あらすじ紹介
その夜、僕の青春は〈炎〉とともに産声をあげた――
スマホを忘れて夜の学校に忍び込んだ在原有葉(ありはらあるは)は、屋上を照らす奇妙な光に気づく。そこで出会ったのは、闇夜の中で燃え上がる美少女――伊藤衣緒花(いとういおか)だった。
「もし言うことを聞かないのなら――あなたの人生、ぶっ壊します」
そんな言葉で脅され、衣緒花に付き合う羽目になった有葉。やがて彼は、一見完璧に見えた彼女が抱える想いを知っていく。モデルとしての重圧、ライバルとの対立、ストーカーの影、そして隠された孤独と〈願い〉。
「……僕は衣緒花のことを、もっと信じるべきだった」
夢も願いも青春も、綺麗事では済まされない。〈悪魔〉に憑かれた青春の行き着く先は、果たして。
目次
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序章 屋上のバースデーキャンドル
第1章 この学校にはティラノサウルスがいる
第2章 エクソシストはまた明日
第3章 寿司のちチョコミントアイスクリーム
第4章 リバーサイドで嘔吐して
第5章 あなただけの特別な
第6章 マーブル模様は夜の水深
第7章 ゴミ、タオル、ベッド
第8章 ひとりぼっちのストロベリーリング
第9章 心が求めるものすべて
第10章 石に落ちる星
終章 オーバードライブ
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みんなからのレビュー
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なっぱaaua
48前作「オーバーライト」がとても良くて読んでみた。有葉の同級生伊藤衣緒花は高嶺の花で有名モデル。しかし悪魔の仕業で炎を出してしまう。悪魔を惹きつけてしまうのは願いを抱えた青春だからという。有葉はエクソシストとなってこの悪魔を祓おうとする物語。前作に比べるとドキドキ感は若干少ないものの衣緒花の純粋な想いと悪魔とエクソシストの設定が興味深く、どう落としどころを迎えるのか楽しみに読んだ。しっかり青春してて単巻で終わりな感じもしたが、終章が序章となってまた物語が始まるという。この後どう料理するのかが楽しみである。 続きを読む…
ネタバレあり -
よっち
45スマホを忘れて夜の高校に忍び込んだ在原有葉。そんな彼が屋上を照らす奇妙な光に気づき、闇夜の中で燃え上がる美少女・伊藤衣緒花と運命の出会いを果たす青春小説。怪異現象の原因は何だったのか…。衣緒花に脅され、保険医・佐伊の勧めもあり彼女のフォローをすることになった有葉。彼が目の当たりにするモデルであるるための衣緒花のストイックな生活、ライバルの存在。その複雑な思いを理解しきれず時にはぶつかり合い、すれ違った末に衣緒花をフォローする覚悟を決めるまでが波乱万丈でしたけど、それがまたいろいろな事態に繋がりそうですね。 続きを読む…
ネタバレあり -
オセロ
36真夜中、学校に忘れ物を取りに行った在原有葉は屋上で奇妙に光る“何か”を目撃した。その正体は何とクラスメイトで現役モデルの伊藤衣緒花が、自身の悩みを火種に悪魔の力で燃えているところで。 これは悪魔に取り憑かれた少女と、エクソシストの少年の物語。 衣緒花専属のエクソシストとして有葉が共に行動していくうちに見えてくる衣緒花の悩みはどれも深刻なものでしたけど、真摯に衣緒花に向き合う有葉の姿と、ひたむきに夢に向かって進み続ける衣緒花の姿にはグッとくるものがありました。 続きを読む…
ネタバレあり -
しぇん
32青春の強い願いとそれに憑く悪魔の物語。中々面白かったです。悪魔を祓うことを託されてしまった少年とファッションモデルに人生をかけている少女の物語でしたが、初々しいやりとりが心地よかったです。主人公の姉の話とか、どうなった?と思ってましたが、最後に続編の導入みたいなものあったので続くんですね 続きを読む…
ネタバレあり -
のれん
32とてもオーソドックスな設定。 悪魔が利己的な若者の心深くに隠れている願いをかなえる。それは決して善性溢れるものではない。それどころか努力して自分を高めている素晴らしい人ほどその願いは当然のように悪意に満ちている。 高みを知るだけでなく目指しているからこそ、臆病ではない高慢な自尊心。それでいて周囲には謙虚でいなければならない。とてつもないストレスでプレッシャーだ。 そんな押しつぶされそうな凡才が美しいと宣う芸術家もいる。人生は本当に分からない。それでも目指して努力するのが青春。羨ましく勇気づけられる。 続きを読む…
ネタバレあり
製品情報
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レーベル
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発売日2022/10/07
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定価704円(本体640円+税)
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ISBN9784049146684
関連サイト
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公式サイト