みんなからのレビュー

• 海猫

  2021/08/24

  94

  最終5巻は文庫本がどおおん！と厚いが、中身も濃い。ストーリー性が高く、一気読み。前半はヤキモキするパートが多かったけれど、中盤でのクロトの言動行動にはテンションが上がる。なるほど、だから帯の惹句が「「男の子はな、好きな女の子のためなら、世界をぶっ壊していいんだ」なのね。主人公が覚悟を決めた後は、怒涛の空戦シーンに突入。有能な提督が統率する敵の大艦隊。それを捨て身で突き破る決戦が熱い。山場は盛り上がるし、終盤のお話の畳み方が泣かせる。途中で胸掻きむしられる瞬間はあったものの、爽やかに本を閉じることができた。 続きを読む…

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• なっぱaaua

  2021/08/29

  43

  一つの物語が終わった。絶望の中から目指す微かな希望の光。クロトとイザヤはそこに行き着いた。しかしそこに辿り着くには多大な犠牲が必要だった。１巻から容赦なく退場につぐ退場を繰り返してきた。この最終巻でも次から次へと登場人物は消えていった。表紙の彼女に至る迄は地獄を通るしかなかった。そういう意味でも生き残った命は大切にしなければならない。速夫、よくやった。ユーリもよくやった。クロト、イザヤ、リオお幸せに。 続きを読む…

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• よっち

  2021/08/18

  39

  巨大凶悪な飛行戦艦「ベヒモス」を建造し、日之雄に迫るガメリアの新公洋艦隊。残された数少ない戦力で司令長官になったイザヤと参謀のクロト、これまで共に生き延びてきた乗組員たちが絶望的な戦いに挑む第五弾。連合艦隊を瞬殺した新公洋艦隊の東京侵攻。圧倒的戦力差の中で勝機を見出そうとするクロト、要求を突きつけられて葛藤するイザヤ。そんな彼女を放っておけないクロトの熱い想い、そしてスパイとして大活躍したユーリや、愛すべき乗組員の野郎どもの奮闘があって、激動の展開を乗り越えた先にあった結末にはぐっと来るものがありました。 続きを読む…

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• オセロ

  2023/05/04

  37

  めちゃくちゃ面白いだけでなく切なくて、そして感動がありました。 イザヤに対してカイルが婚約と引き換えに終戦を持ちかけるだろうなという流れは1巻の時点から予想出来ていたものの、いざ直面するとなかなか残酷だなと。そんな条件に揺れるイザヤに想いを伝えるクロトの熱意も、クロトの戦う意味を問う演説も、そうして改めて築かれる水兵達の絆にはグッときました。あとがきにある通りの人間賛歌に相応しい結末で、このような素晴らしい作品に出会えたことに最大限の感謝を。 続きを読む…

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• たか厨

  2021/10/12

  35

  2021年8月刊。高空に特殊な層が存在するため、飛行戦闘艦が活躍できる世界での大戦を描く戦記ラノベ。シリーズ完結巻。私、前巻の感想で「あと一冊で終わるの？」という疑問を呈しましたが、本巻での「これ以上はない」ぐらいの見事なまでの着地ぶりには感嘆しました。本シリーズが、太平洋戦争を模した戦記ものと最初に知った時は、「大丈夫か、それ？」と色々な面から、危惧したものです。しかし、そんなつまらない危惧や先入観を、筆者は見事な筆致とストーリーテリングで吹き飛ばしましたね。（続） 続きを読む…

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