あらすじ紹介
それはきっと恋ではなく、それは間違いなく愛だった。
クラス一の美少女・朝比奈亜梨沙がある日作ってきたマズそうな弁当に、高校生・牧誠也は一目惚れした。
「朝比奈さんの弁当が食べたいから付き合って欲しい」。
彼のそんな告白にバカにされたと思った亜梨沙は怒って誠也をフるが、彼の諦めない純真さと、悩みに寄り添う優しさに次第に惹かれていく。しかしある時亜梨沙は、誠也の人には言えない秘密を見かけてしまい――。
二人の仲はどこへ進むのか、そして誠也が亜梨沙の弁当に惹かれる理由とは。
切なくて、苦くて、愛しくて、美しい。青春物語開幕。
みんなからのレビュー
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星野流人
46美人で秀才の朝比奈さんのクソマズそうな手作り弁当を食べたい。言葉にするとギャグっぽいのだけれど、読んでみるとシリアス寄りの作品でした。主人公の誠也を取り巻く環境が想像以上に重たいもので、朝比奈さんが知ったらどう思うだろう……という不安もありつつ。他人に対して壁を作っている朝比奈さんが、遠慮のない視聴覚室メンバーと仲良くなっていくのが良かったです。弁当というキーワードに込められた想いが明かされると、この表紙イラストがより一層素敵に思えてきます。まとまっているような気がしますが、1とあるので続刊もあるのかしら 続きを読む…
ネタバレあり -
芳樹
43タイトルとU35先生が描く表紙の可愛いヒロインからどんな物語が想像できるでしょうか。甘々なラブコメ?それとも甘酸っぱい学園もの?いえ、この物語は抑圧された心や傷ついた心を抱えた少年と少女が、不器用に近づいたり離れたりしながら心を通わせるようになるまでを描く、切なさ、苦さ、美しさがぎゅっと詰まった青春物語でした。キーワードは「弁当」。主人公の誠也がなぜヒロイン亜梨沙のまずそうな弁当を食べたいのかが明らかになる場面では、感情が大いに揺さぶられました。これからどんな物語が綴られるのか。続きを楽しみにしています。 続きを読む…
ネタバレあり -
オセロ
35才色兼備を誇る朝比奈亜梨沙がある日作ってきたマズそうな弁当に一目惚れした牧誠也。そんなマズそうな弁当を巡る青春物語。 しつこく付き纏われつつも、愚直なまでに真っ直ぐな誠也の言動に心打たれ、次第に誠也の仲間達と打ち解けていく亜梨沙。 そんな亜梨沙に突きつけられる理不尽な現実と、時を同じくして誠也に訪れる最も恐れていた事態。 共に自分ではどうしようもない現実に翻弄されながらも、自分に出来ることに全力で取り組んで、大切なことを伝えるようとする誠也の様々な言葉が胸に響きました。 続きを読む…
ネタバレあり -
よっち
35クラス一の美少女・朝比奈亜梨沙がある日作ってきたマズそうな弁当。高校生・牧誠也がその弁当に一目惚れしたことから始まる青春小説。最悪だった誠也の第一印象、そして諦めない彼の不器用で愚直なアプローチに一度はブチ切れながらも、いつしか彼らの仲間と過ごす時間がかけがえのないものとなってゆく亜梨沙。しかし偶然誠也の秘密を知ったことによる暗転、そして明らかになってゆく彼の事情があって、そこから踏み込めない二人のすれ違いがもどかしかったですけど、今できることの精一杯に込められた真摯な想いに心を揺さぶられてしまいました。 続きを読む…
ネタバレあり -
しぇん
27鬱々とした青春物語なので少々詠みにくいところもありました。しかし、1て続くのですか?どう続くのかは気になりますが… 続きを読む…
ネタバレあり
製品情報
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レーベル
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発売日2022/08/01
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定価715円(本体650円+税)
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ISBN9784798628653
パートナーのおすすめレビュー(宣伝)
王道の恋愛モノじゃない! まったく先の読めない展開にハラハラさせられます
誠也さんは亜里沙さんのお弁当を食べるため、彼女と距離を縮めようと試行錯誤を始めます。ですが、彼女が教室の真ん中で落とした消しゴムを拾うのに、教室の隅から駆けつけるなんてやりすぎなアプローチも。露骨な手段に呆れる亜里沙さんとの温度差に、思わず笑ってしまうんです!
……と、 ここまでは王道の恋愛モノに見えますよね?
ですが、恋愛模様の学校生活の裏には誠也さんの抱える重たい事情が見え隠れします。誠也さんがお見舞いに赴くたびに暴言を吐き、傷つけようとする入院中の母。多額の借金を返すために彼が通う、明らかに違法なアルバイト。
話が進むにつれ、亜里沙さんは誠也さんに心惹かれていきます。ですが、誠也さんの仄暗い秘密が、ハッピーエンドだけではない事態を予感させてしまうんです。彼の日常に影を落とす不穏な要素が、恋愛劇にどう関わっていくのか。まったく先の読めない展開に、終始ハラハラさせられてしまいますよ!
この想いは本当の「好き」? 不安に揺れるヒロインが切ない!
でも、告白に慣れ過ぎた亜里沙ちゃんは、みんな自分に欲望を投影してるだけだって気付いちゃうの。亜里沙ちゃんと付き合って人生を逆転させたいなんて下心がわかっちゃったら、 恋愛どころじゃないよね……。告白を断り続けてきた彼女自身も、自分は他人に望まれるような優しい人じゃないって自己嫌悪しちゃうの。
そんな時、「優しい人間っていうのは完璧な人間じゃない」と、支えてくれたのが誠也くんなんだ。自分が欠点だらけだと思っていた亜里沙ちゃんは、その言葉に救われるの。誠也くんは亜里沙ちゃんを理解してくれたんだって、わたしもすごくうれしくなったよ。
でもそれは誠也くんが持っている、相手が望んだ言葉を察して返す特技のおかげ。
亜里沙ちゃんも薄々それに気付いてるから、恋心に不安を抱くようになるの。自分の気持ちに関係なく、望んだ言葉だけを返してくれる人がいたとしたら……。本当の意味で、その人を好きになれるのかな?
亜里沙ちゃんたちが悩む姿を見て、たとえ難しくても他人を理解しようとする気持ちが大切なんだなって思えたよ。