支配していて…というお話でした。 世界観がめちゃくちゃ好みでしたね。操蟲に寄生される事で→ 続きを読む…
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のれん
16割と古めかしい設定。 かつての侵略者が長い時を経て、侵略者自身も侵略したことを忘れ支配者となっていた。 その世界に対抗し、支配者を滅ぼす兵器人形。切口は王道で広げがいがある。 ただ主人公の初志貫徹さが、文章も簡素で迷いが見られないので、力強いというより淡々さを感じてしまった。 蟲の殲滅が目的、宿主が敵という明確な判断基準で決めてしまっているので、明快と言えば明快なのだが、人形の精神の変化とかはなかった。まぁ他の人形たちは割と感情があって、そっちの方が面白そうな具合すらある。 続きを読む…
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凜音
14読了 「操蟲」と呼ばれる生物に寄生された人間「宿主」。 異形と化した人間に対抗する為「操蟲」を用いて造られた兵器「魔導人形」。魔導人形の力により「操蟲」の駆逐に成功するも、彼らの強力な力を恐れた人々に封印される。そんな魔導人形の一機であるエルガの目覚めにより始まる物語。 戦闘描写は熱くて盛り上がるし、ダーク寄りな世界観は読み応えがありました。 何より、不透明な過去から現在への過程とエルガに隠されているであろう謎,現在の世界の詳しい情報等気になることが多く続きが気になります。 かつての兄弟との衝突も事前に 続きを読む…
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彩葉 楓🍁
13【★★★☆☆】古来に活躍していた兵器(人)が時を超え活躍する系はとても大好きです。主人公視点で描写される過去と現在とのジェネレーションギャップを味わえるのがいいよね。寄生生物を例外なしに殲滅対象とする姿はまさに兵器。だが、時代は変わり人類と相容れなかったはずの寄生生物は話し合えば分かり合える関係となっていたり、信頼を得ることができた時、寄生虫を目の敵にする主人公が混乱、葛藤に陥る時の心理描写はすごく良かった。エルガの能力は厨二心擽られて好き。難点は戦闘描写が少し端折っていた。けど次巻は読みたい。 続きを読む…
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製品情報
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レーベル
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発売日2023/05/10
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定価704円(本体640円+税)
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ISBN9784049148169
パートナーのおすすめレビュー(宣伝)
200年前の世界では敵”だった”者たち。封印から目覚めた主人公の成すべきことは…?
蟲達は人間社会に溶け込み、人間の営みを学習し、共存関係にまで至っていたんスね。人間と子を成し、我が子の成長を喜ぶ蟲。自分の生存を第一に考え、生き汚くも図太くエルガに共闘関係を持ちかける蟲。どれも人間臭い奴等ばっかりなんスよ! なんだか滅ぼしてしまうのは心が痛むッスね……。
本当に蟲は敵なのか? 正しいのはどちらなのか? という問いを投げかけられ、エルガもまた、蟲を滅ぼすだけの自分の在り様を悩んじゃうんス。だからこそ、少しずつエルガと蟲とが相互理解を深めていく様は、異種族の奇妙な友情が芽生えたようでグッとくるものがあるんスよね! 蟲を殲滅するために作られた過去の遺物であるエルガが、遥か未来で新たな使命を探していく物語は、どこか希望に満ちていて、心が勇気づけられるッス!
「兵器」として生み出された主人公が「一人の人間」として立ち上がる!
ただ、そんな世界でも新たな出会いはあります。押しが強くハキハキと元気で生命力のあるリーニアさんは、エルガさんを人として扱い遠慮なく距離を詰めてくるんですよ。彼女は未来で出会った普通の人間としてエルガさんと縁を結び、色々と世話を焼いてくれます。
もう一人はミステリアスな雰囲気のメイド、マヤさん。彼女の正体は倒すべき対象である操蟲――宿主と呼ばれる存在なんです! 彼女はエルガさんに対話と共存を持ち掛け、時には恋人関係になるよう迫っちゃうんです! そんな彼女をすげなくあしらうエルガさんに、ガードが堅いとぼやく彼女との関係は、恋人未満悪友以上の関係にも見えてとても素敵なんです。
彼女達は、エルガさんにとって守るべき大切な存在になってきます。やがてエルガさんの兄弟が目覚めて、過去の妄執に囚われたまま大切な人を襲い始めた時……。彼は兵器という自分に縛られる事の無い、一人の人間として立ち上がります。その姿には、感動を覚えてしまいますよ!