あらすじ紹介
すべての人には加護がある。
しかしそのどれもが祝福されているわけではない。
「禍炎」と呼ばれ、忌み嫌われる【火】の精霊を宿す少女は、
自らの同胞を殺した仇を探していた。やがて彼女が辿り着いたのは、
共和国最大の祭典――通称<帳>。
少女と同じく【火】の精霊の加護を持つ人々を集め、殺し合いをさせ、
そして見世物にするという残酷極まりない狂宴だ。
同胞の亡骸のもとに、まるで招待状のように遺された<帳>への
参加票を手に、少女は激戦の舞台へと臨む。決勝トーナメント出場者、
全8名。暴き出せ。この中に、仇がいる……!?
第34回ファンタジア大賞《金賞》受賞作、開戦!!
みんなからのレビュー
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よっち
30「禍炎」と呼ばれ忌み嫌われる火の精霊を宿す少女フィスカ。自らの同胞を殺した仇を探す彼女が、同じ火の精霊の加護を持つ人々を集めての殺し合いを見世物にする共和国最大の祭典<帳>に参加するファンタジー。仇を探すために<帳>に参加するフィスカが出会う、決勝トーナメント出場を決めた曲者揃いで個性豊かな8人の参加者たち。様々な思惑が入り乱れる熱いバトルと、密かに探りを入れながらの仇の相手探しは、やや思ってもみなかった展開へと繋がりましたけど、その決着の先に何が待っているのか、続巻があるようならまた読んでみたいですね。 続きを読む…
ネタバレあり -
まっさん
24★★★★ ファンタジア大賞金賞受賞作品。 個人的には同時期に出版された受賞作の中では一番面白かったです。 物語は生まれてくる人々に必ず〈地〉〈水〉〈風〉〈火〉の四つの加護のうち一つが宿る世界において、〈火〉の加護を有する人々が差別・排斥される世界。辺境の地で少数民族の一員として暮らしていた少女がある日目にしたのは、惨たらしく惨殺された同胞の遺体。唯一の手掛かりを元に足を運んだのは〈火〉の精霊の加護を持つ人々が殺し合いを行う饗宴・帳。彼女の同胞を殺した者は一体誰なのか…というものでした。 今作で一番惹か→ 続きを読む…
ネタバレあり -
アウル
24これは面白かったな。すべての人に加護がある世界、忌み嫌われている『火』の精霊を宿す少女が同胞を殺した敵を探す為、同じ『火』の加護を持つ人々を集め殺し合いをさせる狂気の宴に参加する事となるのだが...な話。復習の為に単身で仇を討とうとしているが同じ『火』使いの人達を一悶着ありながらも少しづつ変わっていく主人公が良かった。個人的にはちょいと分かりにくい設定とかあったけれども戦いのシーンとか熱くて面白かったし、話が進むにつれ明らかとなる真実には驚かされたわ。復習を終えた彼女がどう生きていくのかな。 続きを読む…
ネタバレあり -
のれん
23忌み嫌われる火炎能力者による暗黒武術会を描く。だが、トーナメント参加者全員が優勝を意識していないという思惑が伏線となる。差別される環境は被差別者だけでなく差別する側もおかしくする。敵たちも互いに暴れまくって、その暴力の異常性を示すのは心地良いオチ。 説明台詞や用語は多いが、それ故に言葉遊びも多く、特に真名周りの設定は良い。開示されていく「半身」の力が終盤で怒濤の追い上げしていくのは最高。 ただ真名の設定は同時に分かりにくさもあり、展開に組み込んでいくのは難しさも感じた。作者の成長に期待したい。 続きを読む…
ネタバレあり -
ひぬ
20同胞が殺され、その亡骸に残された一つの銀板を手がかりに、復讐のために共和国最大の祭典「帳」へと辿り着いた少女。蔑みの対象となる火の精霊を宿す彼女は、同じく火の精霊を宿す人々との見せ物の殺し合いに仇を探すために参戦します。個性的な火使いとの駆け引き、誰だか分からぬ同胞の仇の存在、歪みを抱えた国家、暗躍する別国など好きな要素盛り沢山で、好みにドンピシャな作品でした。登場人物が多かったですが、誰も一癖二癖あり、覚えやすかったです。話は綺麗に幕を閉じますが、彼女の進む未来は気になります。 続きを読む…
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製品情報
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レーベル
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発売日2022/01/20
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定価737円(本体670円+税)
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ISBN9784040744001
関連サイト
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公式サイト