あらすじ紹介
残暑の厳しい九月十四日未明。東京都江東区有明の一画に、一夜にして直径五十メートルを超える大穴が空いた。底知れない空洞の出現に、都は対応に追われ、メディアはニュース特番の編集に勤しみ、付近に住む人々は避難を余儀なくされる。
翌日。自衛官・薮木環樹は娘・花音との約束をキャンセルして、この異常事態に対処すべく霞ヶ関を訪れていた。そこで、有明の洞穴から異世界の生物が這い出し、都民を襲っていることを知る。
折り悪く、花音は友人と共に、イベントが開催されているビッグサイトに向かったはずであった――。
みんなからのレビュー
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まりも
33これは突如異世界に侵食された東京を守る為に、決死の覚悟で戦いに挑む人間達を描いた物語である。他の方が書いている通り題材そのものはGATEとシン・ゴジラを足して2で割った感じではある。ただし、それだけの作品では決してなく、巻末の膨大な参考文献の多さからなる圧倒的な臨場感のある描写と、極限状態に追い込まれた人々の勇気と正義が胸を熱くさせる人間賛歌が織り成すハーモニーの見事さを存分に発揮していた。心にズシっと来るものを求めている方には是非とも読んでもらいたい。そんな1冊だった。 続きを読む…
ネタバレあり -
まるぼろ
19ある日突如有明の一角に巨大な大穴が出現、そこから異界の生物が這い出し都民を襲い出す事態に発展するが…というお話です。とても面白かったです。個人的にはこの作品で異世界の「人間」が出てこない事で、シン・ゴジラや安生正さんの生存者ゼロ等を思い出しながら読んでました。政府の判断や自衛隊員、その他活躍する民間人など真に迫った内容でしたが、後書きの次ページに連なる参考文書の数々を見て納得。環樹と花音に明葉と由見先生などの親子の絆や成長の物語も見れて大満足な内容でした。流石に続きは無いと思えるので、次回作にも期待です。 続きを読む…
ネタバレあり -
サケ太
19現代社会に突如として現れた異界の怪物たち。それに抗う人々。異界の驚異はまさしく災害といった感じ。あり得ない事例に対してグダグダしてしまうが、それも現代社会、自衛隊としてのしがらみか。 続きを読む…
ネタバレあり -
しぇん
19確かにこれはシンゴジラとgateの合成作品ですね。法案との戦いの部分はシンゴジラ。戦闘は戦死者が多いシビアになったgateという感じですね。初め無能多いのかな?と思ってましたが、無能というより人の命をを使い捨て、自分の出世の為にする酷いやつがいただけだったのはある意味良かったかなと。無能過ぎるものがいる展開は萎えますからね。参考文献の多さにも驚いたり。 続きを読む…
ネタバレあり -
のれん
17表紙から漂うシンゴジラフォロワー感。 ただ個人的には劇場版パトレイパー2感も感じる。官僚の出世欲に塗れた遅れた制度、責任を押し付け合い出し渋る政治家、そしてその間にも犠牲になる民衆と前線の自衛隊たち。 はたしてそれは災害派遣か、それとも防衛派兵か? 戦後日本の矛盾。こんな状態をなあなあと続けられる日本特有のお国柄。度胸ないくせに肝心な所でアクセル全開にする不器用さと言えば良いのだろうか、と苦笑する。 首相の決断力などご都合主義とテンプレ感はあるんだけどエンタメある政治劇は演出出来ていた 続きを読む…
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製品情報
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レーベル
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発売日2019/05/10
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定価715円(本体650円+税)
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ISBN9784048939638
パートナーのおすすめレビュー(宣伝)
モンスターにある程度の知性があるのが厄介で、負傷者を撒き餌にして待ち伏せしたり、視界の悪い霧から奇襲を仕掛けてきたりする。本能のままに動く野生動物と違って、現代兵器の力押しだけでは勝てない手強さがあるんだよ。
知恵を持つモンスターに立ち向かう自衛隊の勇姿は、現実的な臨場感があって目が離せないよ!
未知のモンスターに、法律や利権が絡んでくるのが現代的で面白いッスね。
人に危害を加えているモンスターが、動物保護の対象に含まれたり、仲良しの防衛商社に忖度して、強力な兵器の使用にケチをつける官僚がいたり……。
会議が進まず、自衛隊が自由に動けないのがなかなかもどかしいッス。
そんな状況を打破しようと、ヒロインの明葉由見は官邸を説得するために奮闘するんスよ。
会議室で繰り広げられる彼女の舌戦には、戦場での死闘とは違った熱さがあるッス!