あらすじ紹介
男の武骨な斬撃が、追っ手の生命を頭蓋ごと押し潰す。次々と。なんの躊躇いもなく。男の桁外れの強さに、まだ10歳の少女は息を呑んだ。少女は男を「大男(ガーヴ)」と呼び、男は少女を「小娘(シャール)」と呼んだ。お互いの素性も、名前すらも判らない。いや、むしろそれは邪魔になるだけだ。用心棒と、その雇い主。その関係だけがあればいい。 男は喋らない。頑強な筋肉で覆われた巨躯が、ただ分厚い足音をシャールの後ろで響かせるばかりだ。この男とならもしや。そう、シャールが考えた時、一目で手練れと判る、細身の双剣使いが彼らの行く手をゆらりと阻んだ……。 戦場の匂いを漂わせて「戦塵外史」第5弾、ついに登場! ※電子版は文庫版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください
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みんなからのレビュー
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蒼色
2大陸物で一冊丸々使った長編(中編?)形式は『野を馳せる風のごとく』以来か。本編の骨太さ、切れ味、ハッタリ具合の面白さは今更語るまでもないのですが、今作では「昔の回想録を筆者が現代訳で紹介する」という、佐藤賢一『カルチェ・ラタン』的体裁の面白味を積極気的に取り入れているのにもニヤリとさせられたかな。これまでのシリーズと細かくリンクしている部分も多かったですしね。つーか、アレは解説読むまで気が付かなかったよ(笑)。 続きを読む…
ネタバレあり -
set-you
1終わってみれば安定の出来だった。各巻毎に趣向を凝らし、王道の時代物戦記物でありながら実験的要素を多く取り入れてるという面白みのある戦塵外史だが、今回はその成否が大きく別れてたと感じた。成はそのメタな構成。これは一巻から見られる手法であるが、偽史があり、その偽史について書いた偽書の体を取るというスタンス。これを上手く活かして全体の読み味を整えている。否は文体。これも試行錯誤の現れなのだろうが、短い単語に句点を付け矢継ぎ早に描写するという手法。臨場感を、と言う事なのだろうが、頻度も相まって失敗してた気がする。 続きを読む…
ネタバレあり -
kogiku
1これがこうつながるのか!という爽快感。献辞が最初違和感あったんだけど、それも終わってみるとそういうことなのね、と思う。 続きを読む…
ネタバレあり -
紺
1小さな少女が傭兵を雇い、追っ手のかかる危険なたびをする。行く手を阻む凄腕の双剣使い。旅の安否は、そして目的は。良くも悪くも平坦な文章が特徴的、他の著者と違った独特なテンポで文章は進む。どこか新鮮だが、戦闘シーンなどスルスル読んでしまうと状況が分かりにくいところがあった。少女と雇われた男のやり取りはあまり少ないのだが、だんだん少女の方が男のことが分かってくるのか、描写が増えてくるのが面白い。最後はあんなことになるなんて・・・。密偵にも傭兵にも、人の優しさが垣間見られるのが温かい 続きを読む…
ネタバレあり -
甲
1スニーカーで野を馳せるが出た頃から読んでるのに、部下のあの人だと気づいたのは最後のほうでした。ゼシュトかっこいい。 続きを読む…
ネタバレあり
製品情報
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レーベル
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発売日2010/06
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定価660円(本体600円+税)
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ISBN9784797360110