あらすじ紹介
東京にある美術大学に進学したものの、都会での生活で自らの限界を迎え「熱」を失っていた間宮宗助。大学3年の夏休みに、亡くなった親戚の葬儀のため都会から逃げるように海沿いの田舎町――七登町へと辿り着く。そこには、事故で両親を失い、天涯孤独の身となってしまった少女・九谷唯奈がいた。
「お父さんとお母さんの喫茶店はあたしが継ぐって決めてたの……あたしの夢を守ってよ、宗にぃ……!」
記憶よりも大きくなった中学生の従妹と出会い、かつて交わした約束を思い出した宗助。幼き頃の思い出が残る喫茶店で、唯奈とともにこの夏を過ごすことになり――大人と子供の恋が、今ここで動き出す。
みんなのデータ
-
9評価する
-
15読みたい
みんなからのレビュー
-
オセロ
34東京の大学とホストのバイトの日常に嫌気がさしていた間宮宗助が親戚の葬式に出席する為に田舎に帰省したところ、幼い頃ある約束を交わした中学生の従妹・久谷唯奈と再会した2人。 亡くなった両親が経営していた喫茶店を継ぎたいと願う唯奈と、そんな唯奈を助けたいと願う宗助の夏物語。 叶わぬ初恋に終わりを告げる宗助、そんな宗助に初恋を捧げた幼なじみの沙夜、そして喫茶店を継ぐ為に諦めた水泳に未練を抱える唯奈。それぞれの葛藤を乗り越える展開にはグッとくるものがありましたし、ラストのタイトル回収も完璧で、続きが楽しみです。 続きを読む…
ネタバレあり -
よっち
31東京の美術大学に進学したものの、自らの限界を感じて熱を失っていた間宮宗助。大学3年の夏休み、亡くなった親戚の葬儀のため七登町へ帰った彼が、天涯孤独となった少女・九谷唯奈と再会する物語。亡くなった両親の喫茶店を継ぐと決意した中学生の従妹とのかつての約束を思い出して、夏休みの間は唯奈を手伝うことを決めた宗助。彼と喧嘩していたかつての同級生・紗夜との再会もあって、唯奈が抱える様々な葛藤はなかなか難しいものがありましたけど、そんな彼女を支えるキーマンとなる宗助とヒロインたちの今後が気になる期待の新シリーズですね。 続きを読む…
ネタバレあり -
アウル
24東京にある美術大学に進学したものの、都会生活や大学の授業についていけなくなったりで夢への熱を失っていた主人公・宗助。大学三年の夏休みに亡くなった親戚の葬儀の為に逃げるように海沿いの町へたどりついた。事故で両親を失い天涯孤独の身となった少女とかつて交わした約束を思い出した宗助は一夏を過ごす事となる...な話。なかなか面白かったんだけれども恋の部分がちょいとモヤモヤっとした感じだった。果たして二人が進む道がどうなるのか気になる所だわ。 続きを読む…
ネタバレあり -
ひぬ
21事故で両親を失ってしまった従妹・唯奈と再開し、両親の喫茶店を継ぐという彼女の夢に一区切りをつかせるため、夏休みだけという期限付きでそこのお手伝いをする事になった主人公・宗助。未来に疑問を持ち、現状に憂う彼も唯奈と接する事によって次第に想いが変わり始めます。中々に良かったです。あまり見ないタイプの主人公だったのに加え、思ったよりシリアスでした。魅力的な脇役が多く、(あまり深掘りはされませんでしたが)幼馴染の沙夜が特にカッコよかったです。最終的に宗助が落ちたのは苦難の道ですが良い締めだと思いました。 続きを読む…
ネタバレあり -
rotti619
18上京して大学で夢を追った結果、自分の限界が見え先輩の勧めで始めたホストの適正の良さに自己嫌悪した主人公間宮宗助が親戚の葬式で帰省した際、両親の死後も喫茶店を存続させたい従妹の九谷唯奈と再会し、「その夢を諦めさせる為に」夏の間喫茶店のお手伝いすることを決めたお話。この導入部が実に切ない。宗助を含めた全ての登場人物が未来へ向けて悩みながらも前向きに進む姿は終始物語を明るく照らしてくれた。主人公の本人が意識していない所でホストのスキルが発動して、登場する女性陣をかたっぱしから落としているのは地味に面白かった。 続きを読む…
ネタバレあり
製品情報
-
レーベル
-
発売日2022/02/25
-
定価704円(本体640円+税)
-
ISBN9784046811790
パートナーのおすすめレビュー(宣伝)
夢破れて田舎町へ。かつて交わした約束のために喫茶店経営!
そして夏を迎えたある日、訪れた海沿いの田舎町、七登町で彼は従妹の唯奈さんと再会します。聞けば、彼女は中学生ながら両親の遺してくれた喫茶店を継ぎたいのだとか……。そこで宗助さんはかつて交わした「唯奈さんを助ける」という約束を思い出し、彼女と一緒に喫茶店経営を始めるんですよ。
しかし、理想ばかりを追えないのがお店の経営の難しいところ。常連さんのために守ってきたメニューの値上げ等、唯奈さんが望まぬ問題にも向き合わなければなりません。それでも唯奈さんは宗助さんの助言を得て折衷案を模索しながら、しっかりと現実を受け止めていくんです。
揺れながらも着実に大人への階段を上る唯奈さんの姿を見ていたら、見ている方も思わず「頑張って!」と力が入ってしまいました。そしてそれは、宗助さんも同じ。かつて夢を失った彼が、唯奈さんとの交流を通じて前を向いて進もうとする様子がとても感動的なんです。年の離れたふたりの関係が、心に響く素敵なドラマを作り出していますよ。
この気持ちは”憧れ”? それとも…? 止まっていた時間が動き出します
そうして止まったままだった時間が、五年後の夏に動き出すんだよ。ふたりが再会したときは、インドア派だった唯奈ちゃんは全国レベルの水泳部の選手になってるし、真面目だった宗助さんはホストになっててビックリ!
だけど宗助さんはどれだけ時間が経って見た目が変わっても、困ったときは唯奈ちゃんの味方に全力でなってくれるの。唯奈ちゃんにとっては、ずっと絵本の王子さまみたいな存在なのかもね! 幼い頃に漠然と抱いた憧れも、よりはっきりとした恋心になっていくんだー。唯奈ちゃんが自分の想いを自覚していくところがとっても素敵なの!
読後も余韻に浸れるのだけど、そこからまた読み返すと同じ描写のはずなのにまた違った味わいがあって……。ふたりの「夏」の物語、ぜひ何回でも楽しんでほしいな!