
あらすじ紹介
人類と〈機械知性〉とが死闘をくりひろげた〈聖戦〉から百年。地球の三分の一をおおう砂漠の中に、その少年はいた。古城宴。九年前、謎の壊滅をとげた東京シティの生き残り。現在は“大槻キャラバン”の一員として戦闘空母“箱舟”に乗り込んでいる。彼は今、仲間の少年たちとともに船を離れ、聖戦時の遺跡の発掘をしていた。作業用アームの先がなにか硬いものに当たる。丸いシルエット。“神格匡体”だ。人の想像力を現実の力にかえ、神話の神々を地上に顕現させる究極の兵器―。宴たちは期待と畏れに躍る胸を圧さえ、慎重にその白い匡体を掘り出していく。それが白猿神ハヌマーン、そして謎を秘めた少女シータとの出会いだった…。吹き抜ける風は熱く乾き、雷鳴は波乱を告げて轟く。少年よ、今こそ旅立ちだ。選考委員大絶賛のSF冒険ロマン。第六回ファンタジア長編小説大賞受賞作。
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みんなからのレビュー
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緋莢
20人類と“機械知性”が戦いを繰り広げた“聖戦”。それから百年が経ち、文明のほとんどは崩壊、地球の三分の一は砂漠になっていた。大槻キャラバンの一員である古城宴はある日、聖戦時代の遺跡で“神格筐体”と、その中で眠る少女を見つけて…というのが序盤部分。<人の想像力を現実の力にかえ、神話の神々を地上に顕現させる究極の兵器>という“神格筐体”が素晴らしく、タイトルにもなっているハヌマーン他、インドラ、キマイラ、スサノオ、ギガースらがぶつかりあう様は読んでいてワクワクします(続く 続きを読む…
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じお
13★★★☆☆ かつて起こった「聖戦」により文明が崩壊し、砂の大地で過去の遺産に頼り生きていく世界、自分が住んでいた「都市」を滅ぼされた過去を持つ少年・古城宴はキャラバンで仲間たちと日々暮らす中、一つの神格筐体そして少女と運命的な出会いをする、完全未完のSFロボットファンタジー。コイツァたしかに面白い、オタッキー(古代語)垂涎の内容。「基本路線はガンダムとラピュタ」とあるように、王道をゆくボーイミーツガールに、90年代アニメのような世界観設定と、神話モチーフロボット達のハチャメチャバトル、→ 続きを読む…
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ナカショー
11ざっくり言うと「神格筐体」という球状のコクピットに乗って神々の姿を象った巨神どうしで戦うスーパーロボット大戦。厨二心くすぐられる世界観、脳内で想像しやすい戦闘シーン、個性的な登場人物に記憶喪失のヒロイン、そして物語の1巻としては最高すぎる次巻以降が気になる終わり方。どれをとってもワクワクする話で流石大賞受賞作品。こんだけ気になる終わり方で20年以上続きが出ない。もし出たら喜んで買う。 続きを読む…
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紫
7およそ十数年ぶりの再読。「聖戦」によって荒廃した未来が舞台のSFファンタジー譚。後書きによるとガンダム+ラピュタとのことですが、どちらかといえばマクロス+ナウシカ? 世界観の設定といいストーリー展開といい、極めてオーソドックスながら、巨大ロボットの亜流とはいわせない「神格筐体」の設定がとても秀逸。滑りがちのコメディ描写、駆け足の終盤等々、さすがに読者も年をくってから読み返すとつらい部分も散見されますが、作風はまさしく「王道」そのものでして、まだ十代の若いうちに読んでおきたい未完の傑作であります。星4つ。 続きを読む…
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翰林菩薩
6ラノベの世界では1作のみで終わる作品が多いのですが、まれに傑作が生まれることもあります。本書はその中でも最高峰と言っていい伝説的な作品で、未だに根強いファンがいます。「ライトノベルメッタ斬り」で、紹介されたときに「エヴァを先取りしている」と評されたように、魅力的な設定のSF作品として高く評価できるのではないでしょうか。文章、登場人物の描き方に時代を感じますが、この点は仕方のないことかもしれません。明らかに途中で終わっているし、未だ続刊が出ていないことが残念極まりない作品です。 続きを読む…
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製品情報
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レーベル
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発売日1995/01/25
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定価572円(本体520円+税)
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ISBN9784829126073