あらすじ紹介
伝説の騎士は蘇った――なぜか自分を看取った少女の身体で。
少女・モニカが自らの命を譲ってくれたことを知った“僕”は『騎士になりたかった』という彼女の意思に応えるためにモニカの名を受け継いで騎士学院に通うことを決意する。
だが生まれて初めて経験する学園生活、それも女子寮。生前の“僕”に憧れる少女たちに囲まれる日々に戸惑いつつ、衰えない剣の技量を示すことで、モニカの名は瞬く間に学院で一目置かれる存在になる。そうして学院で強き騎士の姿を示す中で“僕”は知る――なぜ彼女が“僕”に命を譲ってくれたのかを。
少女のため伝説の騎士が駆け抜ける。学園ファンタジー!
みんなからのレビュー
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よっち
34なぜか自分の最期を看取った少女モニカの身体で蘇った伝説の騎士ダレン。命を譲ってくれた彼女の意思を継いで、本来女性にはなれないはずの騎士を目指す学園ファンタジー。全力の剣技に耐えられない女性の身体というアンバランスさを抱えながら、同級生の騎士アルを圧倒して力を証明してみせたモニカ。一方で暗示される不穏な雰囲気の正体。読みやすかった反面、各キャラや事件の背景はもう少し掘り下げても良かったかなと感じましたが、危機的状況に直面する中でも、彼女たちの想いに向き合うことを忘れなかったその結末はなかなか良かったですね。 続きを読む…
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Liuche
25【KU】憧れの人に成りたい、の対象だった主人公が瀕死の時に魂を移されるのが重い。主人公は死にたくなかったから感謝してるけど演奏者の女の子の感情が重い。主人公の前向きで懐の深いところは尊敬するよ。 続きを読む…
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まっさん
19★★☆ ファンタジア大賞銀賞受賞作品。 一匹狼ながらも人知れず困っている人々を助け続けた伝説の騎士・ダレン。人類にとって史上最凶の天敵・ディザストロを相討ちの形で倒した彼が、その命を散らそうとする瞬間に現れた少女・モニカの身体に憑依する事で生まれ変わってしまうお話。この手の、ある日突然見知らぬ人の身体に乗り移っていた系の作品では珍しく前の人格がどうなったのかがきちんと描写されているので好印象。物語の山場に当たる戦闘シーンもページを割いて長く描かれていたので、そういう意味ではとても満足出来るものとなって→ 続きを読む…
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ホシナーたかはし
18最近のラノベ受賞作の中では及第点、「ハーメルンのバイオリン弾き」の派生。女の子が剣をふるえばどうなるか、無事で済まないところをもてあますことなく書いているところ、厄災であるディソナンスに関する説明が不足しているのは正体不明だから、敵が身内に潜んでいる、そこまではまだ良い。ただ、外道士の説明が一切なかったところ、必要な部分が欠落している中突如サービスシーンが入ったのは、考えどころ。 続きを読む…
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真白優樹
16音楽と共に発展してきた国で、人類の天敵の中の最強の存在と相討ちになった騎士が、自身を看取った少女の身体に転生し始まる物語。―――誰にもなれぬ、それでも叶える。二つの心が未来を掴む。 女性にしか使えぬ術を補助に剣術を用い力を示す中、街を揺らす事件に立ち向かう物語であり、物語の中で明かされていく思いが真っ直ぐな、心を揺らしてくるファンタジーである。独自の世界観に溢れたファンタジーが読んでみたい読者様は是非。始まったばかりの騎士としての道。果たして騎士は少女の心と、何処へ進んでいくのか。 次巻も楽しみである。 続きを読む…
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製品情報
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レーベル
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発売日2023/01/20
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定価748円(本体680円+税)
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ISBN9784040748436
パートナーのおすすめレビュー(宣伝)
瀕死の英雄を救ったのは謎の少女。目が覚めると身体がその少女になっている!?
モニカが最強の騎士を目指していたのを知ったダレンは、彼女の意思を遂げるべくモニカとして、騎士と術士を育成する学園への編入を決める。女性は楽器による演奏で魔法めいた術を扱えるけど、騎士を目指すのは身体強化が可能な男性のほうが一般的。けれどダレンはそんな常識、お構いなしさ。術と剣を組み合わせた戦法で、学園トップの成績をたたき出すんだよ!
2対1の状況で挑んだ模擬戦でも術と剣技で相手を圧倒。超高速の連続技と演奏による術で防壁を張る等といったスタイルは、人数差をものともしない。つけ入る隙のない活躍ぶりに興奮させられたね!
そんなダレンでも、女子の生活はさすがに適応しきれないみたい。作ったオムレツは茶色い物体になっちゃうし、ルームメイトと体を洗いあった時には、相手をまともに見られない。かっこいいダレンとのギャップに、思わずクスッとしちゃうんだ 。
魔法と剣術の華麗で重厚なバトルと、トラブルだらけの学園生活にハラハラドキドキできる一冊だよ!
伝説の英雄の秘めた思い。学園での出会いが彼に新たな気づきをくれます!
しかし、実際にはダレンさんはずっと後ろめたさを抱えていました。誰よりも強大な力を持っていたからこそ、自分のために使うのをためらっていたんですね。人助けをしてきたのも、そう。過ぎた力は他人のために使うしかないという、諦めに似た気持ちだったんです。誰から見ても強いはずの英雄も、心まで強いわけではない。切ない話ですよね……。
そんな彼に気づきを与えたのが、学園の友人達でした。小さい頃に彼に救われたことがきっかけで騎士を目指すと決めたアルギュロスさん。いつかダレンさんの隣に、術士として立つことを夢見るヘリオローズさん。学園に来なければ出会えなかった彼らの言葉には、ダレンさんへの熱い思いがこめられていました。
強迫観念にも近い感情で誰かを助けてきたダレンさんも、気づかないうちに色々な人に希望を与えていたんです。今までの人生の価値を認めることができたダレンさん。人の価値は簡単には決められないのだと、私達に教えてくれるとっても素敵な物語ですよ!