みんなからのレビュー

• ばたやん@かみがた

  2019/06/19

  58

  “善き人”には何かモデルがあるんだろうか？私は、日中の国家体制の違いをまるで無視して、香港の大規模デモと沖縄の反基地デモを並べて弾圧されてるのは同じと言い張る人々を思い出してしまった。そうでなくても、平和を希求するユージーンがその為に人類の個我なんて消し去ってしまっても惜しくない、と主張する所なんか荒削りだが中国共産党が現実に目指している所とダブってしまう。群体の如き人類と言うディストピアは繰り返しSF等で描かれた陳腐な物語だが、陳腐さ故に実現夢見る勢力が後を絶たないのも現実であり警戒を要するのだ。(続 続きを読む…

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• よっち

  2018/09/29

  41

  数百年続いた「帝国」と「王国」の戦争。その終戦記念日の慰霊祭で皇帝と国王を殺した「災厄の魔女」アンナ・マリアが世界を敵に回して戦うファンタジー。交互に語られる過去と現在、アニーとユージーンの運命的な出会いとその関係、そしてアニーの弟分・アローンとの邂逅による関係の変化。過去が明らかになってゆくたびに見えているものの印象がガラリと変わっていって、因縁に決着をつけた結末にすら皮肉な事実が提示されてしまう展開に思わず唸らされました。そうだったのか…毎回違うジャンルの作品描くのにそのインパクトは相変わらずですね。 続きを読む…

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• まりも

  2018/10/07

  38

  たったふたりで全人類と戦い世界を取り戻す。これはそんな物語。なんとも言葉では言い表しにくい作品だ。復讐系ダークファンタジーかと思ったらそんなモノじゃなくて、ファンタジーの皮を被った哲学的な作品なのかと思ったらそれとはまた違う。頭の中が？で埋め尽くされているのに、不思議と悪い気持ちでは無く何となく気分は上々。この複雑怪奇な読後感これは一体何なのだろう。のんべんだらりと物語が進んだと思ったら急展開を迎えドンデン返し。この作品には鬼才大澤めぐみの全てが詰まっている。作家っていうのは本当にスゴい生き物だな。 続きを読む…

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• まるぼろ

  2018/10/08

  28

  数百年続いた｢帝国｣と｢王国｣の戦争が｢愛｣によって集結、平和になってから二年が経った世界、皇帝と国王も出席する慰霊祭が執り行われている最中に｢災厄の魔女｣と呼ばれているアンナ=マリアが現れ…という所から始まるお話です。何とも凄い作品でした。時代背景も過程も結果も異なっていますが、あの駅を訪れて以降のお話が｢ハーモニー｣と通ずる話を読んでいる様な、それでいて｢ハーモニー｣とは真逆のお話の様な印象を持ちながら読んでいました。そんな世界で｢ふたりぼっち｣の人間になってしまったアニーとアーロンの物語ですが、→ 続きを読む…

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• わたー

  2018/10/01

  23

  【試し読み】200ページ超の試し読み。これは賭けていますわ。人類が「善き人」に取って代わられ、数百年続いた泥沼の戦争が集結した優しい世界を舞台に、最後の人類である姉弟が世界に叛旗を翻す物語。現在と過去を交互に描き、何故このような事態に陥ったのかを丁寧に描写しているのがかなり面白い。これは大量の試し読みがないと良さが伝わらないやつだな。旧友との決戦を前にして、試し読みが終わってしまったので、続きがすごく気になる。 続きを読む…

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