あらすじ紹介
サンマグノリア共和国。そこは日々、隣国である「帝国」の無人兵器《レギオン》による侵略を受けていた。しかしその攻撃に対して、共和国側も同型兵器の開発に成功し、辛うじて犠牲を出すことなく、その脅威を退けていたのだった。
そう――表向きは。
本当は誰も死んでいないわけではなかった。共和国全85区画の外。《存在しない“第86区”》。そこでは「エイティシックス」の烙印を押された少年少女たちが日夜《有人の無人機として》戦い続けていた――。
死地へ向かう若者たちを率いる少年・シンと、遥か後方から、特殊通信で彼らの指揮を執る“指揮管制官(ハンドラー)”となった少女・レーナ。
二人の激しくも悲しい戦いと、別れの物語が始まる――!
第23回電撃小説大賞《大賞》受賞作、堂々発進!
みんなからのレビュー
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オセロ
161サンマグノリア共和国の白系種に迫害され人権を失った-86-と呼ばれる少年少女達と、白系種ながらも-86-の人権を主張するレーナが共和国に攻め込もうとする無人兵器の〈レギオン〉相手に共に戦う物語。国に迫害されながらも自分達の誇りの為に〈レギオン〉と戦う姿には胸を打たれます。そんな-86-と共に戦ううちに彼らとようやくと打ち解けたところでレーナに突き付けられる現実はあまりにも残酷で。次巻からは巻末で描かれたシーンが描かれるようなので楽しみです。 続きを読む…
ネタバレあり -
bookkeeper
140★★★☆☆ 機体の性能でも物量でも圧倒的に不利な戦場で、絶望的な防衛戦を続ける部隊と、後方から支援・指揮を行う女性士官との交流のお話し。 差別する側とされる側…乗り越え難い壁を前に、傷付きながら寄り添いたいと願うヒロインの姿に感動させられました。次第に明らかになる残酷な真相に、何度も打ちのめされる。 ボーイミーツガールなんだけど、ミーツしない。戦闘シーン、アニメで見たいが、無骨なメカを大量にぐりぐり動かすの、難しそうだなぁ(笑)。 「理想というのはね、手が届かないほど高いから理想というのだよ」 続きを読む…
ネタバレあり -
芳樹
139これは傑作。人種差別されて人権を持たないー86ーと呼ばれる少年少女兵と、差別を憎み高い理想を掲げる「差別する側」の上官少女兵との交流が描かれる作品。86の少年少女たちが自由を求め誇りにかけて前進するのを、理想と現実の間で打ちのめされながら懸命に追いかける上官レーナの姿が、痛々しくも眩しく映りました。戦場でのボーイミーツガール。自律兵器。ディストピア。様々な要素が詰まっていて、戦争という救いのない重いテーマを抱えながらエンターテインメント性が抜群なとても面白い作品でした。シリーズを追いかけるのが楽しみです。 続きを読む…
ネタバレあり -
かんけー
123電撃小説「大賞」受賞作♪すみません(^.^)設定やら世界観が素晴らし過ぎて自分の拙い語彙では表現出来ないので、其処には触れませんが登場人物達の慟哭がストレートに伝わって来る?この文面の凄さに読み始めて直ぐタジタジと?人種差別をプロットにして人同士の対立と憎悪を極端なレベル迄描き、読者に突き付けて来る。シンとレーナのシンクロだけのやり取りも最初は不安で一杯で(^_^;)メカニカルな描写も素晴らしく何時か映像で観たいと?切望しますねこれは♪書きたい事は色々有るんですが?しらびさんのイラストも最高級ですし、→ 続きを読む…
ネタバレあり -
こも 零細企業営業
105帝国軍無人機 レギオンが攻めてくる。それを対人 ・対戦車地雷原 、自律式地対地迎撃砲で固めた防衛ラインの前の最前線で無人機ジャガ ーノ ートが迎撃する。そのジャガーノートには人間もどきの86が、有色人種が乗って戦っている。 対人地雷が後方に控えた最前線に、前面の帝国無人機と戦わされている有色人種86。フィクションだから読めるけど、胸糞悪い設定だよな・・・差別が定着して、差別と思えない連中。悪意のない差別(ヘイト)が突き刺さる。アレ(86)は人間じゃないって何だよ・・・ 続きを読む…
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みんなのラノベまとめ
製品情報
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レーベル
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発売日2017/02/10
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定価693円(本体630円+税)
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ISBN9784048926669
関連サイト
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公式サイト
パートナーのおすすめレビュー(宣伝)
タイトルの「エイティシックス」というのは蔑称で、戦場に無理矢理駆り出されるほどに差別されている人たちのことだ。周囲の人間が「エイティシックス」を家畜扱いする中、レーナは彼らを人間として見ようとする数少ない良識人なんだよ。
ただ、レーナ自身は差別されない立場にいるから、残念なことに仲間のエイティシックスたちから冷たくあしらわれる事が多いんだ。それでもめげずに歩み寄ろうとするレーナの粘り強さは思わず応援したくなるよ。
作中の舞台となる共和国には、国民を守るだけの物資と兵力が無いという問題を、「エイティシックス」に対する人種差別政策で強引に解決した過去があるッス。人々が不満のはけ口を欲しがって誰も反対せず、時が過ぎると常識化して疑問にも思わないというのが生々しい狂気を感じさせるッスね。
差別されて兵役を強要される過酷な環境の中、誇りを捨てずに戦い続ける「エイティシックス」たちの物語は見届ける価値ありッス!