あらすじ紹介
夏休み。久し振りに母の実家を訪ねた高校生・空木悠護は、少女の幽霊と出会う。
「儂ずっと、ずっと悠護のことを待っとったんじゃぞ!」
そう言う彼女の正体は、悠護がかつて保護してチュンと名付けた雀であった。
人と動物、生者と死者の境を彷徨う魂はハザマと呼ばれる存在になるらしく、
悠護と再会し人の姿で遊びたいと願ったチュンは、
この世に留まり続けていたのだという。
悠護は、そんなチュンの願いを聞くことに。
ところが、チュンは普通のハザマとどこか違って“特別”らしく、
助けを求めて様々なハザマが訪ねてくる日々で……!?
一人と一羽が紡ぐ、ほっこり心温まるひと夏の青春奇譚!
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みんなからのレビュー
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よっち
36夏休み。久し振りに母の実家を訪ねた高校生・空木悠護が出会った少女。かつて悠護が保護してチュンと名付けた雀が生者と死者の境を彷徨う魂ハザマとなって、あの世とこの世を繋ぐひと夏のあやかし奇譚。悠護と人の姿で遊びたいと願ったチュン。悠護が幼い頃に約束した少女えりなも合流して、四枚羽のスズメや彷徨うタヌキ、動かない犬、見つめる猫といった助けを求めて訪ねてくるハザマたちの願いを叶える展開で、同時にえりなや悠護が抱える悩みにも向き合い、チュンがハザマになった理由にまで繋がってゆく、切ないけれどとても優しい物語でした。 続きを読む…
ネタバレあり -
オセロ
26強い想いを遺して現世に留まる動物霊ハザマ。幼い頃に保護した雀の特別なハザマのチュンと帰省先で再会した悠護はチュンと共にハザマの想いを叶える為の奔走で昔馴染みのえりなとの約束、悠護の夢と向き合う一夏のハートフルストーリー。かつて自由を夢見た青年にツバメが与えたいもの、長年彷徨い続けた少年の霊とタヌキの友情、愛犬の死を受け入れられない老人を心配する柴犬、えりなと父親の不仲を心配する黒猫、そしてチュンが特別なハザマになった理由。そのどれもが優しさに溢れていて、悠護が夢に向かって歩き出す姿にはグッときました。 続きを読む…
ネタバレあり -
彩灯尋
18動物霊の未練を解決して成仏させていくお話。動物の未練を通して、生きている人間が現実に向き合っていく。テーマがテーマだけに毎話うるうるさせられた。悲しいけどあたたかい物語。 続きを読む…
ネタバレあり -
ひぬ
17【読み放題】久しぶりに母の実家を訪れた高校生・悠護は謎の幽霊・チュンと出会います。なんとチュンは昔悠護が世話したスズメで、生者と死者の境を彷徨う魂・ハザマという存在になってしまったらしく、悠護はチュンと共に助けを求めてくるハザマ達の願いを成就すべく、動き回ります。最近のファンタジア文庫では中々見かけない感じの雰囲気の作品。ツバメ、タヌキ、柴犬、黒猫と多種多様なハザマたちが抱える絆とその願いに向き合うとても優しい物語でした。 続きを読む…
ネタバレあり -
ツバサ
14心に沁みるエピソードが詰まった作品でした。別れからの後悔はあると思うけど、人と動物なんて感情揺さぶられますね。生者と死者を繋ぐファンタジーな設定を取り入れることで、後悔や心残りを清算していくのはグッときます。主人公の成長も追えて良かったです。ブログにてhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2023/04/02/210132 続きを読む…
ネタバレあり
製品情報
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レーベル
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発売日2023/03/17
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定価770円(本体700円+税)
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ISBN9784040749259
パートナーのおすすめレビュー(宣伝)
田舎の村でのひと夏の不思議な冒険だよ!
その後も、悠護くんの前には色んな未練を抱えたハザマ達が現れるの。山で迷子になって彷徨い続ける幽霊とタヌキさん。ぬいぐるみを飼い犬だと思って話しかける飼い主と、その飼い主を心配するハザマ。どのお話も、ハザマ達の未練やハザマに関わった人達の想いが痛いくらい伝わってきちゃうんだ…。
ハザマ達の未練は、どれも簡単には解決できそうもないものばかり。何度も大きな壁にぶつかるけれど、悠護くんはチュンちゃんや幼なじみのえりかちゃんと一緒に奮闘するんだよ! どうすれば「想い遺し」をなくせるのかの方法を考え、ハザマや大事な人たちのため、一生懸命頑張る姿は応援したくなるの!
動物も人間も、誰かを想う強さは変わらない。かけがえのない繋がりの物語に、何度もウルっときちゃったなぁ…。ひと夏の不思議な冒険はわくわく、そしてちょっぴり切ない気持ちになれるはずだね!
ハザマ達と出会ったことをきっかけに一歩を踏み出す主人公に胸打たれます
ハザマのチュンさんは、小さな見た目に反して達観した視点で悠護さんを導いてくれるんです。「人間には言葉があるからこそ、きちんと会話をしてほしい」という想いは、チュンさんならでは。人間が見落としがちな事にも気付かせてくれますね。
また、幼馴染のえりなさんはまっすぐで芯の強い女の子。ハザマが見えないながらも、悠護さんやハザマのために奔走してくれるんですよ。ただ、お父さんとはうまくいっていないようで……。近くにいるからこそ話せないという悩みは、共感を誘うのではないでしょうか。
そして悠護さんにもまた、獣医になるという夢がありますが、お母さんにはその夢を否定されてしまい…。それ以降、お母さんを避けてきた悠護さん。ですが、ハザマ達との出会いを経て、自身の親と向き合うことを決意するんです! 一歩を踏み出す彼の姿には、きっと胸を打たれるはずですよ。
ハザマと人。人と人。そして、自分自身と向き合う強さを教えてくれるこの作品の登場人物達からは、多くの勇気を貰えますよ!