あらすじ紹介
「彼の者の名を『花矢』と言う」
季節は、如何にして齎されるのか?
その問いに人の子らはこう答える。
「四季の代行者」が神々より賜りし権能で春夏秋冬を大地に巡らせるからだと。
では朝と夜は? 同じく人は告げる。
「巫の射手」が空に矢を放ち、その矢が朝と夜の天蓋を切り裂くのだと。
黎明二十年、島国『大和』の北端に位置する大地エニシに一人の少女がいた。
姓に神職を冠す巫覡の一族の末裔、代行者と同じく神の御業を担う者。大和に朝を齎す「暁の射手」その人だ。
少女花矢は今日も民に紛れ学舎に通う。
傍に美貌の青年を従える彼女が、大和にただ一人の『朝』だとは誰も知らない。
花矢と弓弦。少女神と青年従者の物語は、いま此処から始まる。
みんなからのレビュー
-
なっぱaaua
73春夏ときて秋が来るものだと思ったらまさかの暁の話がきた。暁の主従は不器用だな。お似合いなのにお互いに遠慮して慮って。でも足の裏をくすぐる位仲良くて。とある事件の解決策は意外の人の提案で射手は文明の利器で移動ができるようになったからこそ。いや~良い話だった。前2作よりも好きかも。巫も四季も夏の事件をきっかけに協力体制が整った。まだまだ両陣営とも古い世界観で支配されているがこの打開が一つのテーマになりそうですね。縦横無人に神と従者が動き出し、それぞれ好きな相手と恋をして幸せになれれば良いなと思うお話しですね。 続きを読む…
ネタバレあり -
つっちー
56秋の物語の順番だと思っていましたが、まさかの「暁の射手」の物語。前作で、射手の物語が語られたときに、個人的には、射手たちの方がより、不遇であると感じてしまいました。今作で、さらに、その思いが強くなりました。物語の後半に、「黄昏の射手」が、麓から神事を行ったのを見て、彼女たちに負担が改善される可能性が感じられたのは、ほっとしました。 物語の性質上、恋愛感情に似た、甘い主従関係が多い作品ですが、後半の神様たちの怒涛の協力体制には、少年漫画的な熱気を感じて、ワクワクが止まりませんでした。 続きを読む…
ネタバレあり -
よっち
49島国『大和』北端の大地エニシで空に矢を放ち、夜の天蓋を切り裂く暁の射手の少女・巫覡花矢。密かに高校にも通う彼女と傍らに寄り添う守り人・巫覡弓弦の物語。花矢に守り人の後継者として指名され、守り人として彼女のために心を砕いてきた父の後を継いだ弓弦。運命とすら感じていた弓弦を縛り付けているのではと憂慮する花矢のすれ違い。そして心が通じあえた思いかけた矢先の暗転。それぞれの主従のあり方があって、神である花矢もまた一人の少女で、慧剣の変貌ぶりにも驚かされましたけど、大切なものを取り戻してみせたその結末は見事でした。 続きを読む…
ネタバレあり -
るぴん
45朝を齎す現人神「暁の射手」である巫覡花矢と守り人弓弦の物語。主従の年齢も近く、お互いを密かに想い合っているのがわかるので、今までで一番恋愛色が濃厚だったな。北の地エニシでの神事は現人神達の中では一番過酷かも。冬は極寒の中、たとえ吹雪でも毎日朝を齎さねばならない。だからこそ普通の女子高生としての生活を送りたいという花矢の気持ちもわかる。花矢の両親が今まで出てきた大人達の中では一番まともな人達で、娘を愛しているのがわかって凄く安心した。地滑りが起きてからの展開は、涙無しには読めない。秋の撫子様はいつでも癒し。 続きを読む…
ネタバレあり -
星野流人
44夏の事件で四季との繋がりを得た、朝をもたらす暁の射手が主人公。神の力を持ちながらも平穏に暮らしていた主従が突然の悲劇に見舞われ、深い絶望の淵から這い上がる疾走感はものすごい読書体験でした。愛する人を救うためとはいえ、その手段をとるのは果たして正しいのか? という理性的な疑問はありながらも、それでも貫きたい花矢の強い想いに心を打たれます。とにかく濁流のように暴れまわる感情の嵐が、改めてこの作品の魅力だなと再認識。なんだかんだありつつ、最終的に花矢の両親のほのぼのオチがいちばん気に入っているかもしれません 続きを読む…
ネタバレあり
製品情報
-
レーベル
-
発売日2023/01/07
-
定価792円(本体720円+税)
-
ISBN9784049146868
関連サイト
-
公式サイト
-
公式Twitter