【レビュー】学生時代に、こんなスキルがあったら……。誰もが夢見る「お金が勝手に増える」憧れの生活がここに!

『異世界複利』書影

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はMFブックスから6月25日に刊行される『異世界複利! ~日利1%で始める追放生活~1』です。みなさんの感想も聞かせてください!


 およそ十年前、大学時代のこと。まだまだ金融感覚がガバガバだった自分は、毎月のバイトで得られる給料と同額くらいをクレジットカードで支払うという自転車操業をしておりました。つまりシフトが減れば大問題。急にお金が入り用になるなんて事態が起きればもう一巻の終わり。貯金なんてことは考えず、とにかくオタ活に奔走しておりました。もし何かの拍子でバイト先が休業なんてことになっていたら、人生が詰んでいたかもしれません。
 今でこそそんな事態はなくなり、きちんと貯蓄もできるほどの生活にはなりました。ですが、もしあのとき、本作の主人公・遠市厘のように【複利】のスキルを持っていたら……。バイトの給料を元本に、日利1%でいいから増やしていきたいものです。――いや、劇的に増えるのは給料日からクレジットカードの支払日までの数日間だけなんですけど。そうでなくとも、小学生時代から複利という言葉を知るくらいの金融知識が自分にあれば……。自分は大学の終わり頃にようやくファイナンシャルプランナーの勉強を始めたくらいの体たらくなので(そして三日坊主に)。

 そんなお金周りの思い出を掘り起こされ、羨ましい!という言葉が出るだけで本作は終わりません。もっと羨ましいのは、やり手の宿屋経営母娘を妻・義母としたり、どんどん裕福な生活(片や他のクラスメイトは兵士のような生活をしているというのに!)をしていったりすることです。こんなに可愛い女の子と結婚できて、こんなに美しい義母(しかも30代前半ですよ)と一つ屋根の下にいられるなんて。もう最高じゃないですか……。

『異世界複利』ピンナップ

 ともあれ、現実の僕ではこの二人に見合うようなスキルは持ち合わせておりません(複利もないですし)。どうしたらこの世界に転移することができるのか、誰か教えてください! 本作はそれくらい現実逃避したくなるほどのめり込んでしまう、傑作です!

文・太田祥暉

ざっくり言うとこんな作品

1)召喚初日、使えないとして追放された主人公の持つスキルは、なんと確実に価値が見込めるもの!? サクサクとスキルが向上していく爽快感がたまらない!

2)経験値をゲットして、どんどんと成り上がっていくスピーディーな展開がやみつきになる!

3)どんどん余裕を持っていく主人公と、宿屋の母娘や金貸しなど、さまざまなキャラクターとの掛け合いの変化が面白い!

主要キャラ紹介

▼遠市厘(といち・りん)
クラスメイトとともに召喚されてしまった現代日本の高校生。追放されてしまったものの、スキル【複利】を使って資金を増やしていく。さらには宿屋の婿になってしまい……!?

『異世界複利』遠市厘

▼コレット
宿屋の看板娘。母であるヒルダから逞しい教育を受けており、厘を手放さぬように泊まり始めてすぐの頃からアタックを開始する。

『異世界複利』コレット

▼ヒルダ
宿屋を切り盛りするコレットの母。かつて旦那がいたものの、冒険者稼業によって命を落としてしまったため、未亡人に。厘にアタックをかける打算的な性格の持ち主。

『異世界複利』ヒルダ

作品情報
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    異世界複利! 日利1%で始める追放生活 1

    著者: 小西 にこ   イラスト: 匈歌ハトリ

    宇宙で最も偉大な力! byアインシュタイン で異世界無双!?

    クラスごと異世界に召喚された遠市厘(といちりん)。そこで彼が手にしたスキルは【複利(日利1%)】だった。
    しかし異世界人たちには複利の概念が理解されず、幸か不幸かスキルの真価がバレずに済んでしまう。
    その結果、召喚した教会の聖職者から役立たずと判断された厘は、わずかな手切れ金とともに城から追放されてしまった。
    戦闘力は皆無の厘だったが、ある日、レベルが上がると利率も上昇していることに気づく。
    「固定金利じゃなかったのか!?」
    レベル(日利)を上げて、手持ち資金を複利で運用することで、寝ていても毎日金を稼げるようになった厘。
    かのアインシュタインをして「人類最大の発明」と言わしめた【複利】スキルを手に、厘の異世界無双が開幕する!

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