こうして彼は屋上を燃やすことにした
〈受賞情報〉小学館ライトノベル大賞ガガガ文庫部門ガガガ大賞(第5回)
カミツキレイニー
(著)
/
文倉十
(イラスト)
シリーズ:こうして彼は屋上を燃やすことにした(ガガガ文庫)
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あらすじ紹介
「鳥肌モノ」と麻枝准が賞賛した、青春小説
「他に好きな人ができたんだ」
「い、嫌だっ」
彼氏のアメくんにフラれて生きる希望を失った私は、衝動的に学校の屋上へと向かう。身を投げるために。
けれどそこで私は、「ライオン」「ブリキ」「カカシ」と『オズの魔法使い』になぞらえて呼び合う奇妙な3人と出会う。みんな私と同じように死にたいと思っていて、だけど3人は「復讐してから死ぬんだ、あなたもそうしませんか」なんてあっけらかんと言う。拍子抜けして、自殺する気がしぼむ私。そして、アメくんとの思い出に彩られていない唯一の場所である屋上へと、日々、私の足は向くことになる――。
「独特の空気感を纏ったジュブナイル小説(あえてライトノベルとは呼びません)。オズの魔法使いに登場するキャラクター名で記号的に呼び合う仲間たちの物語なので、その空気が後半まで壊れない。そしてそれを壊す時=その隠されていた登場キャラクターの名前が一気に明かされるシーンは、鳥肌モノでした」と
『CLANNAD』『AngelBeats!』の麻枝准氏が賞賛した、第5回小学館ライトノベル大賞・ガガガ大賞受賞作。誰もが経験する恋愛の痛みを、こぼれ落ちそうな思春期の内面を描き切った、青春小説。
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みんなからのレビュー
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みっちゃん
97次男からの借り本。不器用で優しすぎて、それが故に居場所をなくしてしまったんだ。彼らの痛々しくも切ない決意。でも、きっともう大丈夫、やっていける。もっと若い時に読みたかったな、そしたら絶対に泣いていた。 続きを読む…
ネタバレあり -
Yobata
64一生を誓う程好きだった彼に振られ死のうと登った学校の屋上に謎の少年少女達がいた。彼らも死を決断していたが、死ぬ前に復讐しようと問いかけてくる…。主人公ドロシーを始めライオン,カカシ,ブリキと「オズの魔法使い」を題材に心に影を持ちながらも前進しようとする青春もの。あくまでもオズの登場人物名で呼び合うように親しみの線引きをして他人であるという態度を崩そうとしないものの、そんな少年少女達がお節介のドロシーを中心に等身大のまま、壁にぶつかりながらも道を探し出すのが爽やかな読後感を生んで大変良かった。→ 続きを読む…
ネタバレあり -
KUWAGATA
55ガガガらしい、挫折系青春物語。一度折れたところは完全には元通りにはできないけれど、添え木でもなんでもして、もう一度真っ直ぐに伸ばしてやることはできる。その過程を描いた物語のように、自分には感じられた。読みやすい文章、キャラの立った登場人物、安定した構成力。新人とは思えない高品位な作品だと思いました。ちょっと斜めに構えて書いたように見えて、実はとても優しい眼差しが心地いい。辛いこともたくさんあるけれど、読了後はとても心が洗われる。個人的には大変素晴らしい作品だと思います。 続きを読む…
ネタバレあり -
星野流人
40この作品を十全に楽しみたいが為だけに、私は「オズの魔法使い」を読んだのだよ……。登場人物の一人一人が「オズの魔法使い」のキャラクターに当て込まれた、青春小説。勇気の無いライオンに、知恵の無いカカシに、心の無いブリキ。キャラクターの当てはめとストーリーへの生かし方、3人の『オズの国』の住人の関係性の正体、そしてタイトルである『こうして彼は屋上を燃やすことにした』に繋がるクライマックス。その要素の一つ一つが読み手の心をつかんで放さない。 続きを読む…
ネタバレあり -
びゃく
36図書館。オズの魔法使いに出てくる登場人物に見立てた、カカシ・ライオン・ブリキ、そしてドロシーの現代学園青春もの。実は表紙にほとんど一目惚れ。中身読んだら、後半になればなるほど引きこまれて、面白かったです。どうしてあの三人だったのか、ブリキがカカシには優しかった理由など伏線の回収もばっちりで読後感が爽やか。ドロシーの最後のドロップキックにやられました(笑) 続きを読む…
ネタバレあり
製品情報
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レーベル
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発売日2011/05/23
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定価649円(本体590円+税)
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ISBN9784094512700