その色の帽子を取れ Hackers’ Ulster Cycle
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その色の帽子を取れ Hackers’ Ulster Cycle

彼らが選ぶのは秩序を守る白の帽子か、それとも混沌をもたらす黒の帽子か。
著者: 梧桐 彰 (著者) / O-sd! (イラスト)
シリーズ:その色の帽子を取れ(電撃の新文芸)

  • BOOKWALKER電子版
  • Amazon紙書籍

あらすじ紹介

東京オリンピックを控え、加速するサイバー犯罪に対抗するため、高度な知的人材が求められる東京にて。クー・フーリンというサイバーセキュリティ製品をあつかうショウは、かつて同僚だったサクを探していた。
 サクは優秀な開発エンジニアだったが、彼の失踪により会社は解散し、残された仲間も違う道へ進んでいた。ある日、ショウは知人に紹介された仕事を進める中、仮面に義手と義足という異様な姿の女性からサクの情報を得ることに。
 廃屋に住む闇医者、落ちぶれたかつての上司、新型の拳銃をあつかう非合法員、さまざまな仲間に支えられ、ショウはサクに再会する。しかし、彼は――。
 職業を決めることは人生を決めること。そう信じた親友同士の別離は、やがて大きな悲劇へつながっていく。
 情報処理安全確保支援士、JNSAメンバーの現役サイバーセキュリティエンジニアによる、既存技術のみで描いたハッカーたちのドラマ。

パートナーのおすすめレビュー

  • つむぎ
    つむぎ
    このお話を執筆された梧桐彰先生は、作家さんでありながら、サイバーセキュリティの実務者でもあるんです。その知見が存分に活かされた、リアリティあふれるお話には引き込まれちゃいましたね!

    かつて多くの企業へ実際に被害をもたらした、ランサムウェアのお話が出てきたりなど、この物語に出てくる事件の多くは、現実で私たちが体験してきた出来事そのものです。作中のサイバー攻撃も、「世間がテレワークに切り替えていく中、社外へ一切の情報を持ち出せなくなる」なんて表現されたりと、このお話の舞台は、現代のまさにこの時なんですよね。東京を舞台に具体的な地名もたびたび登場するので、今もどこかで物語の登場人物たちが本当に暮らしているのかな、なんて、心地よい没入感を覚えちゃいました。

    そして、現実に即した精緻な描写が生み出すのは、サイバーセキュリティという耳慣れない分野の事件における、真に迫った迫力です。東京に旅客機が落ちてくるなんて大惨事にも、そこに至りうる道程がしっかりと描かれていて、現実でもこんなことが起こるかもという真実味にあふれているんですよ。クライムサスペンスにふさわしい、新鮮な驚きとドキドキが止まりませんでした……!
  • レオン
    レオン
    主人公は親友のサクとともに、知る人ぞ知る極めて優秀なサイバーセキュリティ製品の開発に携わっていたんだ。高校生時代に出会ったふたりは、お互いの長所短所を補うように支え合い、大学生にしてオリジナルソフトウェアの開発に成功。世の中に認められたときには一緒に喜んでと、彼らの関係は同じ仕事に生きる親友として本当に素敵なものだったんだよ。

    でも、突如失踪したサクが次に姿を現したとき、彼はブラックハッカーとして、飛行機墜落事故や都市インフラの停止、信号の作為的操作による事故の誘発等、サイバー攻撃によるテロ活動を辞さない人間になっていた。なぜかって? 作中ではサイバーセキュリティを生業にした者として、信念を貫いている結果なんだって明かされているけど……自分の人生の大半を――場合によっては全てを捧げるものと考えれば、仕事ってある意味それだけ重いものなのかもしれないね……。

    サイバーセキュリティに人生を捧げた者として、信念のためには旧知の人間すら殺す。倫理的には受け入れられない価値観だけど、だからこそ、サクの想いは果てしなく純粋なんだ。現代の倫理を超えた場所で繰り広げられる、仕事への向き合い方や、親友との命懸けのぶつかり合いは、サイバー世界が舞台でありながらどこまでも人間的。心の深いところにぐっとくるお話だったな。

みんなのデータ

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みんなからのレビュー

  • あおやまみなみ

    サイバーセキュリティに関わる2人の男、ショウとサクの話。 2人とも真っ直ぐなところが良いです。 序盤からは想像もできないラストの熱量にやられること間違いなしです。映像で見てみたい。 特に第4章の最後の方の濃密さがすごい。アルトさんがカッコ良かった。 続きを読む…

    ネタバレあり
  • 朝子

    【非IT人の雑感】あるメディア書評と「既存技術のみで描いた…」の文句に惹かれて読了。端的に表現できずに歯がゆいけれど、余韻は被災シミュレーション番組の視聴後に近い。筆者が「今俺たちがが住んでいるのは、ハッキングで人が死ぬ世界なのだ(p331)」という危機を、読者に警告することに徹した作品。目視不可能な危険に対して、私はいかに無防備かを思い知らされた。IT技術に留まらず、見聞きしたことのある現実で実際に発生したサイバー攻撃事件、実在するセキュリティー他IT企業に触れ、易しい説明も欠かさないので、 続きを読む…

    ネタバレあり
  • メメントモリ

    現役サイバーセキュリティエンジニアが、既存技術のみで描いたハッカーたちのドラマって……マジか😱 ほんと些細なきっかけで、この物語が現実になると思うと色々怖くなる😱 でも、物語として見れば機械に全然詳しくなくても楽しく読めて面白かった! 高度なセキュリティ製品を仕事で取り扱う主人公は、その製品を共に作り出し、今は行方不明の友人を探している。 主人公が巻き込まれていくサイバー事件。その裏には行方不明だった友人の影が… 同じ著者でブラックハットサイドを主軸に描くとどうなるのか見てみたい気もする。 続きを読む…

    ネタバレあり
  • ちゃか

    学生時代に出会った友人、サクと一緒にIT分野を学んでいったショウ。 サクが天才的な技能で作り上げたツールを、ショウが営業していくというスタイルで、二人は、順調に成長していたはずだった。 しかしある日サクは失踪し、シュウは失意の中で怠惰な生活を送ることに。シュウの葛藤っぷりは中々のモノで、うじうじしてるな……とは最初ちょっと思いましたけど。 それだけサク相手に真摯だったからこその最後なんですよね。読み返すと印象変わりそう。 続きを読む…

    ネタバレあり
  • お咲さん

    セキュリティ製品を扱うショウは忽然と姿を消した親友サクを探し続けていた。だが、その先に待ち受けていたのは想像を絶するような悪夢でーー近い未来に起こり得そうなサイバーテロは読んでいると非常にリアルで恐怖を煽る。我々の世界は薄い氷上に打ち立てられたものであるとまざまざと突きつけられる。ITは使い方を誤れば簡単に人間を殺し、社会を崩壊させる。それを御するは秩序を守る心、愛なのかもしれない。ライト文芸とは思えない重みのあるハードボイルド小説でした。 続きを読む…

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製品情報

  • レーベル
  • 発売日
    2020/11/17
  • 定価
    1430円(本体1300円+税)
  • ISBN
    9784049133295

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