あらすじ紹介
等身大以下の最弱リアルヒーロー参上!
オレの名前は高寺一郎。
高校では「キモ男」と呼ばれて、めちゃくちゃいじめられている。それはもうえげつないほどに。オレには自分のどこがキモいのかさっぱり分からないが、いじめる奴らに言わせると、存在自体がキモいのだと。
そんなオレの唯一の癒やしは、毎朝の通学電車のなかで出会う他校の女子高生・小宮美織を観察すること。美織のことはいろいろと知っている。一度家まで後をつけたことがあるから、彼女の自宅の住所だって知っている。なのに、向こうはオレがここに存在していることすら知らない。
ある日の放課後、美織に偶然会えたりしないかと、彼女の家の近所をうろついていたオレは、小学生の女の子が同級生に万引きを強要されている現場に遭遇した。なけなしの勇気を振り絞って助けてあげたその女の子はオレのことをヒーローか何かと勘違いしたらしい。その女の子――聖は、熱い尊敬のまなざしでオレを見つめながら言った。
「一郎にいちゃん、正義の超人ジャスティスターに変身して!」
この時から、惨めでカッコ悪くって最低に輝いた、オレの汗と涙にまみれた戦いの日々が始まったんだ――。
『初恋芸人』の著者が描く、等身大以下の最弱リアルヒーローストーリー!
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みんなからのレビュー
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nawade
14★★★☆☆ キモ男と呼ばれ、虐められている少年が正義の味方に仕立て上げられる青春リアルヒーローストーリー。これはなかなか胃に来る。いじめられっこが変身して一発逆転な痛快展開ではないし、爽快感もないし、コメディでもない。等身大?のいじめられっこが正義感の強い無謀な小学生に付き合わされ、等身なままヒーローを演じさせられる姿を愚直に描いている。そこには自分勝手な思いもあるし、挫折もある。それでも、過激な経験を通して小さな成長を遂げた彼の姿に安堵と共に予想されるこれからの苦難に負けないでというエールを贈りたい。 続きを読む…
ネタバレあり -
彼方
12キモ男と呼ばれ、悲惨ないじめをうけていた一郎が万引きを強要される女児・聖を救ったことから憧れの眼差しを受け、正義のヒーローキモイマンへ変身するお話。作中の悪意が濃すぎてこんなポップな表紙で出すものじゃないですよこれは…全裸撮影とか…。コンプレックスにまみれた弱い一郎が変身して、段々話題になる様…これは落ちる前兆かなと思えばまた更にキツい展開。確かに一郎は憧れの女性・美織へのプチストーカーだったり、キモい部分はある…最後の戦いの目的も利己的で、それだけにこの結末は納得できはしますけど…後味の悪さがすごい…。 続きを読む…
ネタバレあり -
ミタカノミタカ
12いじめられっ子がヒーローになるってんで、ラノベ版KICK ASS的なものを期待して読んだのだが、かの作品の嫌にリアルな部分だけを抽出して日本に置き換えてスケールダウンしたような物語だった。陰湿なイジメや、主人公の復讐心が妙に生々しくて読んでて辛かったです。最後は前向きに締まったけど、こういう話ならヒーロー活動を通して主人公がちゃんと救われてくれないと空しい。そして最後は坂下さんじゃなく、聖と希望を見出すべきだったのでは?聖が途中退場になってしまったのは本当に勿体無いと思う。 続きを読む…
ネタバレあり -
gawa
108/10。チンコを見られたって人間は終わらない。全裸でシャドーボクシングをさせられている主人公の思考は、結局のところ他人を見下したり、自分が認められたいという欲があったりと、普通に気持ち悪い上にクズである。彼が最後にしでかすことを考えても、客観的に見てその言動を認めることはできないだろう。それでも彼のとても人間的な思考に、自分を感じずにはいられなかった。この著者ほど、気持ち悪い自己と向き合い、こちらを見透かしてくる作家はなかなかいない。 続きを読む…
ネタバレあり -
Ex libris 毒餃子
9『緊急検証』シリーズでお馴染み、歩く待ち合わせ場所で有名なUMA研究家、中沢健の小説。インドネシアで特撮の脚本を書くほど、特撮に造詣が深い作者だけあって、特撮ネタが豊富。内容としては、銀杏BOYZや『日々ロック』の世界観に近いので、僕は好きです。片思いの女の子はあくまでも憧れの対象で、それはときには裏切られるのがキモイ男の青春群像。仲間や小学生のヒロインとの交流で成長できたのが、良かったのではなかろうか。 救われていたら、そんなに共感できなかったな。 続きを読む…
ネタバレあり
製品情報
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レーベル
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発売日2017/01/18
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定価631円(本体574円+税)
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ISBN9784094516531