
あらすじ紹介
米ソの冷戦が終わらなかった近未来。
モスクワを舞台に《掃除屋》ダニーラ・クラギンが短機関銃を手に路地を駆ける――!
「ゴブリンスレイヤー」の蝸牛くもが描く、
圧倒的人気web作品が待望の書籍化!
「あばよ、同志諸君!!」
西暦二一六〇年。米ソの冷戦が終わらなかった近未来のモスクワ。
戦争帰りの機械化兵がうろつき回り、張り巡らされた電脳網は当局によって監視され、裏では政府系組織と西側諸国のスパイやマフィアが殺しあう。
自由も真実も、未来も繁栄も、とうにどこかへ消え失せたこの街で、
今日も生身の傭兵ダニーラ・クラギンは、存在否定可能な人材《掃除屋》として短機関銃を片手に路地を駆ける!
愛するスターシャと、彼の帰りを待つ弟妹たちのために――。
大人気『ゴブリンスレイヤー』の蝸牛くも×神奈月昇が新たに放つ、ハードボイルド・サイバーパンク!
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みんなからのレビュー
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よっち
43西暦二一六〇年。米ソの冷戦が終わらなかった近未来モスクワ。自由も真実も、未来も繁栄もどこかへ消え失せた街で、生身の傭兵ダニーラ・クラギンが《掃除屋》として短機関銃を片手に路地を駆けるハードボイルド・サイバーパンク。戦争帰りの機械化兵がうろつき回り、当局によって監視され、政府系組織とスパイやマフィアが殺しあう暗部で、一緒に生き抜いてきた弟妹のようなマーニャ、ノーラ、ワレリー。そして立場は変わっても想いを交わすスターシャ。彼女たちのために存在否定可能な人材の中から頭角を現してゆく彼のありようが印象的でしたね。 続きを読む…
ネタバレあり
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鮫島英一
21東西冷戦が終結しなかった近未来のモスクワを舞台にしたサイバーパンク。前知識はこれだけで手に取ったので、アクションやカーチェイス満載のサイバーアクション作品と思い込んでいた。事実は違う。退廃的でスタイリッシュなフィルム・ノワールに分類されるだろう。アクションシーンもあるにはあるが、この作品の醍醐味は退廃したモスクワの雰囲気を楽しむこと。サイバーパンクと相性が良いのか不安だったが、これはこれで良い。強いて残念なのは雀が丘のような場所をより詳しく頻繁に描写してくれるたら、現実との差異をより打ち出せただろうな。 続きを読む…
ネタバレあり
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緋莢
152160年。東西諸国の冷戦が二世紀かけても終わる気配がない時代。当局によって監視されている電脳網、KGB、GRU、西側スパイ、マフィアが裏で殺し合うモスクワ。傭兵であるダニーラ・クラギンは、〝掃除屋”として仕事を請け負っており…『ゴブリンスレイヤー』著者とイラストレーターによる新シリーズ(ただし、自分は読んでいないのですが)。冷戦が終わらなかった未来世界のサイバーパンクということで興味を惹かれて、手に取りました(続く 続きを読む…
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のれん
15米ソ対立が続いたまま現代・未来になった作品は数知れず存在していたが、今も尚、赤い大祖国のイメージは強く剥がれない。というか機械化兵士が出てるのに生活感はブラウン管で大衆車は数種類しかなくてって所がソビエトジョーク世界観で面白い。 最下層から生きる学のない男視点によるハードボイルド文章が懐かしい。誰かの命と幸せを命を削って摘み取る。家族のためというお題目も少年時代には揺らぐ。報われない少年を変えたのは一人の少女。彼女がオペラ女優兼高級娼婦になっても男になった少年は通い続ける。(1/2) 続きを読む…
ネタバレあり
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カツ@日常
142160年、荒廃したロシアを舞台に掃除屋家業を営む主人公・ダニーラが機関銃を手にターゲットを◯しまくる。しかしながら周りは機械化されたゴツい兵隊ばかり。そんな奴らに生身で挑むダニーラの戦闘描写が堪らん!そこには魔法や異能を使ったチートは一切なし。常に死と隣合わせで緊張感たっぷり。また、ダニーラの行動理由も単純明快。愛する女・スターシャと大切な弟妹達の為に金を稼ぐ。ただそれだけ。血と硝煙の香り漂う重厚な物語。 続きを読む…
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製品情報
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レーベル
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発売日2023/06/06
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定価704円(本体640円+税)
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ISBN9784815614355
パートナーのおすすめレビュー
「ゴブスレ」の最強タッグが贈るサイバーパンク&ハードボイルド作品!!
科学技術の発展した世界で、人々は相も変わらず愚かな争いを繰り広げ、肥大化する欲望をほしいままにしているッス。《掃除屋》であるダーニャは、命をすり減らしながらも、そんな世界の『美化活動』を務めているんスよ。
彼が明日をも知れない仕事で日銭を稼いでいるのは、愛するスターシャや家族と共に過ごすささやかな日常を護りたいがためッス。「自分にやれるぶんだけやってみる」という、信念と呼ぶにはあまりに脆い意地だけで、機械化した兵士達が闊歩する世界を渡りあっているんスよ! 戦いが終われば傷ついた姿を整えて、スターシャとの甘い一時を楽しむなんてとこも、ハードボイルドで痺れるッスね~!
そんな彼も、家族のためには何時間も物資配給所に並んでお土産を選んだり、スターシャに会いにいく服装を目付のマダムに厳しくチェックされて思わずぼやくことも。人間味がある一面もまた、愛おしく感じること間違いなしの主人公ッス!
持てるものはすべてを駆使して、機械化兵に生身で挑む!!
それでも様々な事情から、ダーニャは奴らに生身で立ち向かわなくちゃならない。銃の弾が人の命よりも高い世界では、懐事情が芳しくない彼は贅沢を言ってられない立場なんだよ。だから彼は、自分の持てるもの全てを使って攻略していくんだ。
それはマフィアと事前交渉を行う人脈や、踏み込む場所への入念な下調べという情報。時には正教会の名を借りた調達屋に最新機器を要請する意外性であったり。手段を選ばない、というよりは今ある手札を最大限利用し勝負に挑む感じだね。
殺された仲間達の死体に紛れて反撃のチャンスを待っている時なんかは、そのスリリングさに息を呑んじゃったよ! 人間力とでも言うべき、機転や行動力。そして決断力で戦う姿が本当にかっこよくて熱くなれるんだ!