このぬくもりを君と呼ぶんだ
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このぬくもりを君と呼ぶんだ

地下都市で生きる少女レニーは、ある日不良少女のトーカと出会う。彼女と過ごす日常は全てがフェイクの街で唯一、リアルの手触りで。けれど謎の発火体『太陽の欠片』が降ってきて、日常は音を立てて崩れ始める――。
悠木りん (著) / 仲谷 鳰 (イラスト)
シリーズ:このぬくもりを君と呼ぶんだ(ガガガ文庫)

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あらすじ紹介

繋いだ手のぬくもり。これはきっとリアルだ

「この雨も、風も、空も全部。もうずっと昔に地上にあったものを再現してるだけ。ただのフェイクじゃん」

有機ディスプレイは偽物の空を映し、人工太陽の光が白々しく降り注ぐ地下都市『Polis-UK8』。この全てが人の手によって作られたフェイクタウンで生きる十六歳の少女・レニーは、周りに溢れるフェイクを嫌い、リアルな『何か』を探している。

そんなレニーが出会ったのは一人の少女・トーカ。サボリ魔で不良少女たるトーカに、レニーは特別な『何か』を感じ、一緒の時間を過ごすようになる。

ある日、レニーの前に空から謎の球体が降ってくる。まるで太陽のように真っ赤に燃えていた小さなそれを、レニーは『太陽の欠片』と名付け正体を探ろうとする。

一方その頃、トーカの方でも何やら変化が起こっていて、二人の日常は音を立てて崩れ始めていく―― 。

「きっと隣にレニーがいるから――こんな毎日なら、あたしは悪くないと思えるんだ」

いつかトーカが言った言葉。あれはフェイクだったの? それとも――。

第14回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作!
地下都市に生きる二人の少女のリアルとは――ガールミーツガールから動き出す、青春SFストーリー!

【編集担当からのおすすめ情報】
第14回小学館ライトノベル大賞の優秀賞受賞作品!
ゲスト審査員を務めていただいた若木民喜先生からは「この物語は切なくて煩悶しました」との講評を頂いた青春SFストーリー!

百合好きの担当編集としては「この面倒くさい女同士を見てくれ!」コレにつきます!
若いからこそ見えてしまう景色――偽物だらけの世界で生活する少女たちの悩みと、その悩みに真っ向からぶつかって行くアツさがあります!
著者の悠木りん先生は本作品でデビュー。キャラクターの会話や物語の展開をきっと好きになれると思います。
イラストをご担当いただいたのはアニメや舞台化もされた大人気作品『やがて君になる』(電撃コミックスNEXT刊)の仲谷 鳰先生!
地下世界という閉塞的な世界で生きている暗さを感じさせないようなキャラを活き活きと魅力的に描いてくださいました!

これがガガガ文庫の「百合×SF」の最前線です。
どうぞお楽しみください!

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みんなからのレビュー

  • 黒瀬 木綿希(ゆうき)

    食料は合成品。青空は有機ディスプレイでその上にはかつての人類が暮らしていた地上。そんなフェイクに塗れた遥か未来の地下都市で生きるはサボリ魔で不良少女のトーカと本物を求めるレニー。ずっと続くと思われていた日常は赤く燃える太陽の欠片で脆くも崩れさる。かけがえのないものなのに時には面倒に感じる友人関係の儚さと繊細な感性、ふとしたボタンの掛け違いがチクチクと胸を指すように描かれていて尊い。 青春SFと銘打っているだけあって随分と進んだ技術に溢れた世界だけれど、この作品のように人の本質は変わらずにあってほしい。 続きを読む…

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  • よっち

    オゾン層が破壊され人々が地下に住むようになった世界。地下都市に住む十六歳の少女・レニーが、サボリ魔の不良少女・トーカと出会う近未来青春小説。周りに溢れるフェイクを嫌ってリアルを探しているレニーと、他の友人とは違うトーカと過ごすようになる日々、空から降ってきた謎の球体「太陽の欠片」。閉鎖的な空間に生きる人々の意識と、不器用ゆえにすれ違ってゆく二人、そして不安を抱えるレニーと太陽の欠片の行方がどこに行き着くのかドキドキしながら読みましたが、しっかりと向き合い希望ある未来に繋がってゆく優しくて素敵な物語でした。 続きを読む…

    ネタバレあり
  • 芳樹

    地上に住めなくなり、人々が地下都市で暮らす世界。そこは全てが地上を模した『フェイク』でできた世界。そんな世界で暮らす『リアル』を求める少女と、全てから目を背ける少女のガール・ミーツ・ガール。思春期特有の悩みを抱え、ときに近づき、ときにすれ違いながら絆を深める二人の恋のような友情を描いた物語でした。青くて痛い、まさに青春。仲谷鳰さんのイラストと巻末コミックも世界観をよく表現している素敵な小説でした。 続きを読む…

    ネタバレあり
  • ツバサ

    あらゆるものが作りものめいた世界を嫌うレニーが周りに受け入れられなくても何か人を惹きつける芯があるトーカと出会うことで、退屈な日々が変わっていく。現実は虚しく、もどかしい気持ちを抱えていた2人が己の気持ちや相手のことを思っていくことで開けた道は応援したくなりました。 続きを読む…

    ネタバレあり
  • のれん

    イラストが『やが君』の作者の時点で購入決定。しかも百合だし。 ただ内容としては少し淡泊気味だったかも。閉塞された地下世界を感じさせない演出の空を見て、リアルを感じたいと思う。 これに私が共感するのは、現実も同じ人工による閉塞感があるからだ。ただしこの対立構造は古くからあるイメージだし、そこからの脱出に友愛を求めるのはなんかまた違う。 SFの設定と彼女たちの関係性、そしてそれを繋ぐリアルなもの。それらの組み合わせがチグハグだった印象。 素材はいいと感じたのだが。 続きを読む…

    ネタバレあり
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製品情報

  • レーベル
  • 発売日
    2020/07/17
  • 定価
    704円(本体640円+税)
  • ISBN
    9784094518542

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