あらすじ紹介
『床辻市に住むと、早死にする』
そんな噂が古くから囁かれているこの地方都市には、数多の禁忌と怪異が蠢いている――。
大量の血だけを残して全校生徒が消失した『血汐事件』。その日遅刻して偶然にも難を逃れた青己蒼汰は、血の海となった教室で、彼にとっての唯一の肉親である妹・花乃の生首を発見する。だが、花乃は首だけの状態でなお生きていた。
花乃の身体はどこに隠されたのか。
この凄惨な事件は何故起きたのか。
借り受けた呪刀を携えて床辻市内のオカルトを追っていた蒼汰の前に、謎の少女・一妃が現れた。彼女は街の怪異から人々を匿う『迷い家』の主人だという。
そして少女は告げる。私が君の運命を変えてあげる、と。
――踏み出したら戻れない、怪異狩りの闘争がここに始まる。
みんなからのレビュー
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よっち
40怪異に満ちた地方都市・床辻市で起きた全校生徒が消失する『血汐事件』。遅刻して偶然難を逃れた青己蒼汰が事件に巻き込まれた妹・花乃の身体を取り戻すため呪刀を振るう都市伝説怪異譚。数少ない手がかりをもとに、借り受けた呪刀を携えて市内のオカルトを追う蒼汰の前に現れた謎の少女・一妃の存在。花乃の身体はどこに隠されたのか。そして凄惨な事件は何故起きたのか。伏線も回収しながら真相に迫る中で見えている構図も二転三転して、神経が太い主人公しかたどり着けなかった結末と、その裏に隠されたもうひとつの真相がなかなか深いですね…。 続きを読む…
ネタバレあり -
オセロ
31数多の禁忌と怪異が存在する地方都市にある学校の全生徒が血だけを残して消えた血汐事件。偶然が重なって難を免れた青己蒼汰だったが、そこにはいるハズのない妹の花乃が生首のまま生きていた。そんな花乃の体を取り戻す決意をした蒼汰の前に現れた謎の少女・一紀と行動を共にしていくうちに思い出す一紀との断片的な記憶、血汐事件の真実、そして一紀に隠された秘密… ところどころに潜ませた伏線を一気に回収することで一つの真実へと導く構成はは圧巻で、蒼汰の大切な人を守りたいという覚悟にはグッとくるものがありました。 続きを読む…
ネタバレあり -
まっさん
30★★★★☆ めちゃくちゃ面白かったですね。 物語は各地で様々な怪異が現実のものとなる世界。人口二百万人規模の街で人々が一瞬で消えるなどの摩訶不思議な現象が報告される現代において、大量の血痕だけを残し全校生徒が消失した事件・血汐事件を偶然逃れた高校生・青己蒼汰は、血塗れとなった教室で妹である花乃の生首を発見する事に。首から下の体が消失しながらも何故か生き延びている花乃、そんな彼の元に届くメッセージ、「妹の体を取り戻すしたくばこの街に蔓延る百の怪奇を滅ぼせ」という文言。妹の体を取り戻す為、彼の運命を変えてあ→ 続きを読む…
ネタバレあり -
燃え尽きタコ
30都市伝説とかの現代和風な怪異物なんでエグイ展開が結構有るのに、主人公の蒼汰が物凄く図太くて精神的に強い上に偏見が無いというかフラットなんで安心して読めて自分好みでした。 これ主人公が蒼汰じゃなかったら物理的にエグイ展開、精神的にエグイ展開でもっとドロドロしてたと思う。事実上2回くらい裏切られてるし、いや一名は裏切りというか種族差によるスレ違いなんだけどね。 続きを読む…
ネタバレあり -
わたー
28★★★★★首だけになって生きている妹の身体を取り戻すため、怪異を退治する青年、青己蒼汰。意図せず禁忌を破ったことで、閉じ込める系の怪異に囚われた彼の前に、どこか既視感のある少女、一妃が現れることから始まる現代伝奇モノ。面白かった。怪異に親しい街である床辻を舞台にしているためか、作品全体の空気感はおどろおどろしい。だが、メンタル太め男子である主人公が、フィジカルを武器に怪異に立ち向かっていく姿は、そんな空気をものともしないほど爽快かつパワフルで良かった。妹を守れなかった後悔を胸に、 続きを読む…
ネタバレあり
製品情報
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レーベル
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発売日2023/01/07
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定価748円(本体680円+税)
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ISBN9784049148237
パートナーのおすすめレビュー(宣伝)
怪異により事件に巻き込まれた少年と謎の少女の命懸けのバトル!!
血まみれの教室の中でひとり難を逃れた蒼汰は、唯一の家族である妹・花乃の生首を発見してしまう。目をそむけたくなるような惨状だけど、驚くのはここから。なんと、花乃の生首は生きていたんだよ!
失われた花乃の身体を取り戻すため、蒼汰は床辻市の怪異を退治しながら調査を進めていく。するとある日、彼の前に謎の少女・一妃が現れたんだ。この世のものとは思えない美貌に白い日傘を携えた彼女は、蒼汰の怪異退治の力になってくれるみたい。
対怪異に特化した異能力を持つ彼女は、姿の見えない怪異にも声を届けることができるんだ。彼女の呼びかけを無視できずに怪異が出てきたところを狙って、蒼汰が愛用の呪刀で一刀両断! 一妃のサポートがあるからこそ蒼汰の呪刀が冴えるんだよ!
少し前まで普通の学生だった蒼汰が妹のために、得体の知れない怪異に勇気を奮い立たせて立ち向かっていく姿が最高にクールなんだ。怪異との食うか食われるかの緊迫したバトルは手に汗握ったよ!
床辻市で言い伝えられている怪異にまつわる【禁忌】。破ってしまうと…
たとえば「市内を走っている赤いバスが自分の前に停まっても、決して乗ってはいけない」という禁忌。気をつけていれば大丈夫、と思っていても、夜闇の帰路を急ぐ中でバスが来たらうっかり乗ってしまうかもしれませんよね。すると、そのバスはどこにも停まることはなく走り続けて……。さて、どこに連れていかれるのでしょう? その先を想像すると背筋が凍ってしまいそうです。
他にも「夜、電柱に貼ってある探し人を見かけても、読んではいけない」のようなものもあって、人間がついやってしまいそうなことを怪異は禁忌として仕掛けてくるんですよ。禁忌を破って現れてからもすぐには脅威を発揮せず、徐々にゆっくり、ゆっくりと人に近づいてきて、気付いたときにはもう怪異の手の中かもしれません……。作中の禁忌や怪異は現実にもありそうで、道を歩いているときにふとよぎってしまいそう。そんな巧みなホラー描写で怪異の怖さが際立つ本作品。怖がりな方は、誰かと一緒に読むことをおススメします……!