あらすじ紹介
時は延暦十二年。大和朝延と東北地方に棲む蝦夷とは長い間、戦いを続けていた。蝦夷はカムイの力を借り、大和の軍を翻弄し、戦いは膠着状態に陥る。そこで、大和朝延は対カムイの切り札として陰陽師の流れをくむ呪禁道の者たちを蝦夷征伐の一部隊として組織した。父をカムイに殺された徳紅明は仇を討つため呪禁道士隊の一員として坂上田村麿に従い、蝦夷征伐に出る。しかし、紅明は東北で蝦夷の人たちと出会い、暮らしぶりを知るにつれ、蝦夷征伐に疑問を抱くようになった。はたして紅明は疑問を抱いたまま蝦夷と戦うことができるのか?この蝦夷征伐に隠された陰謀とは何か?第三回ファンタジア長編説大賞準入選作。
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紫
0およそ十数年ぶりの再読。時は七九三年、大和朝廷の蝦夷進出という史実を呪術戦を通して描く、骨太の歴史ファンタジーであります。とってつけたようなコメディ描写は一切なし。二十人近い(!)主要キャラを縦横に動かしつつ、大和vs蝦夷の戦いとはどのようなものだったかを丁寧に描くことで単純な勧善懲悪に陥ることを避けたストーリーは、フィクションで歴史を描くとはどういうことかというお手本そのものです。また少年の成長物語としても秀逸。坂上田村麻呂、アテルイに意外な悪玉の正体等々、実在の人物や史実のからませ方も巧い。星5つ。 続きを読む…
ネタバレあり
製品情報
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レーベル
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発売日1993/04/25
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定価534円(本体485円+税)
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ISBN9784829124963