あらすじ紹介
「さすが殿下! これが狙いとは!」
「どこまでもついて参ります!」
「殿下!」「殿下!」「殿下!」
『(一体どうしてこうなった!?)』
資源も人材も兵力もない弱小国家を背負うことになった若き王子ウェイン。
文武に秀で、臣下からの信頼も厚い彼にはひそかな願いがあった。
「国売ってトンズラしてえええ!」
そう、王子の本性は悠々自適の隠居生活を目論む売国奴だったのだ!
だが、大国に媚びを売ろうと外交すれば予期せず一方的に利益を手にし
隣国との戦争で程よく勝とうとすれば大勝利。名声は上がるが売国は遠のき、
臣民はイケイケ状態で退くに退けない!?
天才王子による予想外だらけの弱小国家運営譚、開幕!
みんなからのレビュー
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岡本
98Kindle。展開が早く主人公の想定の斜め上の結果が転がり込む様子が面白い。転生系では無いので現代チート等は無いものの、補って余りある主人公の聡明さの背景が気になる所。特に背景が無いなら只のご都合主義だが。次巻以降も読み進めていこう。 続きを読む…
ネタバレあり -
S.T.
72期待出来るファンタジーの新作がまたしても登場!作者は国家運営モノと言ってるけど、1巻に関しては完全にファンタジー戦記。昨今の戦記モノは、ガチのタイトル名つけてガチの雰囲気でやると中々続かないから、いかにも今風のタイトルと一見やる気のない主人公の性格で上手くカモフラージュしてる感じ。でもいざ読んで見ると完全に好みど真ん中のファンタジー戦記という…最高か!同レーベルの『我が驍勇』の成功を参考にしたのかな?試し読みで当たりをつけたのは間違いではなかった。望まざる名君への道を歩み始めたウェインの更なる活躍に期待! 続きを読む…
ネタバレあり -
すがはら
68「楽したい」と言いながら人一倍働いてしまう王子様の話。いちいち凄い実績を出すからダメなのに、真面目で人の期待を裏切れない律儀さがいけませんね。本人の目論見とは逆に周囲の評価がうなぎ登りになっていく様子が愉しい。名君と言われた人たちも裏ではこんな風に、仕事終わらねーと愚痴ったりしてたのかもとちょっと想像してしまいました。 続きを読む…
ネタバレあり -
オセロ
65資源、資金、そして人材のどれもが不足している貧民国家ナトラ。病床の国王に代わって摂政になったウェインの弱小国家運営譚。 文武に才能が溢れ、臣下からの信頼も厚いウェインが上手いこと売国の流れに持っていこうとするのに、何故か本人の意思とは真逆に事が進む流れはなかなか面白かったですね。 そして、そんなウェインを支える二ニムとの関係も気になるところ。続きが楽しみです。 続きを読む…
ネタバレあり -
むっきゅー
65売国というと卑怯なイメージがあるが、本作はどちらかというと「M&A」、起業家が高値で会社を売却するイメージですね。北の貧乏国・ナトラ、国王の急病で全権を任された摂政のウェインが主人公。政戦両略の天才だが、国を高値で売却し悠々自適の生涯を送るのが夢の16歳。腹心で幼馴染の少女ニニムとともに、売国に向けて策略を巡らせる。しかし、結果はどんどん逆方向に進み、戦争すれば連戦連勝、臣下の絶大な支持を集め、国民や敵国の民にまで名君と慕われる始末。なんで、こーなった?!ニニムとの会話やウェインの心の声が傑作!(笑) 続きを読む…
ネタバレあり
みんなのラノベまとめ
製品情報
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レーベル
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発売日2018/05/14
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定価660円(本体600円+税)
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ISBN9784797397031
パートナーのおすすめレビュー(宣伝)
ラノベ史上最高の売国奴による「こんなはずじゃなかった」国家経営物語!
読者の期待も高まりそうな状況で、彼が打ち出した驚きの結論は「無理だから、いっそのこと国を売って隠居しよう」。ざ、斬新な解決方法ですね……。
そして物語は国家運営ものジャンルのなかでは異色ともいえるゴールを目指して走り始めます。
まず王子は、いかに争わず、大陸統一をめざす帝国に併合してもらえるか、さらには自国の軍部から反発されずに事を進められるかを真剣に考えるんです。
国政を預かる摂政が実は「国を売ること」を前提に帝国との外交の席につくなんて、誰も思いませんよね……!
そんな王子のまえに、次々と計算外の事態が発生します。ただ、それらはすべてナトラ王国再生のチャンスとなるものばかり。本来喜ぶべきことですが、隠居したい王子はひとり「どうしてこうなった!」と絶叫する日々です。
権謀術数はお手の物。頭の回転も早く、アドリブにも強い。だけど、ちょっぴり間が悪い。ラノベ史上類を見ない売国奴な王子様を、あなたも気づけば好きになっているはずですよ!
国力増加で臣下は大喜び!でも為政者はがっくりで…
とはいえ、貧乏国家で金のかかる戦争を長く続けたくはないッスからね。ウェインは「ほどほどの勝利」を得てさっさと講和に持ち込む狙いッス。
……けど、そう上手くいかないのが世の常ッスよねぇ。
なんせ、ウェインは末端の兵士一人ひとりの名前すら記憶しているほどの気配り屋。売国願望さえバレなければ、極めて人望の厚い男なんスよ。要は王子に勝利を捧げたい兵士達の士気が異常に高いってわけッス。それにウェインの軍略が組み合わさったら……ほどほどの勝利って、逆に難しくないッスか?
ウェインの思惑に反して、ぐんぐん国力を増していくナトラ王国。その分、ウェインの仕事も心労も増加ッス。けど、弱小国家として辛酸を舐めてきた臣下たちが喜ぶ姿を見ていると、主人公の思い通りにならない展開を、読者は気づけば望んじゃってるんスよね。そんな倒錯した読書体験が味わえる小説ッスよ、ニシシ。