あらすじ紹介
交際していた男性のプロポーズを、私、ミナ=アリス・原田は「父を置いていけない」という理由で拒絶した。私が五歳のときに死んだことになっている父、原田詩也は、不老不死の吸血鬼だ。母と出会い、恋に落ち……けれど母は、父のそばにはいられなかった。だから私が、ずっとそばにいる。そのために私はある決意をした。父を置いていった母に、負けたくなかった――。
運命と別離、超克、そして永遠の恋。娘の視点から綴られる、ある吸血鬼の過去と現在の物語。
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みんなからのレビュー
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文庫フリーク@灯れ松明の火
114「わたしの代りに、未来を見てね」「おまえが永遠に生きるなら、俺をおまえの心の中に永遠に置いてくれ」5巻打ち切りで未完と諦めていた『吸血鬼になったキミは~』最終巻。小4・亜璃子の健気さと、雫ですら知らなかった九郎の心を吐露する舞台『あやかし姫の恋』等、各1章とは勿体ないほどの濃密さ・切なさ。吸血鬼設定は別として、名作文芸と演劇・舞台の相性は抜群。野村美月さんの力量ならいっそ『文学少女』ならぬ『演劇少女』シリーズはどうだろう。【僕らの出逢いは 大きな世界で小さな出来事 巡り逢えた それって奇跡】→続 続きを読む…
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ひめありす@灯れ松明の火
76書きたい、と思った。酷く乾いた様に、飢える様に。血を求める吸血鬼の様に。彼女の物語を。野村美月という人の物語を。温かさと切なさを内包させた黄金色の午後。一篇の救いもない雨の夜。眩い光の舞台上。人のあらゆる喜怒哀楽。おそらくは愛する事の全て!相反する優しさと激しさを綴り切り、今も病と戦いながら物語と共に歩み続けるその姿を。皆が彼に恋をした。皆が彼女に恋をした。誰もが彼と彼女の恋に恋をした。そしてこの物語に恋をした!綿綿と続いていく恋はもう愛でしかない。開幕の鐘が鳴り渡る。永遠の愛の物語をキミはやっとはじめる 続きを読む…
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まりも
64交際中の男性・神から受けたプロポーズを断った詩也の娘であるミナ=アリス原田の視点から語られる、母と父の恋の物語。感無量。本編で語られることのなかった様々な事実や二人のドラマ、そして周囲の人々のその後について描き、辿り着いた結末はこの物語に相応しい素晴らしいものでした。千年待ち続けた雫の愛を始めとした様々な愛情の形を描きながら、本編の二人の話へと繋げていき、ミナが本当の愛を見つける姿は感動的で胸が一杯になった。未完の作品ではあったけど、こういった形で無事読み終えることが出来て本当に良かったです。 続きを読む…
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よっち
55交際する男性のプロポーズを「父を置いていけない」という理由で拒絶した詩也の娘ミナ。ずっとそばにはいられなかった母の代わりに決意する娘の視点から描かれる物語。母を愛し続ける父を想う娘の逡巡や、詩也が吸血鬼となるきっかけとなった雫の物語など、吸血鬼である以上は不老不死や周囲との時間の流れの違いにどう向き合うかという部分は避けられなくて、周囲の近況や意外な事実も交えながら紡がれた物語の中で示された結末は、これしかないと思える納得感のあるものでした。完結することなく終わった物語でしたが、これを読めて良かったです。 続きを読む…
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Yobata
54交際していた男性からイギリスに一緒に来て欲しいとプロポーズされるも、私,ミナ=アリス原田はある理由で拒絶してしまう。それは不老不死の吸血鬼である詩也を置いていけないという,そして父を置いていった母に負けたくないという恋心からであって…。「吸血鬼」シリーズの娘視点のエピローグ一般書。院生の娘ミナの婚約を起点とした話なのでだいぶ年数が経った後だけど、不老の吸血鬼が主人公で、永遠の愛が主題なので、色褪せない鮮やかな愛が描かれててさすがの野村さんだったね。詩也が高校時代に出会った亜璃子という余命僅かながらも→ 続きを読む…
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製品情報
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レーベル
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発売日2016/02/26
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定価1320円(本体1200円+税)
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ISBN9784047309821