あらすじ紹介
「私の噂は――知っているでしょう?」
僕が炭風凌香に話しかけられたのは、高校からの帰り道だった。
彼女が援助交際をしているという、おそらくは、根も葉もない噂。
炭風は僕に、クラスで自分にその真偽を尋ねるよう依頼してきた。
皆の前で否定することで、噂の終息を早めようとしているのだろう。
そう考えた僕が翌日実行に移すと、彼女はなんとその噂を肯定する。
放課後、見知らぬ男性といる炭風の姿を見かけて、僕は後を追った。
そして目にしたのは、立ち尽くす彼女と、倒れている男性の姿。
炭風によれば、彼女は『月』に呪われており。
彼女を好きになった人間は、呪いにより死んでしまうそうで――!?
みんなからのレビュー
-
よっち
36援助交際をしているという噂の炭風凌香にクラスで自分にその真偽を尋ねるよう依頼された涼間鈴樹。不可解な言動の凌香に疑問を覚えた後を追った涼間が彼女の秘密知ってしまう青春小説。凌香によって明かされる彼女に性欲を抱いた人間は死んでしまう『月』の呪い。月の呪いを掛けられた凌香の背景はシリアスですが、表情に乏しそうな凌香なのに涼間に対する態度や言動はどこかじわじわくる感じで、呪いの原因である月もなかなかお茶目で、そんな彼女たちの素顔を引き出してみせた涼間の真摯に向き合おうとする姿勢が何かとてもいいなと思えましたね。 続きを読む…
ネタバレあり -
ひぬ
26自分を好きになった人間が、死んでしまうという呪いを持つ少女・炭風の呪いを解くために動く主人公と、月の物語。序盤はかなりミステリアスな雰囲気を醸し出していましたが、設定の割には思ったよりライトタッチの話で、ラブコメが主だったのは肩透かしを食らいましたが、面白かったと思います。ストーリーは割と起伏に乏しい印象でしたが、ギャグやネタも程よく挟めれており、炭風と主人公の掛け合い、そして月を交えた会話の応酬は面白かったです。全体的にちょっぴり不思議な物語でした。 続きを読む…
ネタバレあり -
日坂愛衣
19紹介を見った時はもしかしてこれはファンタジーなのかちょっと心配した、でも読んだ後はわかる、これはただの高純度な一筋なラブコメ。涼間や凌花はただの不器用ないいやつだ、特に涼間が好きな女の子のためにひたすら頑張る姿はとても素敵。そして二人の掛け合いは終始ニヤニヤしながら眺めています(特に二人のギャグやネタが面白い)。そして何より脇役のかぐや様と後輩ちゃんも単純に優しい人(星?)ばかりで読み心地がいい。確かに十分愉快な作品と思うw 続きを読む…
ネタバレあり -
げんごろう
17クラスメイトの美少女にかけられた“月の呪い”を巡って繰り広げられる青春恋愛物語。 落ち着いた雰囲気でシリアスチックなストーリーですが、少年少女の軽快な会話劇が面白く、ライトな読み口で楽しめました。 ヒロインの為に奮闘する主人公にも好感が持てましたし、続編が出るなら読んでみたい作品です! 続きを読む…
ネタバレあり -
TERU
14『遥かなる月と僕たち人類のダイアログ』 読みました。 学校内で援助交際の噂が立っている炭風(ヒロイン)の後を追っていくと、路地裏に大人の男性と入っていくところを目撃する。噂は真実なのかと続けて路地裏に入っていくとそこには... 倒れている男性の側に立つ炭風の姿。話を聞いてみると、彼女は『月』に呪われており、彼女を好きになった人間は、呪いにより死んでしまうらしいのだが・・・ 自分に恋した人間は死んでしまう呪いを持つ少女との出会いから始まる物語。 続きを読む…
ネタバレあり
製品情報
-
レーベル
-
発売日2021/02/02
-
定価726円(本体660円+税)
-
ISBN9784065221952
パートナーのおすすめレビュー(宣伝)
呪いがテーマなのに軽妙な会話劇、一味違うラブコメです。
ヒロインに呪いをかけた犯人は月、そう、あの夜空に浮かぶお月様です。人に呪いをかける月とは、なんて恐ろしい存在なんでしょうか……! そう思いきや、月の正体はコンビニのホットスナックが好物の可愛らしい女の子。ヒロインと出会った時も「さあ、願いを言え」とまるで神龍みたいなセリフで声をかけてきたそうです。呪いだなんてホラーなお話かと思いましたが全然違いました! 登場人物達のシュールな会話に何度もクスっとしちゃいます。
そしてヒロインは過去のある出来事をきっかけに、自身を許せなくなるほどの自己嫌悪に陥っていたことが明らかになります。実は呪いをかけられることを望んだのはヒロイン自身であり、月も善意でヒロインの願いを叶えていたんです。人間好きな優しい神様ならぬお月様ですね。
主人公もまた、ヒロインのために命がけでヒロインの呪いと向き合います。過去の呪縛にとらわれた少女を救うために登場人物達が行動する、悪い人が出てこないとっても優しいお話ですよ!
意識したら死んじゃう!! 2人の会話は色んな意味でドキドキ。
炭風さんの事情を聞いた涼間君は、呪いを解くための力になりたいって思うんだ。だから炭風さんの信用を得ようとするんだけど、好感度不足でなかなか信じてもらえないの。しかも炭風さんは普通のやり取りや会話の中で、涼間君にしなだれかかってきたり、胸を押し当ててきたり、色仕掛けで呪いが発動するようし向けてくるんだよ! 炭風さんの大胆な行動にドキドキしちゃうけど、ドキドキしたら涼間君が文字通り「キュン死」しちゃう……!
呪いで死んでもすぐに体は元通り生き返ることができるけど、記憶は失っちゃうから彼女をそういう目で見るわけにはいかない。涼間君と炭風さんのパロディネタ満載な楽しい掛け合いは、常に緊張と緩和の連続で目が離せないんだよ!