あらすじ紹介
◆◇「このライトノベルがすごい!2020」(宝島社)文庫新作4位『キミの忘れかたを教えて』著者・あまさきみりとが贈る、先輩と僕のラブストーリー◇◆
幸運のイルカに出会えたら、片思いが動き出す――恋バナになると必ず話題になる噂話だ。
一笑に付していた僕・白濱夏梅の目の前に、イルカの髪飾りの似合う少女・海果が現れる。
髪飾りと噂話をこじつけるなんて……そう思っていた矢先、
「ここにいれば夏梅くんに会えるかな、と思ってさ」
大学進学で上京していた初恋の相手・広瀬春瑠先輩と再会し!?
昔のように遊んだり、勉強をみてもらったり――長年の片思いが報われるような時間。
「時々ね、キミが晴太郎先輩に見えるときがあるの」
でも、動き出したのは僕の片思いだけじゃない。
僕の亡き兄に恋していた春瑠先輩の片思いも、動き出してしまったんだ――。
みんなからのレビュー
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合縁奇縁
96『終わった初恋を、もう一度。』「幸運のイルカに出会えたら、片思いが動き出す」恋バナになると必ず話題になる噂話。一笑に付していた夏梅の目の前に、イルカの髪飾りの似合う少女・海果が現れる。それと同時に、上京していた初恋の相手・広瀬春瑠先輩と再会。海果が視えたことで止まっていた夏梅の片思いと、夏梅の亡き兄・晴太郎に恋していた春瑠先輩の片思いが強制的に動き出す。想いを埋め合う僕らの叶わぬ恋の三角関係の物語。高校3年生の夏梅は現在大学生の春瑠先輩に、拗らせた初恋を抱えており、 続きを読む…
ネタバレあり -
ナギ
52死んでしまった人には勝てないというのを嫌というほど感じさせてくれます。物語なので次巻以降で逆転があるんでしょうけど、リアルならどうだろう、延々と代わりを務めるような気もしますが、物語なので、主人公の良さを見つけるんでしょうね。それにしても重い。 続きを読む…
ネタバレあり -
芳樹
41高校生の少年・夏梅が初めて恋した少女・春瑠先輩の初恋相手は亡くなった夏梅の兄である晴太郎。「幸運のイルカに出会えたら、片思いが動き出す」という噂話が広がる木更津で、止まっていた片思いが動き出す。少し不思議なファンタジーテイストのラブストーリーです。片思いの初恋相手のためと思うことが、相手を初恋の檻に閉じ込めてしまう。なんという切ないすれ違いか。純愛文学の名手・あまさき先生の本領が発揮された名作。物語が決着していないように思うので、ぜひ続編をお願いします。 続きを読む…
ネタバレあり -
よっち
37幸運のイルカに出会えたら片思いが動き出す。そんな噂話を一笑に付していた高校生・白濱夏梅の前にイルカの髪飾りの似合う少女・海果が現れ、初恋の相手・広瀬春瑠先輩と再会する青春小説。大学進学で上京していた春瑠先輩の突然の帰郷。昔のように遊んだり勉強をみてもらったり、長年の片思いが報われるような時間の一方で、嫌でも分かってしまうもう一つの動き出した思い。いろいろ言い訳をしたくなる気持ちを乗り越えて、大好きな春瑠先輩のために奔走する夏梅が頑張りましたけど、背中を押してくれた切ない後輩ちゃんはもう一波乱ありますかね? 続きを読む…
ネタバレあり -
オセロ
33幸運のイルカに出会ったら片想いが動き出すーそんな都市伝説を巡る一夏の恋物語。 白濱夏梅がイルカの髪飾りをした少女に出会った矢先、進学で上京した夏梅の初恋相手の広瀬春瑠と再会した事で夏梅の片想いが動き出す一方で、春瑠の終わらない片想いも動き出す。 夏梅が春瑠のかつての片想いの相手で、今は亡き夏梅の兄の晴太朗の偽物を演じながら、止まっていた片想いの時間を埋めている一方で、春瑠に陽炎の夏が見せる晴太朗の幻。そして夏海に恋心を寄せる後輩の冬莉。そんな3人の恋の結末は是非とも自分の目で見届けて欲しいと思いました。 続きを読む…
ネタバレあり
みんなのラノベまとめ
製品情報
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レーベル
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発売日2021/09/01
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定価748円(本体680円+税)
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ISBN9784041112953
関連サイト
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公式サイト
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公式Twitter
パートナーのおすすめレビュー(宣伝)
好きな人には忘れられない人がいて…「叶わない初恋」が動き出します
春瑠さんはひとつ年上の大学生。常に明るく優しい彼女は、年上らしく包容力もあれば、イタズラっぽい一面も持つ可愛らしい女性です。でも、亡くなった想い人を忘れられない哀しい人でもありました。叶わない恋心を抱き続けるなんて、とてもつらいですよね……。
この想い人というのが、夏梅さんの兄・晴太郎さんなんです。夏梅さんはお兄さんに嫉妬や劣等感を覚えていました。自分は優れた兄の偽物に過ぎない……そんな葛藤もあり、夏梅さんは兄と同じような態度で春瑠さんに接してしまうんです。春瑠さんを想ってこその行動なのですが、皮肉にもそれが彼女の初恋を思い出させることに……。好きだからこそすれ違い、間違いを犯してしまう。青春の青臭さと甘酸っぱさが、詰まっているのが本作の魅力ですね。
地方都市ならではの佇まいの緻密な情景描写や、高校生三年という少年期の終わりの焦燥感が、登場人物の心情を通して痛いくらいに伝わってくる青春小説です。
拗らせた片思いと、叶わない初恋。切なくも複雑な三角関係だよ!
夏梅くんの街には「陽炎の夏」っていう噂……ううん、呪いがあるの。「陽炎の夏」は、亡くなった好きな人の幻影が現れる不思議な現象。ロマンチックな話だけど、幻影を見た人はその人の後を追うように死んじゃうんだって……。
この幻影を春瑠さんも見ちゃったの! 呪いを解く方法はたったひとつ。その人への恋心を忘れること。じゃあ、夏梅くんが新しい恋の相手になれば、春瑠さんの命は助かるんだね! ……だけど、その好きな人っていうのが夏梅くんが敵わないってずっと思ってたお兄さんの晴太郎さんなんだ。
春瑠さんを振り向かせるために、夏梅くんはいっぱいデートに誘うの。だけど晴太郎さんの幻影を見たせいで、春瑠さんの未練と片思いが再熱。晴太郎さんのことばっかり考えちゃって……。
叶わない初恋は、想いを縛り付けちゃう「呪い」みたいなものかもしれないね。過去を振り返ることも大事だけど、前を向かなくちゃいけないってことをこの作品に教えてもらったな。