【レビュー】タイトルから超ドキドキ!?　色んな意味でキワドイ線を攻めまくる、コスプレへの愛と情熱が溢れた年上お姉さんとの甘～いラブコメ！

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はファンタジア文庫から6月20日に刊行された『このコスプレお姉さんは、僕専用らしい』です。みなさんの感想も聞かせてください！

　その界隈では知らない者はいない、噂の天才コスプレ造形師と、圧倒的なフォロワー数を誇る人気コスプレイヤー（成人向け）。そんな男女が一つ屋根の下で暮らす、なんてことになれば当然、何も起きないはずもなく……？　タイトルやあらすじから期待を裏切らない面白さで、終始ニヤニヤと楽しく読めた一冊でした。

　今や世界中で楽しまれているコスプレ。残念ながら（？）、自分には「コスプレをする」趣味はありませんが、それでも気合いの入ったコスプレを見れば感心するし、目を奪われます。特に、作りこまれた武器や鎧などには、興味津々です。もし自分に、主人公であるりくほどの造形センスがあれば……、毎年夏や冬のイベントで、さぞ充実した時間を堪能していることでしょう。本当にうらやましい。
　一方、ヒロインであるひよりや、うみはコスプレイヤー。しかも、えっちな。つまりは、せっかくの衣装を途中で脱いでしまうワケですが、ちゃんと衣装にはこだわりを持ち、キャラをおろそかにしていないのは好感が持てます。確かにエロいだけでもある程度、注目は浴びるでしょうが、キャラクターへの愛が感じられなければ、きっと人気になることはないでしょう。そういうところ、自分たちのようなオタクはしっかりと見抜きますからね（笑）。

　ただ、彼女たちは、困ったことにコスプレしてなくても、日常的にエロいんです。それはもう、うらやましさを通り越して、りくをちょっと不憫に思ってしまうほどに……。かなり特殊な男女3人による、ドキドキ満載の同居生活。ラブコメとして面白いのはもちろんのこと、作中の端々からコスプレへの情熱を強く感じました。漠然としかコスプレを知らなくても、本作を読めば釣られてコスプレに興味が湧いてくること間違いなし!?　――今年の夏コミは、いつもより熱くなれそうな気がします。

テキスト：瀧田伸也

ざっくり言うとこんな作品

１）文化祭で工作部の展示を見たひよりは、その中のひとつの作品に一目惚れ。自身のコスプレ衣装を依頼しようとりくの前に現れ、その場でいきなり服を脱ぎだして――!?　インパクト大な出会いから始まる二人のラブコメ。

２）コミケ会場でりくと再会したひよりは、同じコスプレイヤーであるりくの姉・うみと意気投合。すると後日、なぜかうみが、ひよりを同居人としてりくたちの家に連れてきてしまい――!?　テンポよく供給されるイベントに思わずニッコリ。

３）家の中では裸族の姉。そして、ひよりも世話焼きな露出狂（？）。えっちなコスプレお姉さんに囲まれての生活は、噂の天才造形師も、ドキドキで作業に集中できなくなっちゃう!?　羨ましさが爆発寸前の甘々展開をみんな味わっちゃえ！

主要キャラ紹介

三好ひより
津原商業高校の定時制課程に通う、21歳の3年生。筑紫フムの名で成人向けのロムを制作しているコスプレイヤーであり、SNSのフォロワー数は50万を超えるほどの人気を誇る。

東浦りく
ひよりと同じ高校に通う、全日制の2年生。四辻冥の名でコスプレ造形師をしており、予約を受け付けると5秒で埋まるほどの天才と噂されている。年の割に背が低い事が悩み。

東浦うみ
普段はブラック企業で働き、休日には北垣内みなみの名で活動するコスプレイヤー。りくの姉であり、事故で両親と妹を一度に失ってからは、ひとりで弟との生活を支えてきた。