
あらすじ紹介
夏休み。久し振りに母の実家を訪ねた高校生・空木悠護は、少女の幽霊と出会う。
「儂ずっと、ずっと悠護のことを待っとったんじゃぞ!」
そう言う彼女の正体は、悠護がかつて保護してチュンと名付けた雀であった。
人と動物、生者と死者の境を彷徨う魂はハザマと呼ばれる存在になるらしく、
悠護と再会し人の姿で遊びたいと願ったチュンは、
この世に留まり続けていたのだという。
悠護は、そんなチュンの願いを聞くことに。
ところが、チュンは普通のハザマとどこか違って“特別”らしく、
助けを求めて様々なハザマが訪ねてくる日々で……!?
一人と一羽が紡ぐ、ほっこり心温まるひと夏の青春奇譚!
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みんなからのレビュー
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よっち
35夏休み。久し振りに母の実家を訪ねた高校生・空木悠護が出会った少女。かつて悠護が保護してチュンと名付けた雀が生者と死者の境を彷徨う魂ハザマとなって、あの世とこの世を繋ぐひと夏のあやかし奇譚。悠護と人の姿で遊びたいと願ったチュン。悠護が幼い頃に約束した少女えりなも合流して、四枚羽のスズメや彷徨うタヌキ、動かない犬、見つめる猫といった助けを求めて訪ねてくるハザマたちの願いを叶える展開で、同時にえりなや悠護が抱える悩みにも向き合い、チュンがハザマになった理由にまで繋がってゆく、切ないけれどとても優しい物語でした。 続きを読む…
ネタバレあり
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オセロ
24強い想いを遺して現世に留まる動物霊ハザマ。幼い頃に保護した雀の特別なハザマのチュンと帰省先で再会した悠護はチュンと共にハザマの想いを叶える為の奔走で昔馴染みのえりなとの約束、悠護の夢と向き合う一夏のハートフルストーリー。かつて自由を夢見た青年にツバメが与えたいもの、長年彷徨い続けた少年の霊とタヌキの友情、愛犬の死を受け入れられない老人を心配する柴犬、えりなと父親の不仲を心配する黒猫、そしてチュンが特別なハザマになった理由。そのどれもが優しさに溢れていて、悠護が夢に向かって歩き出す姿にはグッときました。 続きを読む…
ネタバレあり
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凜音
11読了 夏休みに田舎の祖母の家に帰省してきた主人公:空木悠護。祖母宅で幽霊の少女に出会う。幽霊の正体は幼少期に怪我を介抱してあげたすずめのチュン。ハザマと呼ばれる動物が人に強い想いを残して死んでしまった幽霊と妖怪の間の存在だと主張するチュンと次々と2人のの元へとやってくるハザマ達。ハザマを救いながら悠護が成長を遂げる一夏の物語。 居残りすずめの縁結びの「縁結び」から幼少期の頃仲の良かったえりなとの恋物語かな?と思いきやそのタイトルの意味はハザマ達の想い残しを消す為に人である悠護と想い悩むハザマをチュンが結ぶ 続きを読む…
ネタバレあり
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真白優樹
9祖母の住む田舎へ十二年ぶりに帰省した少年が、かつて助けた雀の幽霊に出会い始まる物語。―――想い繋いで縁繋ぎ、出会いと別れで歩き出す。 幼馴染の少女との約束、未練を残した動物霊達の成仏のお手伝い。様々な人や幽霊と向き合う中、少年が話し合う事の大切さを知り自身もまた家族と向き合う物語であり、独特の癒しとハートフルに満ちた心に温かな風が吹く物語である。出会いも別れも受け止め背負い、その先に始まるのは新たな物語。この先の未来は未確定、だけど彼女達が愛してくれるならきっと大丈夫。 うん、とても面白かった。 続きを読む…
ネタバレあり
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カツ@日常
8チュンと悠護の元を訪れるハザマ達の未練を解決していく形で話は進みます。一番好きなエピソードは『彷徨うタヌキ』。ハザマのタヌキ、少年の霊、一人少年の帰りを待つ母親。それぞれの想いが辛く切ない物語ですが、ラストの演出が素晴らしかった!思わず涙腺緩くなる感動のお話。 また、この作品は田舎独特の雰囲気や空気感がとても優しくて心地よい。作中に出てくる昆虫であったり、登場人物が発する方言だったりが良きアクセントになっております。悠護の祖母や、忘れちゃいけない最強ツンデレヒロイン(笑)のえりなもいい味出してました。 続きを読む…
ネタバレあり
製品情報
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レーベル
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発売日2023/03/17
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定価770円(本体700円+税)
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ISBN9784040749259
パートナーのおすすめレビュー
田舎の村でのひと夏の不思議な冒険だよ!
その後も、悠護くんの前には色んな未練を抱えたハザマ達が現れるの。山で迷子になって彷徨い続ける幽霊とタヌキさん。ぬいぐるみを飼い犬だと思って話しかける飼い主と、その飼い主を心配するハザマ。どのお話も、ハザマ達の未練やハザマに関わった人達の想いが痛いくらい伝わってきちゃうんだ…。
ハザマ達の未練は、どれも簡単には解決できそうもないものばかり。何度も大きな壁にぶつかるけれど、悠護くんはチュンちゃんや幼なじみのえりかちゃんと一緒に奮闘するんだよ! どうすれば「想い遺し」をなくせるのかの方法を考え、ハザマや大事な人たちのため、一生懸命頑張る姿は応援したくなるの!
動物も人間も、誰かを想う強さは変わらない。かけがえのない繋がりの物語に、何度もウルっときちゃったなぁ…。ひと夏の不思議な冒険はわくわく、そしてちょっぴり切ない気持ちになれるはずだね!
ハザマ達と出会ったことをきっかけに一歩を踏み出す主人公に胸打たれます
ハザマのチュンさんは、小さな見た目に反して達観した視点で悠護さんを導いてくれるんです。「人間には言葉があるからこそ、きちんと会話をしてほしい」という想いは、チュンさんならでは。人間が見落としがちな事にも気付かせてくれますね。
また、幼馴染のえりなさんはまっすぐで芯の強い女の子。ハザマが見えないながらも、悠護さんやハザマのために奔走してくれるんですよ。ただ、お父さんとはうまくいっていないようで……。近くにいるからこそ話せないという悩みは、共感を誘うのではないでしょうか。
そして悠護さんにもまた、獣医になるという夢がありますが、お母さんにはその夢を否定されてしまい…。それ以降、お母さんを避けてきた悠護さん。ですが、ハザマ達との出会いを経て、自身の親と向き合うことを決意するんです! 一歩を踏み出す彼の姿には、きっと胸を打たれるはずですよ。
ハザマと人。人と人。そして、自分自身と向き合う強さを教えてくれるこの作品の登場人物達からは、多くの勇気を貰えますよ!