
あらすじ紹介
なにが青春だ。どいつもこいつも、恋だの部活だの遊びだの、楽しそうにしやがって。
俺には友達もいない。恋人もいない。部活にだって入ってない。青春なんて無縁だ。
だけど、それのなにが悪いんだ!?
そんなくだらないものをありがたがっている奴らも、俺を見下すような奴らも、全員くそだっ。
そう思っていた。彼女に出会うまでは。
誰もいない昇降口。壊れた下駄箱。汚れた階段。床が抜けそうな木張りの廊下。
そんな古びた旧校舎の三階の一番奥に、秘密の部屋があった。
黒い三角帽子とローブを身に着けた冥先輩は、床に魔方陣を描き、黒魔術で人を呪うことに余念がない。耳にかかる艷やかな髪をかきあげ、海のように澄んだ大きな瞳で、はにかみながら彼女は俺に言う。
「呪っちゃうからね」
空が青く澄みわたり、桜舞う春。
入学したばかりの高校で出会った彼女の笑顔を、大人になった今も俺は忘れられない。
聖女と崇められる先輩と出会ったことで、かけがえのない青春を送ることになる、ある高校生の物語――。
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みんなからのレビュー
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芳樹
30【BW】存在感がない主人公が、黒魔術を嗜む聖女先輩と出会い、天才美少女同級生を仲間に引き入れて、「秘密結社」という名のトンデモ部活動を繰り広げることになる、優しい雰囲気が漂う微笑ましき青春・友情学園物語でした。三人のやり取りがとても楽しいコメディであり、”ラブ”コメ展開はまだまだ先かな。目立ちたく無い主人公が、ヒロインの窮地にあえて「目立つ」ように立ち向かう姿はまさに王道で、彼の秘めたる情熱には感激してしまいました。不器用な秘密結社(笑)の三人がこれからどんな関係を築いて行くのか。続きがとても楽しみです。 続きを読む…
ネタバレあり
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オセロ
28事なかれ主義で孤独を愛する上賀茂京四郎、黒魔術を極めようとするポンコツ気味な学園の聖女こと沙倉冥、京四郎にある計画を邪魔された頭脳明晰な氷童凛。そんな凸凹な3人組が紡ぐ青春物語。 表向きは人助け、裏では黒魔術の信者を増やす計画を企む冥を、何だかんだ手伝う京四郎と凛の3人のコミカルなやり取りが繰り広げられる中で、突然冥の身に起きたハプニング。そんな冥の為に京四郎が起こした行動にはグッとくるものがあって、単巻でも満足ですけど出来れば続きを読みたいですね。 続きを読む…
ネタバレあり
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わたー
27★★★★★空気のように生きることを標榜する主人公が、学園の聖女と呼ばれるも、黒魔術に傾倒する先輩と出会うことから始まる学園ラブコメ。著者の久しぶりの電撃文庫での新作は、2010年代の謎部活モノの雰囲気を持った、どこか懐かしさすら感じるような作品で非常に良かった。魅力的なキャラで前半をさらっと読ませて、ラストにはとびきり熱い展開を。教科書通りといってしまえばそれまでだが、こういうのがいいんだよと声を大にして言いたい。ただ、1点、物語の展開上、必要なこととはいえ、彼女が受けた処分は重すぎる気がする。 続きを読む…
ネタバレあり
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八岐
13★★★★ 聖女先輩が無邪気可愛かったり天才少女がチョロ可愛かったり、と実によいヒロインズなのですが、それ以上にこの目立たないように生きる事を信条としている主人公の京四郎が面白すぎる! 目立たず誰からも認識されずに過ごそうとしている彼だけど、内気とか内向的じゃ全然ないんですよね。むしろふてぶてしいし物怖じもしない。見知らぬ人にも平気で話しかけるし、人見知りも全然しない。一方で気配を消し人から認識されない技能はもやは超能力なんじゃないかしら。絶対スパイ向きだろ、こいつ。 続きを読む…
ネタバレあり
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真白優樹
12空気のように生きる事を信条とする少年が、黒魔術を信じる少女に出会い始まる物語。―――呪え、世界もこの思いも。優しく縛る様に。 かつてのトレンドである謎部活ものにも似た空気のある、ノスタルジックな雰囲気のある中に温かさと熱さのある物語であり、最近の作品では味わえぬ面白さを楽しめる物語である。始まったばかりの征服活動は、果たして果たされるのか。プロローグの光景、十年くらい先の未来。その時に少年の隣に立っているのは、果たして誰なのか。ここにしかない青春は何処へ向かうのか。 次巻も須らく期待であるべし。 続きを読む…
ネタバレあり
製品情報
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レーベル
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発売日2022/05/10
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定価704円(本体640円+税)
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ISBN9784049139358