
あらすじ紹介
学園祭の出し物としてバーチャル空間での演劇を行うことになった高坂直登と二年四組の生徒達。ところが仮想空間へログインした彼らを待ち受けていたのは、自分達を襲う獰猛な狼からの逃亡という不可解な演目の強要。さらにルールを無視した生徒の現実世界での死だった!
この演目が「人狼ゲーム」をモチーフにしているといち早く見抜いた高坂。しかしそれは、クラスメイトを疑い、吊るし上げるという最悪の事態を示唆するものであり……。そんな中、自ら狼役であることを名乗り出す生徒が現れ!?
虚構と現実の世界で繰り広げられる死と隣り合わせの人狼ゲーム。極限の騙し合いが、クラスメイトの本性を暴き出す!
みんなからのレビュー
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アウル
19土橋さんの持ち味が発揮されてるな。学園祭の出し物としてバーチャル空間で演劇をする事となった主人公のクラスだったが彼らを待ち受けていたのはなんとも理不尽な生き残りゲームだった。人狼ゲームとVRを混ぜあわせ、現実と仮想という曖昧な物を上手い事混ぜ合わせたのは流石、土橋さんだなと思った。騙し合い、極限状態時になった時人としての本性があらわになる描写は毎度の事ながら好きだわ。この最後の二択は選びづらい選択でしかも救いがなさすぎる。 続きを読む…
ネタバレあり
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陸抗
192年4組のクラスの生徒が全員拐われ、閉じ込められた建物の中で、バーチャル空間での人狼ゲームを始めさせられる。人狼は誰か。現実とバーチャル空間を行き来する必要があるのか、終盤まで謎だったけれど、並べられた狼達の主張に戦慄が走った。人狼ゲームは終わらない。 続きを読む…
ネタバレあり
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真白優樹
13―――誰が殺した、村人を。一皮剥いた下の顔は只人か、狼か。 訳も分からぬままに巻き込まれた死を強要するゲーム。始まりは一つの事件、そして仮想の世界で起きる惨劇の中で暴かれ晒されるのは、生徒の皮を被っていた獣達の剥きだしの本性。仮想世界と現実、二つの世界の狼が人間関係に混沌を齎すこの物語。剝き出しのエゴと本性が生々しく、そのえぐみが幸福な結末などではなく、犠牲を伴う苦い後味を齎す物語であり、土橋先生の一つの持ち味が容赦なく叩きつけられる、殴られて張り倒されるような物語である。 夜は続く、再び、この先も。 続きを読む…
ネタバレあり
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星野流人
12心理ゲームの金字塔・人狼ゲームを下敷きにしたデスゲーム。学校の一クラス全員が巻き込まれるこの人狼ゲームは、実際の命がかかった緊迫感に加え、これまでの教室で振る舞ってきた生活の延長線上でのやり取りにも繋がっている。人を疑い、自らの決断で誰かの命を奪い取る……ゲームとしての軽々しさと、そこから生じるあまりにも大きな喪失感の生み出す歪みには、読み応えがありました。人狼ゲームという人気作を、ブラックな学園ストーリーにうまく嵌め込んだ作品だったと思います 続きを読む…
ネタバレあり
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hiroy
9本屋でふと探したら2冊ほど土橋君の新作があったので購入。面白いッ!久しぶりの本領発揮。未体験だが人狼ゲームが持つ本来の面白さによるものなのか土橋君の筆力、構成力によるものなのかは分からないが没入できて面白い。こういった集団拉致強制デスゲームでよく弱点になる導入も終局も納得できる形でスムースだし、もっと言えば主催者や犯人動機もスッと来る形でかなり珍しい秀作。いいぞ土橋君!エピローグは読まない方が完成度高いと思うけど読んでしまうよねえ。作者後書きはいつもと違って本編より落ちる(けど中身はいいので読んでくろ)。 続きを読む…
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製品情報
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レーベル
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発売日2018/11/10
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定価671円(本体610円+税)
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ISBN9784049121612