あらすじ紹介
現代日本の高校生、久住海斗。異世界アトランテラの暗殺者アベル・グランジ。
ある日、二人の魂が入れ替わってしまう。
カイトは、暗殺者アベルとして、ごく普通の高校生の魂のまま、とてつもなくハードな暗殺任務をクリアせねばならない。アベルは敵が多い。スキを見せればすぐに殺される。
アベルは、高校生カイトとして、暗殺者の魂のまま、いじめられっ子としての自分を変えていかねばならない。貧弱な身体だが、アベルには魂に染み付いた殺しのスキルがある。
アベルとカイトは、夢の中でだけ会うことができる。
カイトに生き残ることを要求するアベル。
母を守って欲しい、いじめられっ子の自分を変えてほしい、と頼むカイト。
二つの世界で同時に冒険が始まる――。
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みんなからのレビュー
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海猫
58現代日本の高校生・海斗と異世界アトランテラの暗殺者アベル。ある日、2人の魂が入れ替わってしまう。いじめられっ子のカイトはアベルとして、非情な暗殺任務をクリアせざるをえない。アベルは高校生として、いじめに立ち向かう。2つの世界の冒険が、交互に語られる。簡潔で引き締まった文体は抜群の読みやすさ。スピーディーに展開し、快適。カイトもアベルも武力を工夫して世界に適応。暴力を行使する解放感もある一方、その結果の反動も描かれており、良質なバイオレンス小説といえる。2つの世界が交叉する終盤の山場は、かなりの盛り上がり。 続きを読む…
ネタバレあり -
サケ太
20待ちに待った新作。内容は異世界の殺し屋と現実世界のいじめられっ子高校生の入れ替わり。深見真先生が描くと、入れ替わりものも、異色のバディものになってかなり楽しい。現実世界の文化文明に慣れていくアベル。異世界で殺し屋としての生き方に慣れるカイト。二人の肉体と精神の変化とともに、進む物語。二人が互いに戸惑い、それでも接近していく姿が好き。続きが非常に気になる。 続きを読む…
ネタバレあり -
尚侍
9とっても面白かった。これはもうタイトル通りの内容で、読み始めた当初はアベル側にまったくメリットがないだろうと思っていたのですが、読み進めていくにつれてカイトが大きく成長し、その中で二人の関係性が徐々に変化していくあたりは非常に読み応えがありました。一つ一つの章が短いので通勤の電車の中などで読むには読みやすいのもありがたいです。いい意味で三巻で終わりそうですが、最終的にこの二人が元に戻った時、入れ替わり当初とどのように関係性が変化するかが楽しみです。 続きを読む…
ネタバレあり -
ロック
5現実世界でいじめにあっている高校生のカイトと、アトランテラという異世界では最強の暗殺者であるアベルがどういう訳か魂が入れ替わってしまうという始まり。 互いに今までの記憶が共有出来るのでそれぞれの世界に順応するのも早く、異世界ジレンマ等もなかったのが良かったと思う。二人の主人公を交互に進行させ、互いに同調して行く所は暴力性が強く、少しグロく感じてしまうかもしれないけど今までの鬱憤が一気に解消され、読者が望んでいる方向へも突き進んでいくので最後まで飽きさせない作りにもなっていると思うので面白かった。 続きを読む…
ネタバレあり -
アヒコ
3異世界の暗殺者と現代の高校生の意識が入れ替わるというのがまず面白い。暗殺者が現代の社会に感心するところと、母親や幼馴染との関係に怒ったり感動したりすのが良い。暴力はもっと欲しかったというのが正直なところ。たぶん続編ありそうなので期待。 続きを読む…
ネタバレあり
製品情報
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レーベル
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発売日2022/08/30
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定価1320円(本体1200円+税)
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ISBN9784047371118
パートナーのおすすめレビュー(宣伝)
突然体が入れ替わった!? 暗殺者の魂が宿った高校生の逆転劇だよ!
入れ替わった体の持ち主は学校で苛烈ないじめを受けていた。アベルはなるべく事を荒立てないよう我慢するんだけど、画鋲を投げつけられたりといった、度を越した屈辱の数々に耐えきれなくなっていく。
とはいえ、今の体は貧弱すぎて、とてもいじめには対抗できない。そこでアベルは、ネットや図書館でトレーニング方法を学んで、カイトの体を鍛え直すことにするんだ。文明の発達していない異世界から見たら、現代日本は知識の宝庫だからね。アベルは効率的なトレーニングを続け、筋力と格闘技を身に着けていくんだよ。
そしてある日、上級生がカイトの母親を犯罪に巻き込もうと脅してきたところで、ついにアベルの反撃が始まる。立ち技や打撃だけじゃなく、身近な道具を武器にしたり、タックルや関節技を駆使して体格で勝る相手とも渡り合っていくんだ。格闘戦のロジックがテンポよく描かれていて、圧巻だったよ!
いじめの苦境からの逆転劇は数あるけれど、異世界の暗殺者という視点から見たいじめへの反撃は興味深くて、爽快だったね!
時を同じくして異世界で暗殺者となった高校生の成長物語ッス!
ひ弱な高校生だったカイトに比べたら、暗殺者の体は筋力も段違い。魔法だって使えるし、武器の扱いも思いのままッス! こんな設定、男の子なら妄想したこともあるシチュエーションじゃないッスか?
でも、暗殺者に憧れるのと、実際に人を殺すのは大違いッス。盗賊に偶然出会わせ襲われたカイトは、体が勝手に反応して盗賊を惨殺しちゃうんスよ。喉を切り裂いて返り血を全身に浴びたら、現代人の感覚ならそりゃショックも受けるッスよね……。
それでも、異世界で生きていくためには戦わなくちゃならないッス。最初は戦うことを恐れていたカイトも、殺しに慣れ、強敵との戦闘を経て徐々に成長していくッス。やがてカイトは、現代日本で生きていた頃には持つことができなかった、生きる力と意思を身に着けるようになるッス。
自分の人生をほとんど諦めていたカイトが、必要とあらば自ら戦いを指揮して生き抜こうとするまで成長していく。カイト編もアベル編とはまた違った読み応えがあるッスよ!