ミモザの告白 3
面白いね、君ーー東京からの転校生・世良慈が、クラスの問題児である西園アリサに目をつける。その一方で、陸上部への復帰を賭けて能井が汐に勝負を挑む。彼ら彼女らは戦う、譲れないもののために。
八目迷
(著)
/
くっか
(イラスト)
シリーズ:ミモザの告白(ガガガ文庫)
この作品をストアで探す(宣伝)
あらすじ紹介
闘争と激情。火花散る第三巻。
文化祭を終えてから咲馬たちは平穏な学校生活を送っていた。最初はクラスメイトに避けられがちだった汐も、今ではすっかり馴染んでいる。汐がクラスの人気者に返り咲く日も近い――そう思った矢先。咲馬たちの教室に、かつて汐が所属していた男子陸上部の能井風助が訪れる。
「勝負しろ。俺が勝ったら、男子陸上部に戻ってきてもらう」
長距離走者として汐のライバル的存在だった能井は、汐に勝負を挑む。ブランクのある汐には不利な条件。だが汐は、その勝負に乗ってしまう。
一方、クラスの問題児・西園アリサが、世良慈と衝突する。挑発を繰り返す世良に、怒りを募らせる西園。溜め込んだ鬱憤は理性を浸食し、やがて彼女は思いも寄らない凶行に走る。
「舐めんな、クズ野郎」
大切なものを守るために。あるいは何かを勝ち取るために。彼ら彼女らは、ぶつかり合う。
暴走する感情の行き着く先はーー。
『夏へのトンネル、さよならの出口』八目迷×くっかのコンビで贈る〈恋と変革の物語〉『ミモザの告白』第三弾。
みんなからのレビュー
-
なっぱaaua
57今巻はアリサの話が中心。汐と夏希と咲馬の3人の関係性を問う展開になるんだと思っていたが、アリサが世良の術中にはまってどんどん負のループに入ってしまう展開で窮地に追い込まれていく。正直アリサの考えは好きになれる人はいないだろう。強がっていてもあの態度は無い。椎名が言うとおりだ。それでも真島の機転で最後は良い方向に向かったという事で良いかな。アリサの想いを表したところはヒリヒリした。人間関係って難しい。次巻は汐と咲馬の過去が語られることになりそうだ。能井の話はおまけに感じる位、アリサの話が重く深かった。 続きを読む…
ネタバレあり -
芳樹
42汐の「変化」を受け入れられない二人。孤立してしまったクラスメイトの女子・西園の行く末と、汐が所属していた男子陸上部の同期・能井と汐の確執を中心に語られる今回でした。「大人目線」で彼らを見るとその言動には「幼さ」を感じ、些末なことを気にしてばかりだな…と思ってしまいますが、思春期を過ごす彼らにとってみれば、汐の変化を受け入れるか否かは「人生の中心」ともいえる命題でありましょう。その点において今回も「青春」を感じるのです。さて次回は、汐の咲馬に対する本心が語られるのでしょうか。続編を読み進めるのが楽しみです。 続きを読む…
ネタバレあり -
オセロ
40文化祭を終え、汐の変化を受け入れる人達が増える一方で受け入れられない人もいて。そんな陸上部の能井とアリサの関係に決着が着くことに。 能井とアリサが汐の変化を受け入れられない理由はそれぞれ違うけれど、能井とは真剣勝負で、アリサには周りを巻き込んで現実を分からせて理解を深めていく展開は良いものでした。次巻は汐と紙木の過去編ということで楽しみです。 続きを読む…
ネタバレあり -
星野流人
38この巻は……めちゃくちゃ凄かったです。汐が女の子として生きることに強く反発していた西園と能井が、それぞれのかたちで決着を見るエピソードなのですが……。西園が疑心暗鬼からどんどん追い詰められていく様は、見ていて辛いものがありました。特に終盤、西園視点で精神的に叩きのめされていくのがまたしんどい……。それでも最後の最後に踏みとどまるチャンスを貰うことのできた西園は、ものすごく幸運だったと思います。能井にしろ西園にしろ……大切な人との人間関係ですら、間違った選択をしてしまう難しさを、強く感じるエピソードでした。 続きを読む…
ネタバレあり -
よっち
35文化祭を終えてからすっかり周囲に受け入れられつつある汐。そう思った矢先に、かつて汐が所属していた男子陸上部の能井風助が訪れる第三弾。長距離走者として汐のライバル的存在だった能井が諦めきれずに汐に挑んだ勝負。そして変わりつつある状況を相変わらず認められない西園をわざわざ挑発する世良の真意。誰もがみんな変化を認められるわけでもなくて、流れが悪くなった時に軌道修正するのは難しいですよね。周囲が気にかけるわりには当事者の汐がわりと淡々としていたのが印象的でしたけど、その結末にはそういうことかと納得感がありました。 続きを読む…
ネタバレあり
製品情報
-
レーベル
-
発売日2022/12/20
-
定価726円(本体660円+税)
-
ISBN9784094531046