あらすじ紹介
今日も道化の声が都の大路に響く。曰く、「この世は、ただ一夜の夢」、と。兄の名はヴァルキール。ガゼルーン帝国皇帝である。妹の名はアイーシア。自身の兄に、北の最果てに放逐された前皇帝である。時にヴァルキール二十歳、アイーシア十八歳のことであった。このままヴァルキールが天下を握ると思われたが、狩る者は常に狩られる者でもある。日々流転し紡がれていく運命の糸は、やがて二人のみならず、大陸全体を飲み込む巨大な潮流を形づくっていくのであった……。響くのは楽しげな道化の囁き。 「よい夢を」 戦塵外史シリーズ、堂々の最終巻! ※電子版は文庫版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください
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みんなからのレビュー
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紺
4素敵なイラストと評判に惹かれて購入。魅力的なキャラ、読みやすい文章、すっきりしてる展開。 個人的に稀に見る良作、シリーズ全部集めようと思う。 テーマに人間賛美が含まれる作品はいい。それは人と人との繋がりだし、物語の熟成だから 続きを読む…
ネタバレあり -
あとにいく
3戦塵外史、ひとまずの最終巻。二つに割れた帝国を両方の視点から見つつ、それぞれの国の皇帝と忠臣を描いた二つの中編。片方は『八の弓、死鳥の矢』で狙われたあの女帝である。とてもいい子。で、道化である。ほぼ片方の話にしか登場しない、謎の道化。とても重要な役割を担うのだけども、表紙の微妙な位置に描かれていることが示すかのように、ネタバレながら正体が隠されたまま終わってしまう。この人物に関する謎をあえて解かないところに、花田一三六の作家性というか、特徴的な欲の無さがあるように思える。そんな作品。楽しかった。 続きを読む…
ネタバレあり -
kanapi
3シリーズのトリにふさわしい内容でした。あと既刊エピソードへの言及もあって読んできたファンには嬉しいところ。 歴史の表舞台ではないけれど、その時代を生きる人々の、その人にとっての一世一代の舞台。そういう物語を重ねてきたシリーズのトリはやっぱり、シリーズの表の歴史の中心人物アイーシアの、彼女自身を描いたものだった。その現世と対比して描かれたヴァルキールのほうも面白かった。 続きを読む…
ネタバレあり -
おーた
3仮想歴史読み物のシリーズの6巻目。 北の地に追われた先帝の少女が飾り物の兄帝と黒幕の宰相を倒して玉座に返り咲くまでを、兄側からと妹側から描いた物語。 奸臣の策に嵌まって実権を失い、才覚を発揮できず道化として生きるしかなかった悲しい王。 忠臣に支えられて王器を咲かせる少女と、生涯をもって仕える主を得た忠臣と、二人の間にある深い信頼。 歴史ドキュメンタリーのような語り口で描かれる物語は、思わず引き込まれてしまう。 もっといろんなエピソードを読みたく思うのだが、今回で一応の区切りというのが残念。 続きを読む…
ネタバレあり -
あでゅ
3面白かった。ひとつの玉座をめぐる兄弟の話。前半と後半でがらりと雰囲気が違う。どちらの話も魅力的で、兄視点ではアイーシアが恨めしく、逆に妹視点では次々と帝国(兄)側を圧制していくのが嬉しかったので複雑な気分。それにしても前巻に引き続き大人×幼女とか、少女皇帝×園芸少年とかどんだけ萌えツボつついてくるんだうおおおお! 道化もいいキャラだったな。それにしても強すぎである。 続きを読む…
ネタバレあり
製品情報
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レーベル
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発売日2011/08
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定価825円(本体750円+税)
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ISBN9784797360820